加政府の気候変動対策は鈍すぎる=議会報告書
【オタワ8日ロイター時事】カナダ議会の環境コミッショナー、スコット・ボーガン氏は8日、同国政府の気候変動との闘いはあまりにも遅すぎ、そのささやかな温室効果ガス排出抑制目標でさえ達成できる可能性はほとんどない、とする報告書を発表した。
環境保護活動家らは、カナダの中道右派・保守党政権は環境の保護よりも産業開発に強い関心を抱いていると批判している。同国は昨年、京都議定書から離脱した。
政府は2005年基準で20年までに温室効果ガスを17%削減することを約束している。ボーガン氏は、そのために必要な措置の導入が遅れていると述べるとともに、20年には逆に05年水準を7.4%上回るとの昨年7月の公式見通しを改めて指摘した。
同氏は「政府は温室効果ガス削減に向けて動き出したが、現在のペースは20年の削減目標を達成するには不十分だ」としている。また、環境省には省庁間の協力をどう進めるかを示す計画がないし、各業種がどのように排出を削減すべきかを示してもいないと批判した。
これに対してケント環境相は、政府は20年の目標達成に向けて「大きく前進している」と強調した。ただ、他の閣僚と同様に、雇用を減らし、経済に打撃を与えるような措置は検討しないと述べた。
原油の中国向け輸出に熱意を傾けるカナダ政府は、アルバータ州のタールサンドから抽出した原油を太平洋岸まで運ぶための2本のパイプライン建設を強力に推し進めようとしている。これについては、壊滅的な原油流出事故のおそれがあるとして、環境保護団体や先住民族が反対している。[時事通信社](2012/05/09-10:41)
【オタワ8日ロイター時事】カナダ議会の環境コミッショナー、スコット・ボーガン氏は8日、同国政府の気候変動との闘いはあまりにも遅すぎ、そのささやかな温室効果ガス排出抑制目標でさえ達成できる可能性はほとんどない、とする報告書を発表した。
環境保護活動家らは、カナダの中道右派・保守党政権は環境の保護よりも産業開発に強い関心を抱いていると批判している。同国は昨年、京都議定書から離脱した。
政府は2005年基準で20年までに温室効果ガスを17%削減することを約束している。ボーガン氏は、そのために必要な措置の導入が遅れていると述べるとともに、20年には逆に05年水準を7.4%上回るとの昨年7月の公式見通しを改めて指摘した。
同氏は「政府は温室効果ガス削減に向けて動き出したが、現在のペースは20年の削減目標を達成するには不十分だ」としている。また、環境省には省庁間の協力をどう進めるかを示す計画がないし、各業種がどのように排出を削減すべきかを示してもいないと批判した。
これに対してケント環境相は、政府は20年の目標達成に向けて「大きく前進している」と強調した。ただ、他の閣僚と同様に、雇用を減らし、経済に打撃を与えるような措置は検討しないと述べた。
原油の中国向け輸出に熱意を傾けるカナダ政府は、アルバータ州のタールサンドから抽出した原油を太平洋岸まで運ぶための2本のパイプライン建設を強力に推し進めようとしている。これについては、壊滅的な原油流出事故のおそれがあるとして、環境保護団体や先住民族が反対している。[時事通信社](2012/05/09-10:41)