世間はWBCの話題で盛り上がっているところですが,法曹関係は小ネタの話題が続きます。民法改正の(正式な)中間試案が公表されたのでその話にしても良いのですが,黒猫も中間試案の内容を読み込むのはもう少し時間がかかりますので。
法曹養成制度検討会議第9回会議については,もう少しで議事録が公表されるのではないかと思いますが,資料の中に丸島委員提出資料(資料8)として,シンポジウム「地方で目指す 夜間で学ぶ-法科大学院の成果と展望ー」配布資料(抜粋)というものがあります。このシンポジウムは,1月20日に筑波大学東京キャンパスの文京校舎で開催されたもののようですが,参加した法科大学院の顔ぶれをみてみましょう。
共 催:香川大学=愛媛大学連合法科大学院
鹿児島大学法科大学院
熊本大学法科大学院
島根大学法科大学院
成蹊大学法科大学院
桐蔭法科大学院
新潟大学法科大学院
静岡大学法科大学院
協 賛:琉球大学法科大学院
うわー。見事なまでに底辺ローばかり。言っていることもでたらめなことばかりですが,以下特に気になったところから順にダメ出ししていきます。
○ 香川大学=愛媛大学連合法科大学院(四国ロースクール)
「四国ロースクールは、多島景観美を有した瀬戸内海に面して立地しています。瀬戸内海においては汚濁と景観破壊が進行し環境保全の行動が求められているため、環境保全を推進する法曹の養成もわれわれの重要な使命であると考えています。香川大学では豊島産業廃棄物処理問題等の環境法教育の素材を有し、愛媛大学では瀬戸内海の環境保全に関する学際的な研究を行う沿岸環境科学研究センターを背景にして、環境法の教育を効果的に行うことができるのです。われわれは、香川大学と愛媛大学の教育研究の実績を生かして、環境保全活動を推進する法曹を養成することを目指しています。」(資料4頁)
環境法の内容を誤解している向きが窺われますがは,環境法はあくまで法律学ですからね。環境に関する理系的な知識を若干かじったところで,司法試験の環境法には何の役にも立たないんですよ。それに,司法試験合格者で環境法を選択する人は,例年全体の5%くらいしかいない上に,後述するアンケートの集計結果を見ても,法曹になって環境問題に取り組みたいという人はあまりいなかったような・・・。
「平成22年度の合格率は 19.2%と向上したが、平成23年度は4.55%、平成24年度はやや持ち直して5.13%となった。合格者数低迷の原因の一つは、地方に位置する小規模ロースクールのため、司法試験に関して競争意識が薄く、受験に向けた取り組みが遅い傾向にあるためと考えている。それとともに、本法科大学院は法学未修者がほとんどで、短期間に法的能力を高めるために大きな努力が必要とされる学生が多いため、良好な合格率を回復し維持するべく積極的な対策が必要と考えている。」
そんなに低い合格率でよく「法科大学院」なんて名乗っていられますよね。
「学生1人につき教員2人を担任として割り振る指導教員制を導入しており、指導教員は、履修・学習相談を含む各種の相談に対応し、学生ごとに作成された学生カルテも利用して、必要な指導・助言を行う。平成24年度新入生(6人)からは、学年主任制を採用し、当該学年の学生全員に共通する主任1人と副主任3人をあて、主任と副主任1人とがペアになり3組がそれぞれ新入生2人ずつを担当しており、平成25年度以降も本制度を継続していくことにしている。」
新入生6人という数字もひどいですが,マンツーマンどころではないそこまで充実した教育体制を敷いて,それでも司法試験の合格率が一ケタというのは,よほど教育の中身が悪いんでしょうね。
「今後の具体的な改善策として、以下のような改善策を入試・広報委員会を中心として検討しており、平成25年度から早期に導入・実施したいと考えている。
()募集形態の変更・・・・・現行の前期・後期・二次募集という形態では、二次募集の告示が後期入試合格発表後となってしまうこと、また、ここ数年の状況からして二次募集はほぼ確実に実施する必要があることから、募集形態の変更(A・B・C日程など)を検討している。
()適性試験第4部の利用・・・・・二次募集も併せれば都合4回の入試を行うことが基本となることから、入試日程の一部において、適性試験第4部の利用を検討している。この場合、独自の小論文試験が省かれるため、受験者の増加も見込める。
