最近、黒猫の通っているエレクトーン教室で、東京大学理Ⅰ志望の後輩(男)を見かけました。ああいう人達を見ていると、黒猫もふと昔を思い出したりします。
皆さんが、東京大学についてどのようなイメージを持っておられるのか、黒猫にも正確には分かりかねますが、一応あの大学を卒業した人間の一人として、あの大学の「構造」といったものを、黒猫の知る範囲でまとめてみようと思います。
1 入学試験まで
東京大学は、もともと出願者の倍率が極端に高い大学ではありません。現在どうなっているかまでは把握していませんが、黒猫が受験した頃は、大体倍率は3倍くらいでした。
倍率が意外に低い理由は、その受験制度にあります。早稲田・慶応など私立の有名大学については、入試の日程がずれているので多数の大学を併願することが可能であり、科目数も少ない(多くて3科目くらい)ので受験しやすいということで多くの人が受験するのですが、東京大学を初めとする国立の大学は、受験科目数がかなり多めで、しかも国立大学の入試日程が統一されているため、複数の国立大学を併願することはできない仕組みになっています。
特に現在の東京大学は、センター試験で5教科7科目(英語、国語、数学、社会2科目、理科2科目)の受験が必要とされていることから、受験生にとっては結構な負担です。それで東大に落ちると、京大や一橋など他の国立大学も受験できなくなるので、受験勉強中に調子が下向きになってくると、どうしても「志望を落とす」誘惑にかられます。
京大や一橋などに志望を落としてしまえば、国立大学に合格できる可能性は高くなりますし、勉強する科目数もいくらか少なくて済みます。そんな感じで、多くの受験生が受験前に諦めてしまい、それでも東大志望を曲げなかった人だけが東大を受験する、そんなシステムになっているため、見た目の倍率は低いのです。
東大に合格するというのは、学力もさることながら、「志望を落とす」誘惑に負けない強い精神力も要求される挑戦であるといえます。
2 前期課程
首尾良く東京大学に入学できても、道はそこで終わるわけではありません。駒場キャンパスで学ぶ最初の2年間は、あまり志望に関係なくいろいろな分野の科目を選択して受講できますが、2年の夏学期に「進振り」という試練が待っています。
文Ⅰでは法学部に、文Ⅱでは経済学部に、理Ⅲでは医学部に、それぞれ最低限の成績を残していれば自動的に進学できますが、それ以外は自分で進学する学科を決める必要があり、人気の高い学科へ進学するには、駒場でそれなりに高い成績を取っている必要があります。
また、必須科目である英語や第二外国語の授業も、学生にかなりの能力があることを前提に行われますので、特に第二外国語は、単に大学の授業に出ているだけでは駄目です。授業と並行してNHKの語学番組などで勉強し、独学で基礎を固める必要があります。そうしないと、外国語で単位を落とし、留年といった結果になりかねません。
しかも東大の場合、駒場での留年は原則として最長2年しか認められておらず、それまでに進学できないと放校処分になってしまいます。駒場での教養課程を終了できなかった場合、「東大中退」扱いにすらなりません。
一方、東大生の中でも目的意識を持っている人は、それぞれ独自の勉強を始めます。現在は法科大学院があるので廃れているかもしれませんが、旧司法試験時代は、1年生の秋頃から司法試験の予備校に通う人も少なくありませんでした。
東京大学というところは、入学試験に合格してからも絶えず競争の波にさらされる大学であり、それに伴う落伍者も少なくないのです。
3 後期課程
後期課程の在り方は学部によって様々であり、黒猫には他学部の事情は分かりませんので、ここでは一応法学部の話をします。
東京大学の法学部は、必修・選択必修科目を含めた90単位を取得すれば卒業できますが、他の一般的な大学と異なり、卒業論文の制度はなく、しかもゼミの受講は必須ではありません。卒業論文がないのは、法学部生は司法試験や国家公務員試験の受験者が多いので、そういう人達の足を引っ張らないようにという配慮らしいのですが、そのおかげで、東大法学部卒業生の「母校」に対する帰属意識は、他の大学と比べかなり低いという特徴があります。
