Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

スイス銀行「おっぱい博士」@J.I.T1st

2010年10月20日 | ヨミモノ・キキモノ・ミモノ
■日曜日(17日)午後2時50分には津駅へ。このまま普通に名古屋線の急行に乗ってしまえば何と言うこともない夕方だったのですが、逆方向の特急に乗り継ぎ、17時前に大阪上本町へ。随分日が短くなっているくせに、なんでこんなに蒸し暑いんでしょうね。もはや行きつけのjungle in→dependent theaterでスイス銀行「おっぱい博士」千秋楽を観ました。
■いやあ笑った笑った。久野麻子さんと嶋田典子さんというキャリア豊富な女優さん2人のユニットということである程度の期待はしたのですが、まさかげに懐かしき「おとなの漫画」(神戸のサンテレビでしたが、私はネット受けの岐阜放送で見てた)のようなエロ番組の製作の舞台裏をガチ正面で描き出していました。ジャングルの1stは、タッパもそう高くない、客席70くらいの小さなスペースです。それがええ加減な番組制作の現場のエエカゲンな雰囲気で完全に満たすことに成功していました。書くと普通っぽいですが、実はこれって凄いことなのでは?と思うのでした。
■出演者のドタキャンがあったせいで本来ディレクターとしてサブでキューを、あくまで仕事で振る立場の福永(久野)が、代役として、AVの女の子に囲まれながら自分では想像もしたくないエロいことを言ったりやったりさせられて、その不満をぶちまける途中での自分が発した言葉から矛盾を突かれて…というのがストーリーの中心に置かれていました。しかし、それだけでなく、彼女を責めたてる(エロい意味ではないです。あ、ちょっとはあるか…)側それぞれが抱える事情もまた、きちんと折り込まれていく。
■実際社会生活では、マスコミを代表とする無責任な部外者が煽りでもしない限り、誰かが、何かが一方的な悪者に置かれたままになるという時間はそんなに長くないように思います。そこを分かってきちんとAVメーカーの若きオーナー・ジェリー(澤田誠【Amusement Theayer 劇麟】)やその所属男優・渡辺(本村公嗣【劇団そとばこまち】)の抱える過去を笑いの邪魔にならないように描いて(これ重要)物語に厚みを出していたのは、手練の脚本だなと思いました。
■それより何より、この前大阪と京都でボロボロに泣いてきたM.O.P.「さらば八月のうた」に出ていた酒井高陽さんが、全く方向の違う、いい加減なおっさんプロデューサーで出ていたのが一番驚いた。思わず知りもしないくせに「おっさん何しとんねん」と言いそうになったのは、このウェブログだけの秘密です(笑)。

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