()転入学制度の導入・・・・・なんらかの事情で、現在在学する法科大学院での修学が困難となっている者にたいして勉学継続の機会を提供するという趣旨で転入学制度の導入を図る。これにより、本法科大学院における学生定員の充足率の向上が期待される。なお、単位認定については教務・設備委員会とともに検討を進める。
()長期履修制度の導入・・・・・主に経済的事情により、標準修了年限では課程修了が困難な者に進学及び司法試験受験の機会を与える趣旨で、長期履修制度の導入を図る。長期履修者についてのカリキュラム編成については教務・設備委員会とともに検討を進める。」
適性試験第4部の利用とか,転入学制度とかいうのは,なんだか底辺ローの常套手段になった感があります。
○ 鹿児島大学法科大学院
「修習生は,司法修習の自己開拓プログラムの一部として公式の申請を行って,司法修習の一部としてこのプログラムに参加します。鹿児島大学法科大学院は,法科大学院で司法修習の一部を担うことを認められた最初の法科大学院です。」
なるほど,法科大学院で司法修習の一部をやっているから,法科大学院を潰したら司法修習ができなくなるぞ,といったレベルの低い脅迫をするつもりなんですね。わかります。
「平成23年度,平成24年度の司法試験の合格者は,こうした改革全体の成果であり,今後もこの徹底に努め,考え得る限りあらゆる手段を講じます。」
平成23年度は48人中3人が合格,平成24年度は受験者37人中4人が合格。客観的には,みるべき成果が挙がっているとはとても思えないんですけど・・・。
「これまでの合格者と不合格者それぞれからの聴き取り,司法試験の結果や再現答案の分析から,不合格となる者は,法律文書の作成能力(特に,事例の分析力,表現力)が不足していることが判明しています。それに対応するため,平成22年度より,学年進行を意識しつつ,全学年を通じて適切な文書作成指導(事実の分析力,論理的思考力,表現力の涵養)を徹底実施しています。」
そんな基本的なことにも気付いていなかったんですか。
○ 島根大学法科大学院(山陰法科大学院)
「山陰法科大学院を志願する人に対して受験機会を増やすため、2009 年度入学者選抜から第2次募集入試を導入しました。また、2010 年度入学者選抜からは、本学以外に東京と大阪にも地方試験会場を設けています。さらに、2012 年度からは、入試を前期日程・後期日程と複数回化(第2次募集についてはA日程・B日程)するとともに、第3次募集入試を実施しています。」
底辺ローでも3次募集までやっているところは珍しいです。もっとも,人が来ないローが何回募集かけたって無駄ではないかという気もしますが。
○ 夜間・地方の法科大学院に対するアンケート
現行制度の状況に関する問いでは,(3)授業料,(4)修習中の経済的負担といった,経済的支援について,もっと充実させるべきとの意見が最も多く,次いで,(6)職域の拡大,(5)教育体制の充実,の順であり,法科大学院制度自体への反対の意見が7件,受験回数制限撤廃の意見も7件あったそうです。アンケートの回答数が702通であり,しかも大学で配布し回収するアンケートであることを考えれば,この数字は決して少ないとは言えないでしょう。
アンケートの自由記載欄でも,さすがに大学が回収するアンケートで法科大学院を批判する内容は書きにくいのか,大学側の主張を引き写したような法科大学院賛美の内容が多かったですが,中にはこんな内容の意見もありました。
(夜間・在学生)
「夜間・昼間という区切りよりも,講義の質をよくしてほしい。特に自分の大学院の民事実務基礎の授業はひどい。一度見学してチェックしていただきたい。単に雑誌を話し続けている。大学院の授業評価アンケートでも主張したが,何ら改善されていない。コアカリキュラムに沿って講義している先生方は少なく,一人で勉強していた旧司法試験の時の方が充実していた。高額なお金を払っているのにもかかわらず,費用対効果のバランスが悪すぎる。学生に経済的負担を強いる。勉強上で余計な気を使うことになる。司法試験に合格するために入学したが,なぜ受験指導してはいけないのか理解に苦しむ。受験資格を得るために高額なお金と試験に直結しない無意味な授業,合格者数の減少。法科大学院は廃止して,旧試験制度に戻すべきである。予備試験を設けていること自体,法科大学院の存在意義を否定していると思う。中途半端。教師の質は,小中高の先生の方がはっきり言って上であると思う。理論と実務の架け橋もできていない。合格後一年の修習で実践的な仕事ができるのか,法曹倫理をどれだけ意識して行動できるか,不安ばかりです。法曹人口の増加が目的なら,なぜ旧試験の合格者の人数を増すという制度にしないのか? 結局アメリカのまねではいけないのだ。」
