「グッドイーブニング、はな」花子が女学校から逃げ出そうとしたとき、おとうの吉平が、門の前で声をかける。花子は、「グッドイーブニングおとう」と返事。その一言が、花子を偉大な翻訳者にした。おとうを熱演した、井原剛志、素顔も温かい人なんだろう。ドラマを観ながら、自分もそうありたいとつくづく思った。
大河ドラマ「軍師勘兵衛」も残り二ヶ月になった。最初は、岡田准一が主演と聞いて、あまりにも男前過ぎてイメージが湧かなかったが、回を追うごとに勘兵衛らしくなった。もちろん、名脇役が揃っているから、岡田准一の演技も光るのだろうが、ベテランに負けない演技をしている。


時代劇、現代劇で正義を体現する役者、北大路欣也。映画八甲田山では、綿密な事前の下見をしたにも関わらず、理不尽な指揮命令系統の犠牲になった神田大尉を熱演した。一方、「半澤直樹」では、老獪な東京銀行の中野渡頭取役を好演、ますます円熟味を増している。