Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

綻刻ーラグタイムー【風組】@三重県文化会館

2010年10月17日 | ヨミモノ・キキモノ・ミモノ


■今日は昼前から一筆書きに三重~大阪~名古屋をくりっと回って観劇したりの11時間。先ほど帰還しました。その1発目。三重県文化会館小ホールで岩崎正裕さん演出の劇団太陽族×三重県文化会館「綻刻ーラグタイムー」を見ました。ダブルキャストの片方、風組です。
■アンケートを記入して、電車の時間が迫っていたために後で思いついたことでしたが、この物語は綻びる時間=綻刻の描写であると同時に、世代間の軋み、時間の軋みが活写された舞台でもあったのでは?と思います。タバコ屋の主人でもあった妻を事故で亡くした元・看板屋の老人、冷めきった元・演劇部の先輩後輩同士の夫婦とその仲間、舞台となった店舗に居候する若い女、老人の遺産を狙う若い男。ごく自然に戯曲に描かれたキャストは、世代間の断絶を詳らかにするためにきわめて巧妙に配置されたことが分かります。立ち入った説明はありませんでしたが、自営であること、(正規雇用の)サラリーマンであること(元も含む)、非正規のアルバイト及びパートであること類推できたことも大きかったように感じました。
■世代間に綻びがあればもつれた糸は世代そのものを構成する個々人にも絡み付き、だんだんと身動きが取れなくなる。特にその痛みは、まさに働き盛りの世代である富田夫妻に最も顕著に現れます。それはまさに、何年か後の私自身の姿なのかもしれません。もちろん悪い意味ではなく、感動というより、心に重苦しいものがあったこともここに書き記しておきたいと思います。ラスト近く、ホシノがつぶやいた「時間の進み方が違うんだよ」というひとことが、それらにちょうど形のあった鍋のふたになってくれたのは救いでした。
■かつて共演させて頂いた岡村さん、角谷さん、C.T.T.にも参加してくださった竹内さんの姿を、出演者として確認できたこと、岩崎さんの戯曲上演を久しぶりに観ることができたことも嬉しかったのですが、何より最近、本拠地以外でしかお会いしていなかったためか、三重県文化会館の松浦さんの働く姿に妙に感じ入るものがありましたとさ。来週はなるべく定時で上がってくださいね、本当に。
■この後、近鉄に乗って一路、大阪へ。2本目は通天閣の根元で、ある銀行に口座を開きに行きました。その話は、また後ほど。

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