素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーエグゼイド 第37話「White knightの覚悟!」

2017-07-02 22:30:00 | 仮面ライダーエグゼイ...
「エグゼイドを絶版にしろ!」という正宗の命令を拒否する飛彩。正宗は代わりに、永夢からエグゼイドに変身する能力を奪い取るためパラドを倒せと指示する。ゲーム病患者を救うためバグスターに戦いを挑む永夢、永夢との決着を望むパラド。そこへ正宗の命令を受けた飛彩が立ちふさがる。飛彩はタドルレガシーガシャットを手に、ついにブレイブレベル100へと変身して・・・。


オープニングの貴利矢が赤ジャケ笑顔に戻って「おおおおお!」と歓喜の声をあげたんですが、
一方、白衣の背中シーンが戻ってこなくて、残念な気持ちも隠しきれません。
やっぱりバグスターは医師カウントに入らないのか?
でも、本編でも「監察医としての俺」みたいなセリフがあったのになぁ。なぁ?

本編

「研修医を殺せというのか!?
 俺はドクターだ、人の命を奪うことなど・・・できない」


人の命を救うドクターに対して、無茶ぶり過ぎる指令を出す正宗。
・・・と思いきや、ちゃんと「言い訳」を用意してありました。

「むろん、君にそこまでは期待していない。
 しかし、パーフェクトノックアウトならどうだ」
「・・・パラド?」
「彼を消せば、エグゼイドのゲーム病は治り、ゲーマドライバーの適合能力を失う。
 つまり、仮面ライダーには変身できなくなる」


それは、正当な医療行為なんですよね。
「だから、ドクターである自分がそれをやってもおかしくない、むしろするべきだ」
って言い訳が成立してしまう。

だがしかし。それは「言い訳」なんだよ。

すべてが終わったとき、そこには、瀕死で横たわる大我の姿が残されていて。
それは「大我が過去にこだわりすぎた」のが原因であって、飛彩の責任ではないんだけど。
でも、最初に正宗の準備した「言い訳」に、それが間違っていることを承知の上で「乗ってしまった」
その罪悪感が彼の背中に重くのしかかり、大我のもとに集う仲間たちに、近寄ることすらできない。

ツイッターでも指摘されてましたが、
そんな彼らの間に、「関係者以外立ち入り禁止」の文字がペイントされているのが
本当に皮肉な演出でしたね。

そうして、ドクターとしての自分の魂をガンガン削りながら戦う飛彩ですが、
そんなこたぁお構いなしの正宗は、次週予告によると
「医療ミスして患者を殺せ」的なことを言ってくるようです。もう最悪だぞ最悪。
予告見てて「ひどい・・・」としか言えなかった。
やることがえげつないぞ正宗。来週が怖い。毎週怖い。

あと。
「労働には報酬を与え、人心をつかむことで、カンパニーを形成する。
 それこそが、会社経営というものだ」
33話
とドヤ顔で経営を語っていた正宗が、一度与えた「小姫」という報酬を没収するという凶行ですよ。

「審判のときだ。君はどっちを選ぶ?!
 恋人の運命か、エグゼイドの運命か・・・」


審判のとき、じゃねーよ、何様のつもりだよお前。
言ってみたら、上半期の成績が良くてもらえたボーナスを、
下半期の成績が悪いと言って没収するようなもんだろ。経営者としてもアウトだろ。

黎斗はなんやかや言いながらも「すべては計画どおり!」とゲームマスターとして君臨してたけど
正宗は、最強の力を持つわりに、ゲームマスターとしての管理能力はイマイチだよね。
もしかして三下キャラなんじゃないか。人質抱えてるから手ごわく感じるだけで(失礼)

大我。

「ねぇ、あいつ。失った過去を取り戻したいとか言ってたけど、
 それって、恋人の小姫さんのことでしょ? ・・・無視かよ」
「あいつが取り戻そうとしてるのは過去じゃない。
 過去にこだわって縛られてるのは、俺のほうだ」


34話の感想でも書いたんだけど、
飛彩は、小姫ちゃんを取り戻すことしか考えてないんですよ。
そのためには自分がどうなってもいい、自分の水晶がどす黒く濁り、砕け散ってしまっても、
そのあとに小姫ちゃんの笑顔が残っていればそれでいい、そう考えてるように見えるんですよ。

でも、大我はそうは言わない。

「ブレイブ!お前がいま向いてる先は、過去じゃない、未来だ!
 恋人との未来だけ考えて、前に進んでりゃいいんだよ!」


「恋人との未来」
飛彩の自暴自棄な、すべてを引き換えにしても小姫ちゃんを取り戻そうとする姿を知っていて、
そのうえで、敢えてこういう言い方をしたんだと思う。
34話の「ずっと俺のことだけ恨んでりゃよかったのに」という思いそのままに、
小姫ちゃんの笑顔を取り戻すための犠牲のすべてを、いままた自分で背負おうとしているんだと思う。

