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空の道を散歩

私の「仏道をならふ」の記

セッション2

2013-03-27 01:44:06 | 健康・病気

 基本的なロルフィングの10セッションのうち、2回目のセッション「サポートの基盤と地面への適応」を受けた。

 セッションのテーマは英語をそのまま翻訳したらしくて、内容が分かりにくいが、セッション2は全身を支える足の土台作り。

  足の模型を手にしながら、解剖学的構造やどんなふうに動いて歩くのかを学習する。一般的に、足は大地にしっかり立っているというイメージから、堅固で動かない構造を想像しがちだが、たくさんの小さい骨が常に動いて、体のバランスを取っている。だから、むしろ、繊細で、微妙な動きができるように、常に柔軟でなければならない。

  ところが、長年の癖や、正しくない歩き方によって、骨が自由に動かなくなったり、あるべき湾曲や空間が正しい位置から外れたまま固着してしまう。足のゆがみは、それとのバランスをとろうとして、上半身のゆがみを引き起こす。

 街で見かける若い女性たちが、超高いハイヒールやブーツを履いて、奇妙な姿勢で歩いている姿を思い浮かべた。彼女たちの多くが、O脚だったり、X脚だったりする。上半身を大きく揺らしたり、ものすごく大きな足音を立てて階段やエスカレーターを上り降りしている。その理由が納得できた。彼女たちの10年後、20年後の姿がたやすく想像できる。

  足の甲、足裏、脛、大腿部と圧を加えて行くのだが、脛と大腿部がものすごく痛かった。もう我慢できないというところまで、ぎゅうっと抑えられる。圧を加えているロルファーの指や肘が、私の身体に食い込んでくるような感じ。

 右足を終えた段階で、左右の足の長さが違うのが分かった。鏡の前に立つと、beforeの左足は老人の足、afterの右足は壮年期の若々しく伸びた力強い足と、はっきりと違いが分かる。

 両足が終わって鏡の前に立つ。両足とも、胴体からすっきりと伸びて、身体全体が解放された感じでまっすぐ立っている。

  前回のセッション後、便の臭いがしなくなったのは、ロルフィングの効果なのか聞いた。呼吸が良くなって、内臓に酸素が行き渡り、内臓の働きが良くなったせいではないかという。

 このような変化は、たいていセッション10を終えたころに出るのだそうだ。私の身体は、反応が早いらしい。長年、鍼灸治療で身体のメンテナンスを受けてきたせいだと思う。


ロルフィングその2

2013-03-18 11:40:49 | 健康・病気

 ロルフィング体験のつづき。

  ベッドに横たわって、ロルファーが首の下に手を入れようとしたときも、私は反射的に首をあげようと力を入れた。すると、「今、首をあげようとしましたね。これからは、そういうことをせずに、なされるままに身体を私にまかせてください」と言われた。

 「今まで、相手の行動を先読みして、いつも反射的に体を動かしてきたような気がします」というと、Aさん「そうしなければ、これまで、あなたは生きてこられなかったからですよ。でも、これからは、そうしないでもいいんです。ゆったりを自然にまかせればいいんです。あなたはたとえばよく訓練された盲導犬や介助犬のように、とても良い生き方をしてこられたんです。でも、ハーネスを外された盲導犬のように、これからは自由に、思うように生きていいんですよ」。

 いつも気配りして、反射的に先に先に行動するようにしてきた結果、私の身体はストレスにさらされ、身体にゆがみを作ってきたわけだ。

 この時も、今まで、いかに肩肘張って生きてきたかを思い知らされた。

 歩きの学習では、ロルファーが私の背中の腰の部分に指を当てた状態で歩く訓練をした。うまく歩くことができると、「そう、今の歩き方でいいですよ」と言われるのだが、ぴんとこない。ただ、これかなっと思える瞬間があって、その時は、足がふっと軽くなって前に進んだような気がした。

 ロルファーは、私の指を自らの背中に同じように当てさせて、正しい歩き方ができたときと、そうではないときの違いを示してくれた。正しい歩き方のときは、指が身体をしっかり感じている。そうでないときは、指先がふにゃふにゃして、暖簾に腕押しという感じがした。「背中に指を当てなくても、常に、私はここにいるとイメージして歩いてください」。

  終わって、鏡の前に立つと、体つきはあまり変わらないが、力なくゆるんでしわだらけだったお腹が、ややしゃんとしている。お腹に力をいれなくても、自然に姿勢よく立っていられる。お腹に手を当てると、水をいれたゴム風船のようにぷよぷよしていたのが、適度な弾力を感じた。

