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読書の森

双方向テレビ(?)

大震災の前にNHKの番組で視聴者参加型の『日本のこれから』という番組がありました。
2004年に同局の起こした受信料に関連した不祥事で、視聴者の不信をかって受信料不払いが続出しました。そこで、視聴者の生の声を討論形式で聞こうと、主に社会問題をテーマにしたこの番組が始められたのです。

有識者や学者と選ばれた一般人が自由に意見を出し合うので、かなり面白いものがありました。
NHKのHPからアンケートに答えた人から一般人の代表を選ぶ仕組みで、実は私もアンケート提出後、NHKの職員から話を聞かれた事がありました。

残念ながら、生番組に出演はなりませんでしたが、お陰でたいそう面白い体験が出来たのです。

その後、不祥事で一時どうなるかと思われたNHKも立ち直りました。


これが多分視聴者参加型番組の先駆けとなるものでしょう。
番組中に、Twitterの意見がテロップで流れ又意見を出した人が別画面で映って、まさに「デジタル時代」を実感しました。

この頃から、双方向テレビ、つまり視聴者参加型(リアルタイムでHPにSNSを流せる)番組が増えたと感じます。
つまり生番組が一気に増えたのですね。その為にタレントもごく普通の外見でアドリブが効く人の方がモテる時代に変わった気がします。

あれから18年程の年月が流れて、まさかこんな世の中になるとは思いませんでした。
『日本のこれから』で熱く語られた理想の社会、あれは何だったのだろう?
などと虚しい思いが起こります。

が、現実に信じられないような世の中であろうと、原則この社会で生きていかねばなりません。
ネットの爆発的普及によって良い意味でも悪い意味でも、テレビだけとは限らずバーチャル世界に於いて双方向性社会になっております。

言わば、世界中、何でも見られる社会、見られている社会となりました。

今迄上げた写真は先頃の東京オリンピックのTV画面ですが、リアルタイムで見れた1回目の東京オリンピックとエライ違います。
いかにも世界的儀式という形で行儀よい選手達と異なる、個性溢れる選手たち。
「みんな、リッチになったな。世の中豊かになった」という感があります。

しかし、果たして本当に世界は豊かになったのでしょうかね?

少なくとも、今のテレビ画面に登場してる人の経済生活と現実に普通(以下?)に暮らす人の経済生活のギャップをかなり感じております。

もし、双方向テレビというものが、本当に庶民の生の声を反映させるものなら、今はこの格差の広がりについて、もっと真剣に考えていただきたいと思います。

非常に怖い事に、古来、この不公平さに気づかせない為に国ぐるみで共通の敵を作り、それが戦争に繋がるケースが歴史上多々あります。それを助長するのが情報工作であります。

TVやネットが不平分子を摘発する道具にならない為にも、本当に国民全体の生の声を取り上げていただきたいな、と心から願ってる次第です。
少なくとも、『日本のこれから』を取り上げた時点の方が非常に真摯な気持ちのTVマンが多かった気が致します。


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