その一方で。グラファイトに対して異様とも言える執念を燃やす大我。

「やり残した過去に決着をつけるまでは
 グラファイトをぶっ潰すまでは、倒れるわけにはいかねぇんだよ!」


もうさ、1回倒してるんだし(10話
完全体のグラファイトは何度倒しても復活してくるわけだし、
なんていうか、命あっての物種って言うじゃないですか、無茶やめましょうよ。

でも、そういやグラファイトはゲムデウスを培養中でしばらく動けなくて、
今回パラドが珍しくやられて帰ってきた&ゲムデウスの培養が落ち着いたことで
久々の現場復帰、っていう感じなんですね。ニコちゃんも目撃情報なくてキリキリしてたし。
この機会を逃せないと判断した上での無茶か、無茶すぎです。

グラファイト側は、バグスターの流儀というか、ガッシューンしたらそれで決着ついたカウントで
それ以上の深追いはしない。
だからこそ、今までライダー達も瀕死になりながらも生きて戦ってこれたわけで
貴利矢の消滅だけが、黎斗の悪意による例外だったわけなんですが。

執念の大我は生身でグラファイトに食らいつき、攻撃を受けて
内臓損傷という、最大のピンチに陥ってしまう。

最初は大我をがんがん揺さぶってたニコちゃんが、
吐血する様子を見て飛びのき、恐怖してる姿が印象的でした。

「悪い、お前のことを診てやれなくて・・・」

そう思うなら!最後の最後までニコちゃんのこと責任もって診てやれよ!
とりあえず、前回の感想で与太話した「大我バグスター説」は否定されました。それは良かった。

パラド。
ここまで「倒すべき敵」として描かれてきたパラドですが、
永夢をエグゼイド足らしめる要因であった彼が、ここへきて「守るべき存在」へ化すという妙味。

でもここでは、パラドのことを後回しにしてでも
クロノスを倒しておくべきだったよね。

しかしやっぱり、パラドは「倒すことが可能」な存在なんだよな。
29話でリプログラミングを受け、永夢の中にあった「天才ゲーマーM」と融合した彼は
Lv.99の力を得ると同時に、有限のライダーゲージを胸にいだくこととなるんですが、
そのゲージが今回初めて赤く点滅する。

もしかしたら、そのまま飛彩と一騎打ちの状態であれば、パラドは消滅を受け入れていたかも。
それはルールにのっとった正しいゲームの結果だったから。
しかし、ニコちゃんがいらぬ横やりを入れたことで、白けたパラドは逃亡。
パラドを倒そうと乱入したニコちゃんが、結果、永夢を救ったんですよね、ファインプレイ。

ただ、ね。ここはパラドだけじゃなくグラファイトも、倒してはいけないと思うんですよ。
小姫ちゃんのバックアップを持ってるから。
だから、敵なんだけど「たぶん倒しちゃダメだよ!」とハラハラしてます。気づいて!

その他あれこれ。

・小姫ちゃんパパの登場。

「飛彩くんに伝えてくださいませんか
 彼、小姫の月命日に欠かさずうちに来てくれていたんですが、
 もう5年ですし、これ以上小姫のことを背負う必要はないと」


パパ自身はまだ諦めきれず、娘を取り戻すために
ゲームに参加してCRに運び込まれてるわけなんですが。
本当にね、もうね、「小姫のことを背負う必要はない」っていうのが、伝わると良いのに。

小姫ちゃんを救うために戦うことを否定するわけじゃないんだ。
ただ、そのために飛彩が仲間を裏切り、魂を削り、
ドクターとしてのおのれの在り方まで見失ってまで戦う必要は、ないんだよ、と。
仲間を頼っていいんだよと。みんなの前で弱音を吐いたって、涙を見せたっていいんだよと。
いまだって、みんなが飛彩を待っているんだよと。伝わると良いのになぁ、本当になぁ。

・マスターガシャット
物語のキーアイテムが明確に提示されました。

「あなたが持っているライダークロニクルは、もともとは黎斗が開発したものよ。
 だから、CRで預からせてもらう」
「断る。仮面ライダークロニクルの著作権は幻夢コーポレーションにある」


っていうか。ポッピーは黎斗ママ(正宗の妻)の記憶や感情を保存してるんだよね?
なんかこう、正宗が恥ずかしくなるような記憶とかで脅迫できないかな(発想が悪党)

「この人、こんな風に格好つけてしゃべってるけど、
 寝るときは白目むいてるんだよ!
 というわけで、桜子さんの記憶から画像データを作っちゃいました~♡
 言うこと聞かないと、今日の15時にSNSにアップされちゃうんだからね!」

的な。(これ間違いなくポッピーが絶版にされる展開だな)

・ハイパームテキ
天才ゲーマーMの力(パラドとの合体)が必須条件だと思ってたのに
普通に変身した。そして10秒以上戦ってた。一度起動できたら永夢にも使えるのか。
え~、だったら無敵じゃんすごいじゃん!(いまごろ)

・カイデン可愛い。
初期バグスター達はキャラがいちいち可愛い、なごむ。

前のエピソード <<<     >>> 次のエピソード


コメントを投稿