「ボツネタ」で,こんな記事が載っていました。
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20060426/p2
弁護士会館の図書館にはそもそも戸籍時報が見当たらなかったので,米倉教授の書いた原文にあたることはできなかったのですが,ボツネタによる引用部分のうち,「自分の答案のどこがよくないのかという生徒からの質問に対しては,最優秀答案を読ませることで対応されているようです。教授は,最優秀答案のことを「クレーム撃退用ミサイル」とひそかに呼ばれているようです。」とある部分については,本当であればかなり問題があると思います。
司法研修所の修習では,たとえ修習生から要望があっても,起案の「模範答案」や「最優秀答案」を配布するようなことはありませんでした。それをやると,修習生が配布された答案の丸暗記に走り,自分でものを考えることをしなくなるというのがその理由でした。
そもそも,司法制度改革審議会で指摘された予備校教育の弊害というのも,一番現実的な「弊害」は,受験生が予備校のテキストなどにある模範答案の丸暗記をしてしまい,自分の頭で考えて答案を書かなくなるというものであり,そういった「弊害」を除去するために,わざわざ法科大学院を設置し,その修了を司法試験受験の要件とするような制度改革が行われたはずです。
それなのに,質問に来た学生には最優秀答案を読ませることで対処しているというのでは,その学生はおそらく渡された最優秀答案の丸暗記に走ってしまうでしょう。こんな教育のやり方では予備校教育の弊害を排除するどころではなく,法科大学院の存在意義自体が問われることになると思います。
最優秀答案を学生に読ませることは,たしかに数多い質問に対処するには効率的な手段かもしれませんが,そのような手段を常用し,最優秀答案を「クレーム撃退用ミサイル」などと平然と公刊物の記事に書く教授がいるとすれば,それは本来あってはならない由々しき事態ではないでしょうか。
もっとも,法科大学院の設立理念そのものが,本当は大学法学部の権益獲得にあるのであって,予備校教育の排除など実はどうでもいいというのであれば,黒猫のこの指摘は的外れということになりますが(実際にはたぶんそうなんでしょうね)。
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20060426/p2
弁護士会館の図書館にはそもそも戸籍時報が見当たらなかったので,米倉教授の書いた原文にあたることはできなかったのですが,ボツネタによる引用部分のうち,「自分の答案のどこがよくないのかという生徒からの質問に対しては,最優秀答案を読ませることで対応されているようです。教授は,最優秀答案のことを「クレーム撃退用ミサイル」とひそかに呼ばれているようです。」とある部分については,本当であればかなり問題があると思います。
司法研修所の修習では,たとえ修習生から要望があっても,起案の「模範答案」や「最優秀答案」を配布するようなことはありませんでした。それをやると,修習生が配布された答案の丸暗記に走り,自分でものを考えることをしなくなるというのがその理由でした。
そもそも,司法制度改革審議会で指摘された予備校教育の弊害というのも,一番現実的な「弊害」は,受験生が予備校のテキストなどにある模範答案の丸暗記をしてしまい,自分の頭で考えて答案を書かなくなるというものであり,そういった「弊害」を除去するために,わざわざ法科大学院を設置し,その修了を司法試験受験の要件とするような制度改革が行われたはずです。
それなのに,質問に来た学生には最優秀答案を読ませることで対処しているというのでは,その学生はおそらく渡された最優秀答案の丸暗記に走ってしまうでしょう。こんな教育のやり方では予備校教育の弊害を排除するどころではなく,法科大学院の存在意義自体が問われることになると思います。
最優秀答案を学生に読ませることは,たしかに数多い質問に対処するには効率的な手段かもしれませんが,そのような手段を常用し,最優秀答案を「クレーム撃退用ミサイル」などと平然と公刊物の記事に書く教授がいるとすれば,それは本来あってはならない由々しき事態ではないでしょうか。
もっとも,法科大学院の設立理念そのものが,本当は大学法学部の権益獲得にあるのであって,予備校教育の排除など実はどうでもいいというのであれば,黒猫のこの指摘は的外れということになりますが(実際にはたぶんそうなんでしょうね)。
あと、『民法の教え方』を読むと、先生の教育に対する熱い思いが伝わってきます。
黒猫先生も一度読まれてはいかがかと
私は優秀答案を見ることは、非常に効果的な学習方法だと思っています。もちろん、答案を暗記することなどはしませんが(こんなことをやるロー生はさすがにいないと思いますが・・・)、答案の良い表現や論理展開、問題提起などはどんどん「盗む」のが良い答案を書けるようになる近道だと思います。
確かに、これはこれまでの予備校でもやってきたことです。これを予備校排除を謳うローでやるのはおかしいという批判はあると思います。
けれども、それは、予備校以上の効果的な学習メソッドをローは開発していないということの証左ではないかとも思います。
何事も,上手の真似をすることから始めるべきだというのが,わたくしの考えです。