山猿日誌

~春夏秋冬~クライミング・山スキー・登山の記録集。

福井県最高地点をめざして2095

2014-03-25 | 登山

美しき山並み。(三ノ峰を望む)

3月22~23日
メンバー:Fさん、柴田
ルート:下打波~美濃叉川~野伏ヶ岳~薙刀山~よろ太郎山~願教寺山~一ノ峰~ニノ峰~打波の頭(越前三ノ峰)~六本桧~上小池~下打波

 福井県最高峰はニノ峰となっているが、福井県の本当の最高地点は、三ノ峰避難小屋のすぐ裏手にある打波の頭(越前三ノ峰2095m)だ。そこへこの時期貴重な連休を利用して会の先輩Fさんと力合わせて行ってきた。入山日前日にまとまった雪が降ったおかげで、苦しめられもしたが、その代り新雪で雪化粧したきれいな山並みを望むことができた。

 Fさんから計画書が送られてきてさっそく地図を確認すると、『長っ!これマジですか?』と思ってしまった。
それもそのはず、計画段階では前半に下打波~松鞍岳~枇杷倉山~小白山があり、更に後半では六本桧から杉峠~よろぐろ山を登って下山というものだったからだ。しかし、雪さえ締まっていれば行けない距離ではないだろうと次第にわくわく高揚してきた。
 だが、入山前日にこの時期にしては強い寒気が入りこみ降雪。山へ入っていたあっこさんから、山では20~30センチは積もっていると情報を得る。この時点ではこれは厳しいかな~と思いつつも、ま、なんとかなるやろと思っていた。

22日(曇り時々晴れ)

 下打波に到着してすぐに甘い考えは打ち消された。この時点ですでに数センチ積もっている。この感じでは確実に予定通りのルートは行けそうもないと判断し、後半のメインを残し、前半を省略しようと一気に美濃叉川二俣の尾根から野伏ヶ岳を目指した。
 深いラッセルとまではいかないが、新雪は20センチ以上積もっていて思うようにスピードが上がらない。更にこの日は体調が悪いわけでもないのに足取りが重く、前半大部分をFさんにリードしてもらった。県境稜線にでれば雪は締まってアイゼンサクサクきかせ進めるだろうと期待していたが、稜線に出たらラッセルは更に深くなり野伏ヶ岳が遠く感じられた。ようやく野伏に着いた時には時刻は14時を回っていた。頂上には作られたばかりと思われる風よけがあり、それを利用し休憩。休憩もつかの間、このままでは後半も予定ルート行けなくなるんじゃないかと不安になり先を急ぐこととした。
 ここからは先は助かった。稜線上かなり締まった個所が多くなり一気に距離を稼げるようになったからだ。
 それでも薙刀山まで1時間半ほどかかってしまった。ここでひと仕事、翌日山スキーでここへ訪れるというわさびさんoyaziさん、Kさん、あっこさんへ、無事登頂を願って置きフラッグを設置。
 
 この日はテントを持たず雪洞泊りだったので早めに行動を終了したかったが、できるだけ距離も伸ばしたいということで17時過ぎまで行動。ちょうどよも太郎山と願教寺山のコルに良い雪洞ポイントを見つけたので、本日はここで泊まることとした。
さっそく雪洞を掘り出すが雪が硬くてなかなか掘り進めない。1時間30分ほどかけてようやく完成。作っている最中は、やっぱりテント持って来れば良かったな~と考えていたが、テントなどよりも広々とした雪洞に入って落ち着いた途端に雪洞はやっぱり良いなと思ってしまうわがままな自分が居た。
 雪洞の中で、ラジオ聞いて、雑談して、飯食って、ほんとなんてことないことだけど楽しい。


下打波出発。


予定外のラッセルに苦しめられる。


威圧感が違う願教寺山。(ここを下ったところに雪洞を掘った。)

 

雪洞の中は、風も当たらず静かで暖かい。


下打波7:00~野伏ヶ岳14:00~薙刀山~15:20~よも太郎と願教寺のコル17:00



23日(快晴)

 朝一番はガスがかかり、楽しみにしていた朝日を浴びた願教寺は拝めなかったが、一時間もたったころにはすっかり晴れ渡り、雲一つない青空が頭上に広がった。
そんな中、広々とした尾根を歩くのは最高に気持ちが良い。
 願教寺を越え一ノ峰、ニノ峰までは良いペースで登ってきたが、最後打波の頭までが深いラッセルに阻まれ遠かった。それでも後ろを振り返り自分達がつけてきたトレースを見ると、喜びとともにもう少しだ!という気持ちが湧いてきた。
そして11:00ジャスト打波の頭到着。立て看板は出てないかと探すが雪に埋まって見つからなかった。
冷たい風が強く吹き付けてくるので、長居はせずすぐに下山する。景色に見とれながら、熊の足跡を見つけそれ追いかけながら下り、風の無いところで休憩。
しかし、ここで違和感を感じる。ん、なんかおかしい?見えるはずの刈込池が見えない、赤兎山へ続く尾根が向こうにある。
『下る尾根間違えた!!』油断しすぎた。
さっそく登り返し正規の尾根へ、1時間ほどのロスとなってしまった。
六本桧まで下ってくると日差しが強く感じられ3月の山なのだと実感させられた。
上小池から先は、もう忍耐のくだりである。ただただゴールの下打波目指して黙々と歩くだけ。
辺りは真っ暗になり、夜空に綺麗に輝く星が見えてきた19:00、車留ゲートをくぐりようやく下打波到着。


ラッセルから始まる一日。


願教寺山手前には細尾根も。


この青空まぶしすぎます。


打波の頭まで先はまだまだ長い。


手前から一ノ峰、ニノ峰、三ノ峰そして別山へと続く。


埋まる三ノ峰避難小屋。

山行中に自分の誕生日を迎えていたことをすっかり忘れていた。
後になって、山からは新雪とすばらしい景色の贈り物をいただいたと思うことに。Fさんにも何かおねだりしとけばよかったな~と後悔しつつも、Fさんには、急なお誘いに付き合っていただき感謝です。

コル発6:10~願教寺山7:00~ニノ峰9:10~打波の頭11:00~六本桧13:25~上小池15:00~鳩ヶ湯16:50~下打波19:00


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