実際、黒猫が初対面の人に「私も東大卒です」などと言われても、全然親近感沸きませんからね。
もっとも、ただ法学部を卒業し、一般の会社などに就職するというなら話は別ですが、そのまま大学の研究者になりたいと考える場合、さらなる試練が待っています。
法学部の大学院(法科大学院を除く)には、研究者養成コースと実務家養成コースがあり、前者の方が入学試験は厳しいです。在学中も好成績をマークしなければならず、論文なども書く必要があります。しかも論文の書き方などは、ゼミなどを通じて個人的に教わるしかありませんので、かなり独自の努力をする必要があります。なお、学者希望者の中でも特に優秀な人は、助手として3年間学び、その後いきなり大学の准教授になれるという「飛び級」コースも用意されています。
法律学の教授に関しては、東大の大学院が圧倒的な支配力を握っており、法制審議会などに呼ばれる学者委員も、大半は東京大学の教授か名誉教授(60歳になって東大を定年退官した人)で占められています。
総じて言うと、東京大学というところは、入学するのが難しいだけではなく、入学してからも厳しい競争にさらされて多くの落伍者を出す、いわゆるピラミッド構造の学府ですし、世間の東大生を見る目はやたらと厳しいので、一度落伍者になってしまうと相当惨めな思いをすることになります。
なので、東大入学を他人に勧めるというのは、非常に判断の難しい問題です。東大に入学して無事卒業できれば、それなりのブランド力みたいなものは身につきますが、それも絶対的なものではありませんし、受講者が天才であることを前提としているような授業に付いていく自信がないのであれば、他の親切な授業をしてくれる大学に入った方が、結果的には伸びるかも知れません。
さて、今度の後輩は、無事東京大学に進めますかねえ・・・?
皆さんが、東京大学についてどのようなイメージを持っておられるのか、黒猫にも正確には分かりかねますが、一応あの大学を卒業した人間の一人として、あの大学の「構造」といったものを、黒猫の知る範囲でまとめてみようと思います。
1 入学試験まで
東京大学は、もともと出願者の倍率が極端に高い大学ではありません。現在どうなっているかまでは把握していませんが、黒猫が受験した頃は、大体倍率は3倍くらいでした。
倍率が意外に低い理由は、その受験制度にあります。早稲田・慶応など私立の有名大学については、入試の日程がずれているので多数の大学を併願することが可能であり、科目数も少ない(多くて3科目くらい)ので受験しやすいということで多くの人が受験するのですが、東京大学を初めとする国立の大学は、受験科目数がかなり多めで、しかも国立大学の入試日程が統一されているため、複数の国立大学を併願することはできない仕組みになっています。
特に現在の東京大学は、センター試験で5教科7科目(英語、国語、数学、社会2科目、理科2科目)の受験が必要とされていることから、受験生にとっては結構な負担です。それで東大に落ちると、京大や一橋など他の国立大学も受験できなくなるので、受験勉強中に調子が下向きになってくると、どうしても「志望を落とす」誘惑にかられます。
京大や一橋などに志望を落としてしまえば、国立大学に合格できる可能性は高くなりますし、勉強する科目数もいくらか少なくて済みます。そんな感じで、多くの受験生が受験前に諦めてしまい、それでも東大志望を曲げなかった人だけが東大を受験する、そんなシステムになっているため、見た目の倍率は低いのです。
東大に合格するというのは、学力もさることながら、「志望を落とす」誘惑に負けない強い精神力も要求される挑戦であるといえます。
2 前期課程
首尾良く東京大学に入学できても、道はそこで終わるわけではありません。駒場キャンパスで学ぶ最初の2年間は、あまり志望に関係なくいろいろな分野の科目を選択して受講できますが、2年の夏学期に「進振り」という試練が待っています。
文Ⅰでは法学部に、文Ⅱでは経済学部に、理Ⅲでは医学部に、それぞれ最低限の成績を残していれば自動的に進学できますが、それ以外は自分で進学する学科を決める必要があり、人気の高い学科へ進学するには、駒場でそれなりに高い成績を取っている必要があります。
