山猿日誌

~春夏秋冬~クライミング・山スキー・登山の記録集。

笠羽谷~湿原と桧そして藪漕ぎ~

2019-07-14 | 

かさば湿原より銚子ヶ峰を望む

7月13日(曇りのち雨)
銚子ヶ峰(1810m)
メンバー:Uさん・S木さん・Fさん・shibata
ルート:石徹白登山口~笠羽谷~東かさば谷~かさば湿原~銚子ヶ峰~母御石谷下降~登山口

 会のメンバーで【つなぎぶしの桧】を見に行くというので、以前から私もきになっていたので参加させてもらった。

 石徹白登山口を7時過ぎ出発、地図には林道が長く伸びているが車が入れるような感じではない。そこをのんびり歩き30~40分ほどで願教寺山への谷との合流地点ちょうど古い橋の掛かった場所へ到着。そこから入渓する。
 
 単調なゴーロ登りで特に難しい所はないが、要所要所でFさんがUさんとS木さんの為にスリングを出してあげていた。完全禁漁となっている割には魚が小さい気がする。二俣で東かさば谷へ入る。


ゴーロ登りが続く


標高を上げると奥には薙刀山や野伏。

標高1400mを過ぎると谷は藪っぽくなり歩きにくくなってくる。桧を見に行く前にかさば湿原へ。
藪を漕ぎ漕ぎすること数十分、目の前が急に大きく開けニッコウキスゲが咲き誇る湿原に飛び出た。藪漕ぎから解放されそこへ吹く清々しい風に癒される。
最新の2万5千地図には記載されていないが、Fさんの持ってきた昔の地図には近くに池マークがあるとのことでその池を探しに行く。またまた藪を漕ぎ探すが見当たらない。S木さんのGPSを駆使するがどこかわからず、もう無くなってしまったのかと思っていたら、Fさん、Uさんの『あった!』との声。藪漕ぎダッシュでそちらのほうへ向かってみると、浅いが確かに池がそこにはあった。この発見は先ほどの湿原以上になんだかうれしい。




池発見!!

池に満足すると今度はもう一つの湿原【うえ田湿原】を探しに行く。先ほどの湿原にいったん戻りそこから少し登った先に小さめの湿原があった。かさば湿原の方が大きかったのでちょっとさみしい感じだ。
そして、ようやく今回の目的である桧探しへ。もうかなりうんざりしてきた藪漕ぎ、だがその藪漕ぎをしなければ桧には出会えない。背丈以上の笹藪を掻き分け1時間ほどだろうか、笹の背が低くなり視界が開け数十メートル歩いた先につなぎぶしの桧??ん?想像していたものより小さい、これじゃないのではと他に無いか近くを探してみるが他には見当たらない。これかー。やはり実際に来てみないと分からないものだ。しかし、以前から気になっていたものを見られてちょっとスッキリした。


つなぎぶしの桧発見!

桧からさらに数十分藪を漕いで登山道へ。もうしばらく藪山は結構です。
下りは、3人は一般道で私だけ母御石谷から下る。この谷もゴーロ谷で懸垂下降するような大きな滝も無い平凡な谷だった。下っている最中に本降りの雨になり駐車場に着いた時にはずぶ濡れ、みんなも10分ほど前に到着していた。

 険しい沢登やのんびり魚釣りしながらの沢登も楽しいが、今回のような何かを探しに行くという沢登も楽しい。案外一番私の性格にあっているかもしれない。
今度は何を探しに行こうか。


苔がとても綺麗だった。





シモットノ谷から金草岳へ

2019-06-24 | 


6月22日(曇り時々晴れ)
金草岳(1227m)
メンバー:Fさん・Sさん・なべしん・shibata
ルート:添又谷出合~シモットノ谷~金草岳~檜峠~添又谷下降

 久しぶりにベルグラメンバーになべしんも加わっての山行。
子どもが産まれてから、メンバーと山へ行く時間を確保するのが難しくなってきている。なので行ける時は思う存分楽しみたいと最近は特に思うようになった。
今回の山行でも滝を捲けば簡単だろうが、それでは面白くないのでできるだけ直登をこころみて僕なりに楽しませてもらった。
後に続くメンバーは若干大変なところもあったかもしれないが。