(夜間・在学生)
「(夜間法科大学院の存在意義は)仕事を辞めずに通えることのみ。」
(夜間・在学生)
「特になし」
(夜間・在学生)
「17:00の定時に帰れる人は公務員の一部など,社会人のごく少数の人にすぎない。普通に働いている人(残業も週数日ある等)が,通える体制にすることが,夜間法科大学院の存在意義であり,今の体制はそれを満たしているとはとてもいいがたい。Eラーニングの活用など,できることはたくさんあるはずなのに全くしていない。」
(夜間・修了生)
「合格するか否かの問題の前に,2年~3年(卒業~修了期間を含めると,最低でも4年弱~5年弱)も完全にキャリアを中断すること自体が,キャリア形成上,大きな損失。せいぜい,司法修習の1年が限度。このブランクは,法曹資格の見合いとしては,ちょっと大きすぎるのではないか。」
(夜間・修了生)
「他の社会人学生や兼業学生と交流し,職場と異なり理論面を学べる実益は大きい。一方で,時間をひねり出して勉強に励む社会人学生が,合格に向けて効率的に集中して勉強に取り組める環境を法科大学院が整えられているか,再検討が必要。卒業単位を夜間や土日のみで取得可能というだけでは全く足りない。欠席授業の板書や録音(録画)データの提供,メール等による職場の休憩時間中の質疑応答体制整備,合格に向けて必要な受験関係の諸情報を適時とりまとめて提供するなど,社会人のニーズに応じたサービス提供は必須と思われる。また,実務通説の一般論を提供せずに独自の見解にこだわる教員は,昼の学生には思考訓練の面もあって良いだろうが,兼業学生には時間の無駄となりやすい。予備校は講師の講義のクオリティに問題があるとしても,情報提供やフォローアップ体制については真摯に見習うべき点が多いのではないか。」
(地方・在学生)
「(地方に法科大学院が存在することの意義は)特にないと思う。」
(地方・在学生)
「特にない。設置コストに見合うだけのメリットは存在しない。」
(地方・在学生)
「地方在住者にも一定の機会が与えられることだと思っていましたが,これだけ格差や都市集中が進むと,何とも言えません。」
資料を一読しても,司法試験合格者をほとんど輩出できない地方や夜間の法科大学院に積極的な存在意義があるとは到底思えないのですが,問題なのはこのシンポジウムに参加した法科大学院の多くが国立大学であることです。私立のローについては,入学者数の激減に伴い撤退するところも出ていますが,未だ国立ローで撤退を決めたところはありません(私立にも劣らないくらい司法試験の合格者数が悪く,入学希望者数も激減しているところが多いにもかかわらずです!)。
私立ローは,法科大学院で赤字を出し続ければ大学自体の経営に響きますので,いずれは採算性を考えて撤退するところが多いと思いますが,国立ローは,運営費の大半が国の税金で賄われているのをよいことに,下手をすれば司法試験の合格者数がゼロになっても,ろくでもない政治的主張を繰り返しながらロー存続にしがみつくのではないでしょうか。そうなれば,何の存在意義もない法科大学院に,国の税金が際限なく浪費される事態になりかねません。
このような弊害を防ぐためにも,法科大学院制度の廃止は急務といえますね。
法曹養成制度検討会議第9回会議については,もう少しで議事録が公表されるのではないかと思いますが,資料の中に丸島委員提出資料(資料8)として,シンポジウム「地方で目指す 夜間で学ぶ-法科大学院の成果と展望ー」配布資料(抜粋)というものがあります。このシンポジウムは,1月20日に筑波大学東京キャンパスの文京校舎で開催されたもののようですが,参加した法科大学院の顔ぶれをみてみましょう。
共 催:香川大学=愛媛大学連合法科大学院
鹿児島大学法科大学院
熊本大学法科大学院
島根大学法科大学院
成蹊大学法科大学院
桐蔭法科大学院
新潟大学法科大学院
静岡大学法科大学院
協 賛:琉球大学法科大学院
うわー。見事なまでに底辺ローばかり。言っていることもでたらめなことばかりですが,以下特に気になったところから順にダメ出ししていきます。
