aiaiのきまぐれ日記

子どもたちとの日々、いなかの暮らしで感じたことを、きままにおしゃべり。

三四郎と算数(長文)

2007-10-07 17:57:21 | ナチュラルファミリー
三四郎の発言は私はとても面白い。
でも、時間がないと、省かれてしまう。

みんなが省くような疑問を持って
すすめなくなってしまうこともある。

そこが、親である私は面白くて(時に面倒だけど)、
「私たちは何を急いで答えを出しているの」と問われている気持ちになる。

この間、授業参観日に、すごーく面白い授業を見させていただいた。
素敵な算数の授業だった。

示されたいくつかの図形の中から、三角形と四角形をえらぼうという作業を、
子どもたちにまず、させる。
その理由を書く。
そして、発表する。

中には、三角形でも四角形でもないものがまぎれている。
一線が直線でなく弧になっている形や、
線と線が完全に囲まれていない形がそれにあたる。

こどもたちは発表しあいながら、お互いにゆれている。
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「ここがまあるくなっているから、まよったけど、
角が3つあるから、三角形と思います」
「線が3本あるから、三角形というんじゃないですか?」
「囲まれていないから、三角形ではないと思います。
中に動物をいれたら、にげてしまうでしょ?」(参観者笑)
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この授業のねらいは、
『3(4)本の直線で囲まれた形が三(四)角形』
ということを納得することだったようだ。
前もって、授業でこどもたちはその定義を学んではいるけれど、
それを自分のものにする作業が今回の授業だったのだろう。

こどもたちが、「ああでもない、こうでもない」
と言っている時間を大切にしているところに好感が持てる授業だった。

こういう無駄に見える時間のなかに「腑に落ちる」ある線があり、
それを子どもたち自身の時間感覚のなかで生み出せる環境を
子どもの目線で感じることができるかが、
指導者の腕なのだろうと思うことがある。



ところで
三四郎は、授業の最後には、
「どうやら弧をかいたり囲まれていないところがあったりするのは、
三角形・四角形の仲間には入らないらしい」
と理解しかかったものの、終了後もまだ首をかしげていた。

その、首をかしげているところが気になったから、
帰ってから聞いてみた。

「どうしてあれを三角形の仲間にいれてはいけないの?」
いかにもお人よしの三四郎らしい考え(笑)。

そんなこと、学校の算数でいちいち悩まなくったっていいのかもしれない。
そこで足踏みして、理解に時間がかかっている。
だけど、私は「この質問は本質を付いている」とわが子びいきに思った。


「子どもはひとりひとりそれぞれの子どもの世界で学んでいる」
という感覚を理解できる先生に
出会いつづけることができるといいなあと思う。

子どもの疑問を発掘することに喜びを感じるような先生に。
子どもの世界に尊敬と憧れと再発見を感じるような先生に。
学びあえる立場を持てる先生に。

私は、「仲間に入れないほうが便利だからよ」と少し考えて答えてみた。
どう便利なのか、苦労したけど、どうにかこうにか話してみた。
なんか、ふっと彼の表情が変わって、「そうか」となったので、安心した。

それから、三四郎は、自分で問題を作ってみて、
うちに訪ねてきた私の友人に答えさせてみたりしたのだった。

ちなみに、私は、
「じゃあ、三角形に入れなかったあの形をなんと呼べばいいのかなあ」と
授業を聞きながら思っていた。
なんだろう?

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2 コメント

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おとな?のサンカクは… (ちばっち)
2007-10-08 11:49:20
高校や大学で学ぶ「数学」には、もっと不思議なカタチが出てきますよ、ね。

簡単な例では、地図上のサンカク。

東京とニューヨークとローマを直線で結び、地球儀で見ると…

ちょい斜めから見たら、全ての辺はどう見ても曲線ですよね。

このほかにも、数式で表される「世界」は、私たちの世界観で見ると、とっても奇妙…らしいです。

どこかで聞いたようなセリフで言えば「【世界】の数だけ、サンカクがある」…ってことでしょうか。
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数学の奇妙さ (aiai)
2007-10-09 17:48:16
数学は奇妙かあ。
美を求めるが故に、省かれたところがあるのかな。

地球儀上のサンカク、なるほど!!!
面白い!
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