なべしん集合場所を間違えて遅刻。時間にも余裕あり、なべしんならありえるので特に誰も文句言うことなくのんびり雑談しながら待っていると30分後くらいになべしん登場。

 今回の谷、確か10年以上前に登っている気がするが全く記憶にない。
実際登っていてもまったく思い出せない。やっぱり登ってないのだろうか?その程度の沢だから大して難しい所はないだろうと思っていたが、なかなかやらしい捲きや悪い直登もあって楽しい登りとなった。
最後の登山道への藪漕ぎも思っていたほどでもなく良かった。頂上はきれいに刈り込まれていて広々、みんなラーメン食べながらのんびり休憩して下山。添又谷の下降も懸垂下降なく2時間ほどで下山できた。


滝はできるだけ直登!


へつりもなかなか悪い。


最後の詰めででっかいフキのようなものが茂っていた。


やっぱりこの時期の金草岳初めてかも・・・。



加賀大日山~大日川支流~

2018-11-01 | 
10月28日(雨のち曇り)
加賀大日山(1368m)
メンバー:Fさん・K上さん・shibata
ルート:新保登山口~大日山東面大日川支流~加賀大日山~カタクリ小屋~新保登山口

 国道416号線が開通して石川県側へ行きやすくなった。せっかくなのでそれを利用した山行を計画。

気温が低い上雨が降る中、新保登山口に駐車し数百メートル上流にある取りつきへ向かう。
入渓点から紅葉が見ごろになっていて良い雰囲気。
しばらく河原歩きが続いたころに突然倒木の山。最初は台風の影響かと思っていたが、この倒木が広範囲に広がり異常さ、そして折れている高さが一定なのと地形的な事を考慮すると今年の大雪の際に起きたであろう雪崩が原因だと結論づいた。
こんな倒木のひどい谷は初めてだ。


谷入り口


広範囲に広がる倒木帯。


倒木をクリアしていくのが大変。


倒木地帯が終わると谷は傾斜が強くなり出す。大きな滝もなくなんなく進んでいく。途中読図が難しい所をあったがほぼ思っていた登山道の位置に出ることができた。そこからちょっとで加賀大日山山頂。


正直手がかじかんで寒かったです。

頂上からの視界は全くない上、とにかく寒いのですぐに下山。カタクリ小屋でのんびり食事をとって体を温める。
小屋から1時間ほど下れば登山口到着。若干の晴れ間が出てきて辺りの紅葉を見事に映し出していた。


紅葉に囲まれながら下山。




荒城川~栁谷沢歩き~先輩達とのんびり旅~

2018-10-15 | 

柳谷左俣最大の滝を前に

10月13、14日
飛騨高山・荒城川
メンバー:Uさん・Fさん・S木さん・shibata
ルート:丹生川ダム~荒城川~栁谷右俣~栁谷左俣下降~柳谷出合林道~林道終点

 
 以前に荒城川の近くにある沢上谷を遡行した際に、この近くに荒城川という滑床で有名な沢があるとUさんから聞いていて気になっていた。しかし、熊がでるらしく簡単な沢のようだが一人で行くのも怖いので、秋のきのこ狩り山行をかねて行ってきた。
調べてみるとほとんどのパーティーが柳谷下部で遡行終了していた。上部がどうなっているのか気になったので右俣奥まで詰めて尾根を乗越し左俣下山という工程にした。柳谷右俣と左俣が非常に対照的な谷だったのが印象深い。

 13日(晴れのち曇り夜中小雨)

 5時30分集合だったが、セットしたはずの目覚ましが鳴らずに飛び起きて10分遅刻で集合場所到着。寝ぼけ眼で丹生川ダム到着。
UさんとS木さんは、荒城川下部をすでに遡行済みなので、林道終点まで車で移動しそこから林道歩きで合流地点の柳谷出合へ。まだ遡行していない私とFさんだけダムから林道を少し入った場所から遡行開始し柳谷出合へ。