また、必須科目である英語や第二外国語の授業も、学生にかなりの能力があることを前提に行われますので、特に第二外国語は、単に大学の授業に出ているだけでは駄目です。授業と並行してNHKの語学番組などで勉強し、独学で基礎を固める必要があります。そうしないと、外国語で単位を落とし、留年といった結果になりかねません。
しかも東大の場合、駒場での留年は原則として最長2年しか認められておらず、それまでに進学できないと放校処分になってしまいます。駒場での教養課程を終了できなかった場合、「東大中退」扱いにすらなりません。
一方、東大生の中でも目的意識を持っている人は、それぞれ独自の勉強を始めます。現在は法科大学院があるので廃れているかもしれませんが、旧司法試験時代は、1年生の秋頃から司法試験の予備校に通う人も少なくありませんでした。
東京大学というところは、入学試験に合格してからも絶えず競争の波にさらされる大学であり、それに伴う落伍者も少なくないのです。
3 後期課程
後期課程の在り方は学部によって様々であり、黒猫には他学部の事情は分かりませんので、ここでは一応法学部の話をします。
東京大学の法学部は、必修・選択必修科目を含めた90単位を取得すれば卒業できますが、他の一般的な大学と異なり、卒業論文の制度はなく、しかもゼミの受講は必須ではありません。卒業論文がないのは、法学部生は司法試験や国家公務員試験の受験者が多いので、そういう人達の足を引っ張らないようにという配慮らしいのですが、そのおかげで、東大法学部卒業生の「母校」に対する帰属意識は、他の大学と比べかなり低いという特徴があります。
実際、黒猫が初対面の人に「私も東大卒です」などと言われても、全然親近感沸きませんからね。
もっとも、ただ法学部を卒業し、一般の会社などに就職するというなら話は別ですが、そのまま大学の研究者になりたいと考える場合、さらなる試練が待っています。
法学部の大学院(法科大学院を除く)には、研究者養成コースと実務家養成コースがあり、前者の方が入学試験は厳しいです。在学中も好成績をマークしなければならず、論文なども書く必要があります。しかも論文の書き方などは、ゼミなどを通じて個人的に教わるしかありませんので、かなり独自の努力をする必要があります。なお、学者希望者の中でも特に優秀な人は、助手として3年間学び、その後いきなり大学の准教授になれるという「飛び級」コースも用意されています。
法律学の教授に関しては、東大の大学院が圧倒的な支配力を握っており、法制審議会などに呼ばれる学者委員も、大半は東京大学の教授か名誉教授(60歳になって東大を定年退官した人)で占められています。
総じて言うと、東京大学というところは、入学するのが難しいだけではなく、入学してからも厳しい競争にさらされて多くの落伍者を出す、いわゆるピラミッド構造の学府ですし、世間の東大生を見る目はやたらと厳しいので、一度落伍者になってしまうと相当惨めな思いをすることになります。
なので、東大入学を他人に勧めるというのは、非常に判断の難しい問題です。東大に入学して無事卒業できれば、それなりのブランド力みたいなものは身につきますが、それも絶対的なものではありませんし、受講者が天才であることを前提としているような授業に付いていく自信がないのであれば、他の親切な授業をしてくれる大学に入った方が、結果的には伸びるかも知れません。
さて、今度の後輩は、無事東京大学に進めますかねえ・・・?
断然厳しいと思う。
勉強するか、しないかだけでは
その先の人生は決まらないからだ・・・。
学業はその一部に過ぎないことを理解できない
東大出身者は悲惨な人生を歩むことになろう。
早く過去の栄光(学歴など)ではなく
現在の仕事のことが書けるくらいに
回復されるといいですね。
決していやみではなく。
有名進学校だったりしても
その先がパッとしないと、
高校がどこだったなんて話自体、あまり関係がないですよね。
現在がどうであるかが問題ですから。
人の人生は死ぬ時まで含めて良い時期、悪い時期がありますから、その過程での一つの成功、失敗などあまりこだわることではないのでは?