○ 香川大学=愛媛大学連合法科大学院(四国ロースクール)
「四国ロースクールは、多島景観美を有した瀬戸内海に面して立地しています。瀬戸内海においては汚濁と景観破壊が進行し環境保全の行動が求められているため、環境保全を推進する法曹の養成もわれわれの重要な使命であると考えています。香川大学では豊島産業廃棄物処理問題等の環境法教育の素材を有し、愛媛大学では瀬戸内海の環境保全に関する学際的な研究を行う沿岸環境科学研究センターを背景にして、環境法の教育を効果的に行うことができるのです。われわれは、香川大学と愛媛大学の教育研究の実績を生かして、環境保全活動を推進する法曹を養成することを目指しています。」(資料4頁)
環境法の内容を誤解している向きが窺われますがは,環境法はあくまで法律学ですからね。環境に関する理系的な知識を若干かじったところで,司法試験の環境法には何の役にも立たないんですよ。それに,司法試験合格者で環境法を選択する人は,例年全体の5%くらいしかいない上に,後述するアンケートの集計結果を見ても,法曹になって環境問題に取り組みたいという人はあまりいなかったような・・・。
「平成22年度の合格率は 19.2%と向上したが、平成23年度は4.55%、平成24年度はやや持ち直して5.13%となった。合格者数低迷の原因の一つは、地方に位置する小規模ロースクールのため、司法試験に関して競争意識が薄く、受験に向けた取り組みが遅い傾向にあるためと考えている。それとともに、本法科大学院は法学未修者がほとんどで、短期間に法的能力を高めるために大きな努力が必要とされる学生が多いため、良好な合格率を回復し維持するべく積極的な対策が必要と考えている。」
そんなに低い合格率でよく「法科大学院」なんて名乗っていられますよね。
「学生1人につき教員2人を担任として割り振る指導教員制を導入しており、指導教員は、履修・学習相談を含む各種の相談に対応し、学生ごとに作成された学生カルテも利用して、必要な指導・助言を行う。平成24年度新入生(6人)からは、学年主任制を採用し、当該学年の学生全員に共通する主任1人と副主任3人をあて、主任と副主任1人とがペアになり3組がそれぞれ新入生2人ずつを担当しており、平成25年度以降も本制度を継続していくことにしている。」
新入生6人という数字もひどいですが,マンツーマンどころではないそこまで充実した教育体制を敷いて,それでも司法試験の合格率が一ケタというのは,よほど教育の中身が悪いんでしょうね。
「今後の具体的な改善策として、以下のような改善策を入試・広報委員会を中心として検討しており、平成25年度から早期に導入・実施したいと考えている。
()募集形態の変更・・・・・現行の前期・後期・二次募集という形態では、二次募集の告示が後期入試合格発表後となってしまうこと、また、ここ数年の状況からして二次募集はほぼ確実に実施する必要があることから、募集形態の変更(A・B・C日程など)を検討している。
()適性試験第4部の利用・・・・・二次募集も併せれば都合4回の入試を行うことが基本となることから、入試日程の一部において、適性試験第4部の利用を検討している。この場合、独自の小論文試験が省かれるため、受験者の増加も見込める。
()転入学制度の導入・・・・・なんらかの事情で、現在在学する法科大学院での修学が困難となっている者にたいして勉学継続の機会を提供するという趣旨で転入学制度の導入を図る。これにより、本法科大学院における学生定員の充足率の向上が期待される。なお、単位認定については教務・設備委員会とともに検討を進める。
()長期履修制度の導入・・・・・主に経済的事情により、標準修了年限では課程修了が困難な者に進学及び司法試験受験の機会を与える趣旨で、長期履修制度の導入を図る。長期履修者についてのカリキュラム編成については教務・設備委員会とともに検討を進める。」
適性試験第4部の利用とか,転入学制度とかいうのは,なんだか底辺ローの常套手段になった感があります。
○ 鹿児島大学法科大学院
「修習生は,司法修習の自己開拓プログラムの一部として公式の申請を行って,司法修習の一部としてこのプログラムに参加します。鹿児島大学法科大学院は,法科大学院で司法修習の一部を担うことを認められた最初の法科大学院です。」
なるほど,法科大学院で司法修習の一部をやっているから,法科大学院を潰したら司法修習ができなくなるぞ,といったレベルの低い脅迫をするつもりなんですね。わかります。