 Aさんいわく。「普通、このような治療は、故障を起こす前のように戻るのが最終的な目的ですが、ロルフィングは、前以上によくなって、若々しい身体を取り戻せますよ。その過程を楽しみましょうね」。

 帰るときは、腰も伸び、肩甲骨も開いて、本当に足取りも軽くなっていた。

 この状態は、一夜明けてからも続いた。毎朝、目覚めたときすでに固くなっている身体を、意識してほぐし、腰に手を当てて骨盤をゆるめて腰を伸ばし、痛みを感じながら肩甲骨を後ろに開かなければならなかったのに、気がつけば腰が伸び、肩甲骨も開いていた。歩き続けても、疲れを感じない。

  ちょっと首が凝ったり、肩甲骨が固くなったと感じたときには、意識的に呼気を背中全体に入れるように呼吸したり、背中に指を当てて歩いたり、軽く腕を回したりすると、楽になった。

 それから、これは2日目に気付いたことだが、臭気のきつかった便が、ほとんど臭いがしなくなっていた。ロルフィングと関係があるのか、ないのか。

 何よりいいのは、教えられたとおりに呼吸し、歩くことに気をつけるようになったことだ。

 ロルフィングを勧めてくれた友人に感謝している。その友人は、ロルファーと患者との関係が、能のシテとワキの関係に似ているという。能のワキ方の安田登さんもロルファーで、能とロルフィングを関連させた著作もある。どちらが一方的に主役、どちらが一方的に脇役という関係ではなく、お互いの立場でお互いに働きかける関係だ。

 明日は2回目のセッション。どんな経験が待っているか、とても楽しみ。

 


ロルフィング

2013-03-14 09:30:19 | 健康・病気

 母の死後、ブログを再開するつもりでいたのに、一回書いただけで、その後ほったらかしにしてほぼ1年。その間、書くことはいっぱいあったのに、気が進まず。また再開したのは、これまでの体験になかったことを体験したからだ。

 12日に、ロルフィングという、「身体が本来持つ構造を取り戻し、快適なカラダを手に入れる」という、身体への再教育プログラムを受けた。 

 母の介護で痛めた腰はなかなかよくならず、加えて昨年、山歩きの時に転んで左腕をねじってしまい、以来、左肩からひじにかけて疼痛が続いていた。鍼灸院で治療を続けていたのだが、頼りにしていたその鍼灸師がぎっくり腰になってしまった。

 鍼灸師の友人は、以前聞いたことがあるロルフィングという治療を受けてみようと言うのだ。

 数日後、友人から「ぎっくり腰が改善したので、治療にお越しください」と、随分元気な声で電話がかかってきた。一回施術を受けただけなのに、腰の痛みがなくなったというのだ。

 鍼灸治療を受けながら、友人が受けたロルフィング体験を聞き、その勧めで、私もセッションを受けることにした。料金は決して安くはないのだが、話を聞いていると、高くても経験してみる価値はあると思った。 

 ロルフィング(Rolfing)というのは通称で、正しくはStructural Integration。パンフレットによれば、アメリカの生化学者アイダ・ロルフ博士によって開発されたので、彼女の名をとって、ロルフィング、施術者をロルファーという。

 身体の器官や、身体全体を包んでいる筋膜という膜状の結合組織が正常であれば、身体の機能はスムーズに働くけれども、一部の筋膜が緊張したり、引っ張られたりして歪んでしまうと、ネットワークがうまくゆかず、身体全体に影響を与えてしまう。

 ロルフィングは、手技と動きを使った身体への教育により、本来あるべき状態に戻し、生まれ持った楽な身体を取り戻すのが目的だという。

 ロルファーのAさんは私より十歳若い女性。病歴や現在の身体の状態について話すと、「今まで頑張ってきたあなたの生き方が、そのまま結果として今の身体の状態になったんだということがよく分かります」と言われ、納得。

 胸と腰を覆うだけの姿で鏡の前に立つ。背中から私を見て、「肩から上、腰から下はすばらしいですよ。常に成長しようとして、大地にしっかり立ち、枝先を空いっぱいに伸ばした木のような強さを感じます」とのこと。お世辞でもそう言われるとうれしい。私の理想は、まさに木のように空に向かって生きることだから。

