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素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

ウルトラマンジード 第22話「奪還」

2017-12-02 21:38:19 | ウルトラマンジード
ウルトラマンジード打倒のため、最凶のエンペラ星人とダークルギエルのカプセルを手に入れるべく、AIBに接触する伏井出ケイ。ついに石刈アリエをも人質にし卑劣な交渉を図るケイに対し、リクやAIBはレイト&ゼロの協力も得て万全な態勢の下、受け渡しの場に臨む。作戦が功を奏し、カプセルもアリエも無事確保するリク達。追いつめられたケイはキングギャラクトロンにフュージョンライズして戦いを挑んでくる! その頃、誰も予想だにしない事態が静かに進行していた。


なんかね、もうね、
伏井出先生の全てが痛々しくて堪らないわけですよ。
どう考えても、バッドエンドにしかたどりつけない。

「伏井出ケイ! もう、やめなさい」

というライハの言葉とかもさ、もうホントソレなんですよ。
許さない!とか、倒す!とかじゃなくて、
「もうやめて」な気分なんですよ。

さてそんな伏井出先生、今回は石刈アリエを人質にとっての作戦。
視聴者は、伏井出先生とアリエの間柄を知ってるし、
明らかに罠の匂いしかしないんですけども。

アリエの吊るされてるクレーンを破壊しようとするとか
ちょっとやりすぎじゃないの?とか。

あ、このままアリエをAIBに保護させて
AIBの本拠地をスパイさせることが目的なんですね!とか。

いや、アリエの乗ってる車を攻撃するなんて
彼女まで死なせてしまったら元も子もないでしょ?とか。

あ、モアの隙をついてカプセル奪う作戦だったんですね!
つか、うまいこといったから良いけど、加減が難しい作戦だな!とか。

視聴しながら、伏井出先生の作戦を計りかねていたわけなんですが。

「わたし、役に立つでしょ?」
「想定していたより、ずっとな」

という会話から、これがアリエのスタンドプレーだったことに気づくし、
見終わってみれば、伏井出先生にとってアリエは「単なる人質」、
それ以上でもそれ以下でもない、ただの駒に過ぎなかったわけで。

そんなことにも気づかず、伏井出先生と対等になったつもりで
「私たち二人が、この手で世界を終わらせる」などと語るアリエは、
身の程知らずすぎるよ!殺されるぞ!?とかヒヤヒヤする間もなく
あっさり殺されてしまったわけで。

だがしかし。アリエを引き寄せたのが伏井出先生の闇の深さだとすると、
それは、べリアルと伏井出先生の関係の縮図にも思えるんだよな。

かつて、誠心誠意尽くした伏井出ケイに対し、
べリアルがたった一度の失敗を責め、無理難題を押し付けたように。
いま、忠誠を捧げるアリエに対し、
伏井出ケイは笑顔でその労をねぎらい、その存在を消し去る。

「ご苦労様」

まぁ、べリアルは憔悴したケイを温かく迎え入れたので、
ケイの方が、より苛烈だなとか思いますが。

うーん、「自分が狂おしく求めても得られなかった」という流れを
こうして逆の立場になっても繰り返しているあたり、
自業自得だなぁ、とも思えるし、
いや、ケイにとっては、ねぎらいの言葉も失敗に対する責め苦も、
べリアル様からのものであれば、等しくありがたいものであって、
アリエに与えたのものも、彼なりの慈愛なのかなぁとか思ったりもし。

もうね、ケイは闇が深すぎて。
大好きです!(但し、遠くから見ている前提で)

「なぜ、お前を指名したと思う?
 この物語に決着をつけるのは、この私か、
 べリアル様の子であるお前か、どちらかだ。
 べリアル様に選ばれし者が、この物語にエンドマークをうつ。
 べリアル様の意志を継ぐもの、それはお前じゃない、私だ。
 この物語の決着の鍵は、私の手の中にある」

「朝倉リク!もう一度言う。
 この物語にエンドマークをうつのは、お前か、私だ。


しかし。なぜ伏井出先生は「自分がエンドマークをうつ」と言わず、
リクを「もうひとつの可能性」として挙げるんだろう?
リクが、次のべリアルになれると考えている?

そして、ケイの手の中にあるという「決着の鍵」とは?
もしかしたらケイ自身が、次のべリアルになれる可能性を秘めている?

今回のサブタイは「奪還」だったわけですが、
それは単純に「カプセルを奪い返した」というだけの意味合いなのかな。
サブタイになるくらいだから、もっと深い意味があったりするのでは?

あと、伏井出先生が「朝倉リク!」と
やたらにフルネーム呼びするのも気になりました。
最初からそうだっけ?

でも、彼にしたらリクなんて
「カプセルを得るための道具」でしかなかったはずなのに、
名前をあれだけ連呼するなんて、人格を認めてるってことだからさぁ。
認めてる、のか。認めてるのだとすれば、
それは彼を救う可能性にもなり得るけど。なってくれると良いけど。

モア。
これだけの大事になっても、やはり「リクを巻き込みたくない」と言い、
自業自得で命を落としたアリエに対しても「私のせいだ」と肩を落とす。

モアは、その立ち位置はウルトラマンに近いように思う。
思うけど、実際のモアは非力で。
もちろんそういうこととは関係なく、モアの存在でみんなが救われてるんだけど、
本人がそれに気づいてない、あるいはそれじゃ満足できない場合は、
悲劇の引き金になりそうな危うさを感じます。

モア、好きだから、無理しないで欲しい。

AIB。
人命優先で行動するんですね。意外。
だって、地球外の組織が運営してるからさ、
「地球人の命より、カプセルを渡さないことの方が大事だ」
「カプセルを渡すことで、地球全体、
 もしかしたらこの宇宙全てが壊されるかもしれないんだぞ」
とか、普通に言いそうじゃん。まぁ、モアが黙ってないだろうけど。

戦闘シーン。
オーブから入った層なので、ギャラクトロンが出るだけで悲鳴ものだし、
さらに他の怪獣と混ぜるとか、「強さのインフレやー!」ってなります。

今回は、百烈拳をくらうゼロとか、
真っ正面からビームを受け止めるジードとか、
「ちょ、やめ、無理」ってなるシーンが多かったです。
演出の都合とはわかってるんですが、とても痛々しいので、
「そろそろ本気出すか」ではなく、最初からロイヤルメガマスターで行こうぜ?
ってなります。

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