「平成23年度,平成24年度の司法試験の合格者は,こうした改革全体の成果であり,今後もこの徹底に努め,考え得る限りあらゆる手段を講じます。」
平成23年度は48人中3人が合格,平成24年度は受験者37人中4人が合格。客観的には,みるべき成果が挙がっているとはとても思えないんですけど・・・。
「これまでの合格者と不合格者それぞれからの聴き取り,司法試験の結果や再現答案の分析から,不合格となる者は,法律文書の作成能力(特に,事例の分析力,表現力)が不足していることが判明しています。それに対応するため,平成22年度より,学年進行を意識しつつ,全学年を通じて適切な文書作成指導(事実の分析力,論理的思考力,表現力の涵養)を徹底実施しています。」
そんな基本的なことにも気付いていなかったんですか。
○ 島根大学法科大学院(山陰法科大学院)
「山陰法科大学院を志願する人に対して受験機会を増やすため、2009 年度入学者選抜から第2次募集入試を導入しました。また、2010 年度入学者選抜からは、本学以外に東京と大阪にも地方試験会場を設けています。さらに、2012 年度からは、入試を前期日程・後期日程と複数回化(第2次募集についてはA日程・B日程)するとともに、第3次募集入試を実施しています。」
底辺ローでも3次募集までやっているところは珍しいです。もっとも,人が来ないローが何回募集かけたって無駄ではないかという気もしますが。
○ 夜間・地方の法科大学院に対するアンケート
現行制度の状況に関する問いでは,(3)授業料,(4)修習中の経済的負担といった,経済的支援について,もっと充実させるべきとの意見が最も多く,次いで,(6)職域の拡大,(5)教育体制の充実,の順であり,法科大学院制度自体への反対の意見が7件,受験回数制限撤廃の意見も7件あったそうです。アンケートの回答数が702通であり,しかも大学で配布し回収するアンケートであることを考えれば,この数字は決して少ないとは言えないでしょう。
アンケートの自由記載欄でも,さすがに大学が回収するアンケートで法科大学院を批判する内容は書きにくいのか,大学側の主張を引き写したような法科大学院賛美の内容が多かったですが,中にはこんな内容の意見もありました。
(夜間・在学生)
「夜間・昼間という区切りよりも,講義の質をよくしてほしい。特に自分の大学院の民事実務基礎の授業はひどい。一度見学してチェックしていただきたい。単に雑誌を話し続けている。大学院の授業評価アンケートでも主張したが,何ら改善されていない。コアカリキュラムに沿って講義している先生方は少なく,一人で勉強していた旧司法試験の時の方が充実していた。高額なお金を払っているのにもかかわらず,費用対効果のバランスが悪すぎる。学生に経済的負担を強いる。勉強上で余計な気を使うことになる。司法試験に合格するために入学したが,なぜ受験指導してはいけないのか理解に苦しむ。受験資格を得るために高額なお金と試験に直結しない無意味な授業,合格者数の減少。法科大学院は廃止して,旧試験制度に戻すべきである。予備試験を設けていること自体,法科大学院の存在意義を否定していると思う。中途半端。教師の質は,小中高の先生の方がはっきり言って上であると思う。理論と実務の架け橋もできていない。合格後一年の修習で実践的な仕事ができるのか,法曹倫理をどれだけ意識して行動できるか,不安ばかりです。法曹人口の増加が目的なら,なぜ旧試験の合格者の人数を増すという制度にしないのか? 結局アメリカのまねではいけないのだ。」
(夜間・在学生)
「(夜間法科大学院の存在意義は)仕事を辞めずに通えることのみ。」
(夜間・在学生)
「特になし」
(夜間・在学生)
「17:00の定時に帰れる人は公務員の一部など,社会人のごく少数の人にすぎない。普通に働いている人(残業も週数日ある等)が,通える体制にすることが,夜間法科大学院の存在意義であり,今の体制はそれを満たしているとはとてもいいがたい。Eラーニングの活用など,できることはたくさんあるはずなのに全くしていない。」
(夜間・修了生)
「合格するか否かの問題の前に,2年~3年(卒業~修了期間を含めると,最低でも4年弱~5年弱)も完全にキャリアを中断すること自体が,キャリア形成上,大きな損失。せいぜい,司法修習の1年が限度。このブランクは,法曹資格の見合いとしては,ちょっと大きすぎるのではないか。」