 沢に入って少し歩いたところから雰囲気の良い空間が広がる。滑床と小さな滝が数か所、真夏だったら飛び込みたくなる釜それらをのんびり眺めながら、そしてキノコ採集も忘れず歩いていく。しかし、林道がすぐ横を走っているので少し寂しい感じもする。初心者にはもってこいのデート沢である。
途中、ナラタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケをゲット。


入渓してすぐから良い雰囲気。


時期がもう少し遅ければ紅葉がきれいだろう。






沢登というより沢歩き。

 林道の小屋が見える地点から上部は滑床もほとんどなく河原歩きとなり、柳谷出合着くまでに少し飽きてきてしまう。最後の堰堤を越えるところで林道へ上がりそのまま林道を300mほど歩き柳谷出合二人との合流地点へ。ここまで4時間近くかかってしまい二人を1時間以上待たせてしまった。
 ここからようやく4人で行動。久しぶりのUさん、S木さんとの山行なのでうれしい。
柳谷右俣に入ってしばらく歩くと、『おーー、これぞTheナメ』と言わんばかりの滑滝&滑床続きで心弾む。途中の滑滝で遊びながら登っていたらおもいっきり頭打って滑り落ちた。(低くてそしてヘルメット被っていて良かった~)


どこまでも続くーの滑床は~。


ここで頭強打、滑で遊ぶ時は気を付けましょう。


滑るので慎重に。

標高1300mを越えた地点で大きな滝が現れ、ロープを付けずに1ピッチ目直登、後続にロープを投げて登ってきてもらう。2ピッチ目は、直登せず右岸を捲くような感じで登る。この滝を越したら特に難しい所も無い、時間も16時近くになってきたので幕営地を探しながら歩く。H1430m付近Uさんが見つけた場所に決定。笹を切り払って整地し寝床完成。なかなか燃えてくれない焚き木をみんなで交代で仰いでなんとか服が乾かせるくらいに燃え上がってくれた。
晩御飯は、本日採ったキノコ入りsibata特製みそ鍋を腹いっぱい食べていただきました。
21時前就寝。


14日(くもりのち晴れ)

夜は寒かったが、モンベル№3シュラフとシュラフカバーでぐっすりだった。
幕営地を6時45分出発。


幕営地出発

H1470mの二俣を見逃さないように地形図をしっかり確かめながら登り詰める。だんだんと源流に近づくにつれて谷は狭まり藪っぽい所もところどころ出てくる。H1470m二俣を左に入りH1500mから40mほど斜面を登り尾根を乗越し栁谷左俣へと降り立つ。左俣の源流調査にFさんと二人で更に上へ行ってみたが、特にこれといった景色も広がらず徐々に谷は狭まり笹が谷を覆ってきているといった感じだった。


笹薮漕いで乗越へ。

 柳谷左俣も滑床続くのかと思っていたが滑床はほとんどなく3つの大きな滝がありそれを懸垂で下降することとなった。









 滝の下降が終わったら今度は堰堤が次々出てきてそれの処理に手間がかかる。途中からしっかりとした林道の踏み跡を辿って柳谷出合到着10時45分。
ここからは、昨日遡行した荒城川を横目に林道をのんびり下っていく。12時過ぎ林道終点到着。

歩いてみたかった滑床地帯、気になっていた源流部、マイタケは採れなかったけどキノコもゲットすることができ、先輩方のおかげで目的が達成できた楽しい山行となった。また今度来るなら真夏の暑い日に来てガンガン泳いでみたい。



湯俣川遡行~幻の白い滝を目指して~

2018-08-14 | 
8月11~13日
湯俣川遡行
メンバー:Fさん・shibata
ルート:七倉~高瀬ダム~晴嵐荘~湯俣川~弥助沢~鷲羽岳~水晶岳~赤牛岳~黒部ヒュッテ~針ノ木谷~船窪岳~七倉岳~七倉

 何年も前にFさんから湯俣川の硫黄沢に白い滝があるらしいという話を聞いて、ネットで調べても情報も無いので本当か?と気になっていた。
自分の目で確かめに行くしかないとFさん誘って湯俣川遡行を決行。更に普通に戻ってきてもつまらないので、一度黒部へ下って七倉岳へ登り返して下山と考えただけでしんどいコース。行ってみたら本当にしんどかったです。