 「でも真ん中のお腹がだめですね。あなたの強いところを支えきれない。このまま行くと、このような姿になってしまいますよ」と、一呼吸すると、首をうなだれて、背を丸め、重そうな足取りでぺたっ、ぺたっと歩く老婆の姿を再現して見せてくれた。

 想像はできたけれども、実際に見せつけられると、ぞっとする姿だ。

 そのあと、ベッドに仰向けに寝て、施術が始まった。首、足、足首、脛、腕と手、胸骨から肩にかけて、手やひじを使って強い圧を加えていく。

 強い痛みを感じるところもあったし、圧を加えられるたびに、強い波動が体を伝わってくることもあった。

 田起こしされた固い田んぼの土の割れ目に、初めは津波のように強い波が入り込んできて、田んぼ全体が水で満たされると、こんどは細かい土のすみずみにまで水がしみこんでくるというイメージだ。細胞の一つ一つが癒されていくようだった。

 施術を受けながら、「すごい! 不思議!」としか言いようがなかった。 

 一回目のセッションのテーマは「骨盤と歩きの自由化」というもので、固くなった身体をほぐして、自然な呼吸と歩き方を学ぶ。背中に手を当てて、吐いて、吸ってを繰り返す。吸うときに、呼気が背中全体に行き渡るようにする。あるいは、手を当てられた背中の部分に呼気が入るようにイメージして呼吸する。

 なかなか言われるようには呼吸できない。「今の呼吸はいいですよ」と言われても、何がいいのか分からない。それでも、いいと言われた呼吸ができたときには、力が抜けて、ほんとうに楽に呼吸できたように思う。私は呼吸をするときでさえ、身体に力が入っていたのだと思った。思ったとたん、そうまでして頑張ってきた自分が健気にも、哀れにも思えて、泣けてきた。(この項つづく)

 
 


ぎりぎり正常値

2011-06-10 21:26:26 | 健康・病気

 半年前、高脂血症の治療を始めて、頸動脈のエコーを取ったが、今日は二度目のエコー検査を受けた。

 一回目の検査では、1ミリ以下であるべき頸動脈の血管壁が厚いところで1・6ミリもあった。

 ずっと下がり続けていた悪玉コレステロールの数値が、先日の血液検査ではちょっと上がっていて、薬も変えられたので、エコー検査は自信がなかった。

 ベッドに横になって、頸動脈が映し出される画面を見ながら、先生が説明する。

 「ここが以前は1・6ミリあった箇所ですね。測ってみましょう。やあ、すばらしい。0.9ミリになっていますよ」

 以前、正常値を超えていた箇所が、すべて正常値ぎりぎりの1ミリ以下になっていた。

 血液の流れもよく、この調子で頑張って、ぎりぎり正常値をもっと下げられるよう、がんばりましょう、ということになった。

 自信がなかっただけに、うれしかった。

 今までの生活の仕方から類推して、どういうところを改善すればいいか、分かるので、今後、頑張る点は運動と、食塩を減らすことかな。

 薄味では物足りない両親に付き合っているうちに、塩分を取りすぎていることはわかっていた。

 それから、コレステロールを減らす効果のある食材をもっと採ること。

 今朝、インターネットで、インドネシアの大豆発酵食品、テンペを注文した。薬師寺近くの週末カフェ和三のランチで、サラダに入っていたのが、テンペだった。

 納豆の親戚みたいな食品だが、臭いはあまりないし、いろいろな料理に使える。納豆と同じく、高コレステロールを改善する食品だ。

 納豆と比べるとお値段は高いが、しばらく続けてみようと思っている。

 


悪玉コレステロール

2010-12-17 21:25:44 | 健康・病気

 毎年受けている健康ドックの結果が送られてきて、悪玉コレステロール値が高く治療を要するとのこと。

 これまでも警告を受けていたのだが、血圧も、血糖値も正常なので、食事で改善するつもりで、医者に行かなかった。

 健康ドックで問診した医者に「この値はかなり高い。もし今年も変わらないのなら、治療を受けないと、心筋梗塞や脳梗塞が起きても不思議ではない」と脅されたので、今日、実家のすぐ近くの医院へ行った。

