空の道を散歩

私の「仏道をならふ」の記

忘れ物&セッション5

2013-04-11 23:04:26 | 健康・病気

 ロルフィングbasic10のセッション5を受ける日、前日から実家に帰っていて、予約の時間に間に合うよう、余裕をもって電車に乗ったのだが、JRの駅に到着してチケットがないのに気付いた。途中、私鉄からJRに乗り換えるとき、2枚のチケットを自動改札機に入れるのだが、通過したときチケットを取り忘れたらしい。 

 JRの改札で、女性の駅員さんに頼んで、乗換駅の自動改札に取り忘れのチケットがないか、問い合わせてもらった。というのは、私鉄のチケットはこの日購入したばかりの回数カードで、5000円以上も残っているからだ。 

 幸いにも乗換駅に保管されていることが分かった。ロルフィングを受けてから、夕方、乗換駅に戻って、回数カードを受け取ることにした。 

 年のせいか、こういう忘れ物をする回数が増えた。年に数回、とんでもない忘れ物をする。1日に2回続けて電車の中に忘れ物をしたこともある。どこに忘れたか記憶している場合は問い合わせることもできるが、最近は、忘れ物をした状況がまったく記憶にないことも多い。

 鉄道の場合は、忘れ物を預かっている駅まで行けばいいが、バスの場合は、車庫のあるところにバス会社の事務所があり、車庫の面積を確保するために、遠く離れた不便な場所にあることが多い。両親を介護している時は、実家と自分の家とを行き来していたので、何種類もの回数カードを入れていたカード入れをバスの中で落として、とても辺鄙なところにあるバス会社の事務所まで、炎天下を取りに行ったことがあった。

  そんなときは、自己嫌悪どころではない。何もかもが嫌になってしまって、ほんとうに落ち込んだ。

  さて、セッション5は「内臓空間のバランスと固有の歩行」というものだが、これも別のロルフィングのサイトを見ると、「内臓空間の解放と確立・大腰筋を目覚めさせる」という解説が載っていた。肺、心臓、胃、腸などの内臓が納められている腹部の緊張を解放する。内臓感覚は本能的で直観的な思考に関係していると、このサイトでは言っている。また、眠らせたままほとんど使っていない人が多い大腰筋を目覚めさせて、効率的な歩行ができるようにするセッションだそうだ。

 セッション5に入る前に、鏡の前に立って自分の身体の状態を見る。初日に言われたように、私は、胸から上と、腰から下はわりと強さを保っているが、両方をつなぐ腹部が弱い。セッション4まで終わって、上部と下部が整えられて、以前より力強く、のびやかになっているが、それに比べて腹部は弱弱しい。上部と下部は自信にあふれているのに、腹部は自信なげで、輝きがない。

  腹部への施術をする前に、首の緊張をやわらげ、腹部につながる足を整えるために、これまでのおさらいをする。足裏から、足首、脛、大腿部の内側に圧を加えていく。以前と同様、痛い。  

 内臓は骨盤に支えられているが、骨盤とつながっている足も内臓を支えている。本当は、足のやや内側で支えていなければならないのに、私の場合は、やや外側で支えているらしい。とくに左よりも右の足が外側に向いている。だから、その部分を抑えられると、痛みがひどい。左足はそれほどゆがみを矯正しなくてもよかった。私は右足により力を入れて生きてきたらしい。 

 整えると、足が骨盤からまっすぐつながったように感じた。

 腹部へ圧を加えることは、ほとんど体験がないので、なんと形容していいか分からない。ただ圧を感じるだけの個所と、固くて痛みを感じる箇所とがある。ロルファーのAさんが言うには、お腹に圧を加えている手は、背骨を感じているとのこと。どうですかと問われても、分かりませんとしか言いようがない。

 胃の右側、肋骨の下と、おへその上に特に痛みを感じる箇所があって、ロルファーは「ここに入ります」と言って、深いところにまで圧を加えていく。圧を加えている手や指が身体の中に入ってくるかと思うほどだ。あるところまでくると、痛みがなくなると同時に、感じていたしこりもなくなっている。

 いちばん変化を感じたのは、腸骨の内側に圧を加えられたとき。

 施術前には、腸の両側が腸骨につながれたまま固まった感じがあって、体調が悪いときには、腸骨の内側に引っ張られるような痛みがあった。卵巣が悪いのかもしれないと思ったこともある。腸は緊張してポコンと膨れたようになって、お腹も出ていた。そんなときは、下腹部にガスがたまっているような感じで、不快だし、身体が重たい。

 腸骨の内側に圧を加えられると、やはり痛い。痛みをこらえて、呼吸に気持ちを持って行く。これ以上耐えられないと思ったところで「はい、終わりました。ここは錆びついていたんですね。お腹に手を当てて、違いを確かめてください」とロルファーのAさん。

 手を当てると、腸骨の両側に引っ張られて、膨らんだまま固まっていたような腸が、つながれた部分を解かれて、腹部空間に浮かんでいるという感じだ。ポコンと出ていたお腹は平たくなっていたが、ぺしゃんこというのではなく、弾力が感じられる平たさだ。何より、ゆったりとした感じが心地よい。

  感じたイメージを伝えると、ロルファーのAさんは「そう、まさに、内臓が自由になって、あるべき場所にちゃんと整列したんですよ。身体は賢いんです」とうれしそうに言う。

 それから、内臓を支える大腰筋、骨盤底、恥骨などを整えた。骨盤底を押されると、やはり猛烈な痛みを感じた。これは、解放された内臓を支えるのにふさわしい骨盤を調整するために必要なことなのだそうだ。  

  歩行の練習は、実際に歩くのではなく、ベッドに仰向けになったまま、片足ずつ、足を立てて、骨盤を下に下げるようにイメージし、やや足の内側に気持ちを持って行き、かかとをベッドの上を滑らせるようにして足を延ばす。足を立てる時も、太ももや膝、足首に力を入れて動かしたりしてはいけない。大腰筋で持ち上げる感じ。それを繰り返す練習。ロルファーは「はい、よくできました」というのだが、自分では何をしているのか分からない。

 練習を終えて、鏡の前に立つ。力なく骨盤にめり込むようになっていたお腹の部分が伸び、不自然にへこんでいたウエストラインがのびやかな弧を描くようになっている。「今日だけでは不十分ですが、もっと整えたら、もっとお腹が伸びますよ」とのこと。

 さらに、後ろに置いた踏み台の高い段にロルファーが上って、両手を私の肩に置いて思いきり圧力をかける。私は、よろけるかと思ったが、不思議なことに、肩にも足にも力を入れることなく、踏ん張ることなくまっすぐ立つことができていた。「内臓が安定し、身体がまっすぐ立っているから、こうして押されてもバランスを崩さずにいることができるんです」とロルファー。

 歩行の練習をしているときには何も感じなかったが、今日、近所の山を歩いたり、買い物に出るのにバスに乗らずに歩いたとき、歩行が軽く感じられた。やはり、練習の成果なのか。