(夜間・修了生)
「他の社会人学生や兼業学生と交流し,職場と異なり理論面を学べる実益は大きい。一方で,時間をひねり出して勉強に励む社会人学生が,合格に向けて効率的に集中して勉強に取り組める環境を法科大学院が整えられているか,再検討が必要。卒業単位を夜間や土日のみで取得可能というだけでは全く足りない。欠席授業の板書や録音(録画)データの提供,メール等による職場の休憩時間中の質疑応答体制整備,合格に向けて必要な受験関係の諸情報を適時とりまとめて提供するなど,社会人のニーズに応じたサービス提供は必須と思われる。また,実務通説の一般論を提供せずに独自の見解にこだわる教員は,昼の学生には思考訓練の面もあって良いだろうが,兼業学生には時間の無駄となりやすい。予備校は講師の講義のクオリティに問題があるとしても,情報提供やフォローアップ体制については真摯に見習うべき点が多いのではないか。」
(地方・在学生)
「(地方に法科大学院が存在することの意義は)特にないと思う。」
(地方・在学生)
「特にない。設置コストに見合うだけのメリットは存在しない。」
(地方・在学生)
「地方在住者にも一定の機会が与えられることだと思っていましたが,これだけ格差や都市集中が進むと,何とも言えません。」
資料を一読しても,司法試験合格者をほとんど輩出できない地方や夜間の法科大学院に積極的な存在意義があるとは到底思えないのですが,問題なのはこのシンポジウムに参加した法科大学院の多くが国立大学であることです。私立のローについては,入学者数の激減に伴い撤退するところも出ていますが,未だ国立ローで撤退を決めたところはありません(私立にも劣らないくらい司法試験の合格者数が悪く,入学希望者数も激減しているところが多いにもかかわらずです!)。
私立ローは,法科大学院で赤字を出し続ければ大学自体の経営に響きますので,いずれは採算性を考えて撤退するところが多いと思いますが,国立ローは,運営費の大半が国の税金で賄われているのをよいことに,下手をすれば司法試験の合格者数がゼロになっても,ろくでもない政治的主張を繰り返しながらロー存続にしがみつくのではないでしょうか。そうなれば,何の存在意義もない法科大学院に,国の税金が際限なく浪費される事態になりかねません。
このような弊害を防ぐためにも,法科大学院制度の廃止は急務といえますね。
法科大学院をすべて潰す→法学部を設置する大学を10ほどにする→ というプロセスを誰も訴えないのはおかしい。
法学部で学んだ内容が社会に生きるという幻想は捨てなければならない。
社会で足を引っ張ってばっかりの司法関係者は不要。
100人受けて2人しか受からない超難関であった。
それに対し、法科大学院は超超超超ねらい目。
2―3年、のーんびりモラトリアムして、授業中は教授や学生達と和気藹々と議論。
授業はせいぜい一日2―3コマで、理系大学院の研究室泊り込みなどありえない。
10時に学校来て3時か4時に帰宅のお気楽生活。
夜は時間が余るので、バイトでも合コン三昧でも自由。
弁護士の卵には美女が群れるので合コン三昧がお勧め。
休日も週休2日は保証。サラリーマンの土日出勤なんか別世界。
夏・冬・春は長期の休み。海外旅行もしたい放題。
ローによっては希望すれば海外ロースクールに遊学までさせてくれる。
締めくくりは新司法試験。
4日ほど拘束されるけど、旧司の合格率10倍の超ザル試験。
これに受かって、晴れて1年の修習。
ここでも合コン三昧。パラダイスは続く。
5年くらい前は、浮かれた患者が多かったよね。
ヽ(゜Д゜)ノ
( ヽ(゜A゜ )ノ('∀`(゜∀゜ )ノ 最高裁の論法は飛躍していると思います!!!
| |ノ ノ└ )V / ○○先生の主張が論理的に正しいと思います!!!
「 「 「 「 「 ○○の場合は○○になると思います!!!
この判例の射程範囲は○○です!!いや、□□です!!
新司法試験受験直前(2008年6月)
('A`('-`('д`('_` ) 最高裁の結論が妥当です・・・・
ノ ノノ ノノ ノ) ノ| そこは択一に出るんでしょうか?
「「 「「 「「 「「 そこは試験には出ませんよね?
www
>旧司法試験は東大、京大、中央法などの超エリートたちが
中央www場違い過ぎワロタwwwwww
法科大学院制度のことは嫌いになっても、司法試験のことは嫌いにならないで下さい!
フライングゲット♪