 両親が長年かかっている医院もそんなに遠くはないのだが、医者も高齢で、いつも長く待たされる。今日行った医院は、実家の窓から見えるところに、数年前にできた。

 喘息で悩まされていたころ、あちこちの医院へ行ったが、医者が新しい医療を勉強していないのではないかと疑いたくなるようなところが結構あった。

 今日行った医院は、合理的な医院経営や診察システムを考えているなあということがすぐわかった。待ち時間も少なく、診察室に入ると、すぐ頸動脈のエコーを取った。

 頸動脈は脳にいちばん近いから、脳の血管の状態を見るのにいいのだそうだ。

 5ミリの頸動脈が、3センチぐらいに拡大されて映るパネルを見ながら、「このでこぼこしたところの血管の厚さを測ってみましょう。正常な厚さは1ミリ以下なのに、1.6ミリもあるでしょう。放っておくと、どんどん厚くなって、これが剥がれて脳の血管に入ると、脳梗塞が起きるんです」などと、解説してくれる。

 このごろは、医療技術もさることながら、医大でも医者のコミュニケーション能力が重視されるようになったと聞く。大病院で父の検査に付き添ったことがあるが、CTスキャンだ、MRIだ、何とかマーカーの検査だと、医者自身がハイテク機器やデータに振り回されている感じがした。

 今日、診察したA医師は、私より少し若い年代で、ハイテク機器やコンピューターをうまく使いこなして、患者を納得させる技術を身に付けているなと感心した。

 いつの間にかコンピューターに入力された私のデータ(これが電子カルテというのかな)を見ながら、今後の治療方針を説明してくれる。

 私が「よくわかりました。頑張って治療を続けようと思います」と言うと、A医師は「そのように分かってもらえることが、医者として一番うれしいんです」と言う。

 診療開始時間の少し前に実家を出て、エコー検査、説明、血液採取、薬をもらって支払いを済ませるまで、1時間もかからなかった。

 診察券や、医院のパンフレットは手作りだということが分かる。血圧や高脂血症に関するプリントを、「私が作ったんです」と手渡されたのも、気に入った。

 近いということだけで選んだが、いい医者に当たってほっとした。

 とりあえず半年は、コレステロール値を減らす薬を飲むことになった。

 

 


風邪

2010-10-18 09:11:55 | 健康・病気

 妹が介護を交代してくれたので、週末、自宅に戻ったのはいいけれど、疲れが出たのか風邪をひいて、のどがものすごく痛い。熱もある。常備している「桔梗石膏」を飲んで、自宅ではずっと寝ていた。病状が改善しないまま実家に帰った。電車の中では、本を読む気力もなく、ずっと眠っていた。

 元気なときでも、親のことを考えると不安が先立つのに、たとえ風邪でも、健康でなくなると、よけいに悪いことばかりを考える。自分にもしものことがあったら親の介護はどうなるのだろうとか……。

 妹が、両親に夕食を食べさせてくれていたので、私は、おかゆに梅干しの夕食をすませて寝た。父は私を心配しているつもりで、「無理をするな」と言う。「誰のせいで私が無理をしているっちゅうねん」と突っ込みを入れたい。

 父は、瞬間、瞬間は会話が成立しているので、知らない人が見たら、「いつまでもしっかりしていておげんきですね」というのだが、少し長いスパンになると、状況が理解できない。いろいろ起こるトラブルは自分が起こしているのだが、それも理解できない。

 母は父よりはまだ、状況を理解することはできているように思うが、それも五十歩百歩である。

 一晩中、喉の痛みと咳に苦しめられ、夜中に起きて、以前医者から処方されて残っていた「麻杏甘石湯」を飲んだ。気管支炎の薬だ。自宅においていた漢方薬のケースを、そのまま実家に持ってきていた。

 私は10年ほど喘息に苦しめられた。西洋医にかかっていたころは、薬前薬後にご飯を食べているような感じで、薬を山ほど飲んだが治らず、時々発作で呼吸困難に陥って、救急車を呼んだ。後半、良い漢方医を紹介してもらってから、薄皮をはぐように良くなっていった。以来、その先生にお世話になっている。

 煎じ薬のほかに、エキス剤をもらったときは、症状がよくなると飲まずに残しておいて、症状が出るとこれを飲むようにしている。長年漢方医にかかっていると、どういう症状の時に飲めばいいか、わかってくる。ちょっと喉が痛いときに、予防的に「桔梗石膏」を飲むと、ひどくならないで済む。

 今回は、処方が遅かったのか「桔梗石膏」ではせき止められなかったようだ。「麻杏甘石湯」が効いたのか、朝になって少しは楽になった。

 両親に朝食を食べさせて、今日1日、寝ることにする。ヘルパーさんも来てくれるし、どうにかなるさ。