先日、テレビの番組で、愛知県名古屋市で起きた、民家の拳銃篭城事件を再現したドラマを放送していましたが、犯人の持っている拳銃が、カットが変わるたびに変わっているのに呆れてしまいました。
最初は一瞬しか映らないので、気のせいだろうと思いましたが、そうでは無かった様です。
最初、犯人はコルトパイソン2,5インチ銃身のダブルアクションリボルバーの様に見えました。
次は、コルトローマン357マグナムだったし、その次はS&WのM10、2インチ銃身に変わっていました。
パイソンとローマンは同じコルト社の銃ですが、M10は別会社の銃です。
どうすればこんなに銃を間違えて撮影出来るのか?
他にも、この再現ドラマで、SITとSATらしき者が出てきますが、持っている銃がベトナム時代の三角ハンドガード付きのM16A1だったと言うのがびっくり!
本来なら、H&KのMP5を持っているはずなのですが。
狙撃手も、同じM16A1で狙撃しようとしてました。(ゴルゴ13かよ)
ま〜銃の事を全く知らないスタッフが再現ドラマでを作ったと言うのがよく分かります。
真剣な場面で笑ってしまいました。
日本のドラマは銃器のインストラクターがいない様で、デタラメな取り扱いを見せてくれます。
ドラマでも、真剣なシーンでいい加減な銃が出るので、一気にがっかりします。
良く見かけるのが、これ!
この銃はコルト ガバメントM1911A1です。
銃の事を知らない方は、何がおかしいのか分からないと思いますが、この状態で人に向けてなんだかんだセリフを吐いてますが、この銃、引き金を引いても撃てません。
撃鉄が起きてません。
この状態でないと撃てません。
日本の刑事ドラマで、この撃鉄を起こして銃を構えたシーンをほとんど見たことが有りません。
なのに、ダブルアクションリボルバーは、必ず撃鉄を起こして構えますね。
逆なんですけどね。
ダブルアクションリボルバーは、撃鉄を起こさなくても引き金を引くだけで撃てます。
でも上の写真のコルトガバメントM1911A1はシングルアクションなので、最初撃鉄を一回起こさないと撃てません。
それに、銃を突きつけたら勝ったと思い込む犯人。
何で抵抗しないのか?
海外のドラマではたまに見かけるのですが、ダブルアクションリボルバーは、撃鉄を起こしていなければ、
こんな風にシリンダー部分をガッチル握り込んでシリンダーが回らない様にすれば撃てません。
日本のドラマの様に撃鉄が起きていたら、撃鉄とフレームに間に指を入れます。
指が痛いのですが、銃は撃てなくなります。
アメリカのドラマの「マクガイバー」では、撃鉄の間にプラスチックの定規を差し込んで撃てなくしました。
そうして反撃しました。
日本では銃を向けられたら終わりと考えてしまう様ですね。
ドラマを見ながら、手の届くところで銃を向けているから簡単に奪えるのにな〜と、いつも考えてしまいます。
オートマチックの銃に場合、こんな風に、
銃を掴んで、銃口を自分から逸らし、スライドを1センチほど後ろにずらせば撃てなくなります。
大昔、オートマチックの銃は、銃口を手で押せば撃てなくなると言っていた人がいましたが、間違いではないんですが、押す量ですね。
10ミリ以上は動かさないと撃たれます。
それより、スライドとフレームを一緒にガッチリと両手で掴み、銃口を自分から逸らした後に、敵に1発撃たせます。
オートマチックはスライドが動かないと次の弾を装填できないので、2発目が撃てなくなります。
1発撃たせたらマガジンキャッチを押してマガジンを落とし、敵に一撃喰らわして銃を奪います。
落ちたマガジンを拾って装填し、返り討ちにします。
こんなシーンは日本のドラマでは無理ですね。
銃の扱い方があまりにも酷い!!
味方に無意識に銃口向けるし、引き金に指かけっぱなしだし、とにかく「マズルコントロール」が、全く出来ていない。
平気で、味方に銃口向けてますね。(無意識で)
面白いドラマでも、こんないい加減なシーンを見た途端、チャンネル変えます。
刀の殺陣師はいるのに、銃の殺陣師はいないんですね。
以前、「小林源文先生」の「キャットシットワン」という物語のCGアニメを見ましたが、ウサギのキャラクターが見事に銃を操作していました。
日本の映画では「南へ走れ、海の道を」で、岩城滉一さんが見事に軍用のM1911A1を扱っていました。
全弾撃ち尽くすのではなく、必ず薬室に1発残してマガジンを交換するところなんか初めて見ました。
一昔前のアクションドラマなんか見ると、もっと酷いですね。
6発しか入らない銃から、何十発も球が出たり、弾をリロードするシーンと撃つシーンで銃が変化したり、ショットガンなんか、ストックのない物を種子島の様に構えて連射したり、笑えます。
アメリカで、ピストルグリップの付いたモスバーグM500を撃ったことがありますが、撃つ前に射撃場のインストラクターが、顔の前に構えるな!反動で顔面に銃がぶつかるぞという様なゼスチャーをしました。
さぞかし反動がすごいのだろうと思い、しっかり銃を握って腰に当てて引き金を引いたら、
ドーンという音と共にものすごい反動が手のひらに来ました。
まるで、豪速球を打ち損ねた様な、ビリビリとした痛みでした。
でも、2発目も撃ちましたが、爽快でした。
そんなショットガンをエアーガンの様にペチペチ撃っているのが嘘丸出しですね。
誰か、もっと真面目にガンアクションを撮ってほしいですね。
辻本監督にお願いしますか?