11日(曇り時々晴れ)

 3時に福井を出発して七倉へ8時前到着。
タクシーに乗り込もうとザックを荷台に入れると肩のバンドが切れる。これはまずい!一旦荷物を荷台から出して担げるかどうか試してみる。バランスは悪いが担げそう。ここまで来てこれしきで中止にはしたくないので問題なくスタート。
単独のおじさんとタクシー乗り合わせて高瀬ダムへ。
8:30晴嵐荘向けて出発。
10:20晴嵐荘到着。休憩していたら財布を拾ったので従業員の方に預ける。
11:00湯俣川遡行開始

湯俣川は想像以上に白く美しいです。


お決まりの噴泉塔にて遊んでみる。自然とは不思議です。

途中で5人パーティーに会い財布を落としていないか聞いたらその内の一人が落とし主だったようで見つかって良かったです。
このあたりからなぜか腹痛が襲ってくる。
腹痛はおさまらず途中で大休止。その後硫黄沢の出会いまで飲み物も食べ物を喉を通らずFさんについていくので精一杯だった。


今年は水量が少なめなようで厳しい渡渉は無かった。




リゾートホテルになるような温泉です。(温水プールくらいの温度)

14:20硫黄沢出合にザックをデポして白い滝を探しに行く。
しばらく登ってもそれらしきものは無い。あそこのまで行ってみて何も無かったら戻ろうということで更に登ってみるその内遠くに白い滝のような物が姿を現す。期待に胸が膨らむ。残り100m間違いない白い滝だ!やっぱり白い滝はあった。

  
  こんな不思議な景色なかなか見ることできません。来てよかった。


硫黄沢自体が不思議な空間。

15:40硫黄沢出合に戻ってきた。
幕営適地を探しながら更に登り17:30頃ようやく適地を見つける。
魚釣りをする元気もなく早々にシェルター張って焚き木集め。
なんとか暗くなる前に快適な今夜の宿が完成。


沢登の泊まりで焚き火は最高の贅沢です。


12日(曇り夜一時雨)

6:40出発。本日もお腹の調子悪し。
歩き出してすぐにモミ沢出合。
やはり本日も大休止。
8:00弥助沢出合。



途中お花畑も

9:00弥助沢の登り上げると伊藤新道に出た。
三俣山荘寄っていこうと思っていたが間違えて鷲羽岳へ登ってしまっていたのでそのまま鷲羽岳へ。
10:00鷲羽岳到着。
ここから先は曇り空だったので景色もあまり楽しめずひたすら歩くのみでした。
12:20水晶岳。赤牛岳までが長かった14:30赤牛岳初登頂。そして長ーい読売新道下って黒部ヒュッテ到着17:30頃。




やっと黒部湖が見えてきた。

平の渡の避難小屋まで行こうと進んだが足の痛さに耐えられず途中でビバーク。
晩御飯を食べて一息つこうと思っていたら突然の本降りの雨。カラカラに乾いていた荷物や服が一瞬でベタベタに濡れてしまった。
それでも横になって寝られただけよかった。

13日(曇り時々雨)

朝には雨は止んでいたがベタベタな服は変わらない。
朝ごはんに高野豆腐を使った麻婆豆腐を作ってみた。不味くないがいまいち。改善の余地ありです。
5:40出発。
この日も天気はぐずついてほぼ雨の中を歩いていた。そのおかげで暑くなくて良かったが景色を楽しめなかったのは残念。
7:00平の渡避難小屋到着。
11:00船窪岳
12:00七倉岳
15:00七倉


高瀬ダムと昔登りにいった懐かしい幕岩。

一日目以外はほとんどガスの中で景色は楽しめなかったが、一番の目的白い滝と湯俣川遡行これが達成できただけでも価値ある山行となった。
行った人だからわかる行った人にしかわからない景色と感動。Fさんとゆっくりと時間を取らせてくれた家族に感謝です。