過去の良い記憶、悪い記憶に現在~未来を振り回されるのではもったいないと思います。
井上正仁助教授の刑事訴訟法でした。さすがに講義中私語する者はなく、皆懸命でした。
講義後に質問している内容も外国の論文の内容だったりですごかったです。
平野教授の弟子で山口君というひとがするどい質問をしたので、ぼくが答えてあげたら、怒られました。
後期課程もそれほど厳しくない。確かに厳しい学部・難しい科目は単位の取得は楽ではないが、そういう一部の例を除けば、勉強すれば普通に単位は来る。
持ち上げたいのか何なのか知らないが、嘘言わないでほしい。
増えてますよ結構。
適切なカウンセリングないし、認知療法を受けなければ、この先も苦しむことになる。
1.もともと東大と京大、一橋大とでは出題傾向も学生の希望も異なる。
東大の試験問題でよく言われるのは、理社科目2科目選択という特徴です。私の知り合いで一橋に進んだ人がいますが、その人は東大が社会科目で2つ出題されて面倒だから、という理由を挙げていました。東大には届かないから一ツ橋にするという消極的理由は、どちらかというと浪人して後がないという方に多い気がします。また、京大に進む方は関西の高校の方が多く、そこでは東大に進学するほうがレアな存在です。逆に、東京の高校の人間が京大に進学するのは、京大そのものに魅力を感じていくという方しか見たことがありません。私は都内国立男子校出身ですが、同期で京大に進学した人は駿台模試で全国に名を連ねるレベルの人でした。そもそも、過去問を解かれれば分かるかと思いますが、東大と京大、一橋とでは出題の仕方がまったく異なります。東大では厳しいからといってバーを下げて受けるほど、一橋も京大も甘くないです。
2.駒場留年は余程のことでないとありえない
第2外国語でNHKの放送を聴いて自習するような人は聞いたことがありません。普通に授業に出席し、試験直前にシケプリを見て受ければ可はもらえます。私のクラスで駒場留年した人のは、そもそも必修である第二外国語の授業にでておらず、出席点でアウトというケースの人だけでした。また、進振りで競争があるのは教養学部、理学部、工学部の希望学科に進学したい人だけで、法学部や経済学部や文学部については、近年は下何割かは全科類枠で競争にさらされているようですが基本的には楽です。
3.現在の法学部のカリキュラムはゼミ必修である
そのままです。
4.実定法研究者志望者も東大ローに行かないといけない
これもそのままです。以前は助手試験に受かれば学部卒で助手になれましたが、現在は東大ローを卒業して助教になり、3年の間に論文を書き上げて准教授等のポストに就くという形が一般的です(旧試験にうかれば修習を経た後に助教になるルートがあるようですが、予備試験導入後にこれが維持されるかはよく分かりません)
以上、黒猫さんのご指摘は、現役の者にとって時代遅れの部分もあると思われ、余計なおせっかいかもしれませんが、断定的な黒猫さんの情報で東大について固定化されたイメージをもたれたくないので、卑近な私の経験を解してですが、意見を申し上げました。
今年の二月 東京高裁に寄ったついでに この方の訴訟記録の閲覧申請をしたところ 未決に関らず記録がないとかで手間取り 渡された記録は 極薄の本人記録に併せ分厚い他者の記録があった
この面妖から氏の主張に関心を抱き バイオ研究者と知り更に注目 こんな記事を読み飛ばしていた。
私は、ある民事事件をきっかけに、なにやらとんでもない国家犯罪が行なわれていることに気が付いた。
弁護士のどこにでもありそうな不正をきっかけに、国家転覆をねらった恐ろしい手口を知っていくことに…
方法はこうだ…。
http://sinnjituhakokoniari.cocolog-wbs.com/blog/cat21495400/index.html
被害者感情という曖昧なもの
虚偽告訴人の激越な被害・処罰感情を実刑理由にした原田國男裁判長は 裁判官の質の悪い中で 原田裁判官は安心して審理を委ねられる人(大嗤い)・・
現場の仕事に拘るという原田が手抜きイカサマ証拠調べをしていた
容疑事実しか見ず 廻し読みされている量刑基準に従い判決する
http://suihanmuzai.web.infoseek.co.jp/100709.jpg.html
原田國男弁護士センセ 御中
Fax 03-*******
ご在官していた昨年に、先生宛の抗議文を送付しましたが、ご返事は戴けなかった。
再びに先生の過怠誤判をアップ記事にしました、斜め読み戴けば幸いです。
>また、必須科目である英語や第二外国語の授業も、学生にかなりの能力があることを前提に行われますので、特に第二外国語は、単に大学の授業に出ているだけでは駄目です。授業と並行してNHKの語学番組などで勉強し、独学で基礎を固める必要があります。そうしないと、外国語で単位を落とし、留年といった結果になりかねません。
単に大学の授業に出ないどころか、試験直前の一夜漬けでなんとかなりましたけどねえ。駒場なんか概してそんなもんだと思うんですが。特に法学部なんか進振りないようなもんですし。
>受講者が天才であることを前提としているような授業に付いていく自信がないのであれば、他の親切な授業をしてくれる大学に入った方が、結果的には伸びるかも知れません。
ここまで言い切れるのも凄いですが…。大体本郷でさえゼロ出席シケプリのみで切り抜けられるレベルですし