Fool & the Gag

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BARABARA書房!

2006-12-05 21:37:57 | パッシヴアタック
早稲田文学フリーペーパー『WB』7号出ました。巻頭の川上未映子氏の小説「感じる専門家 採用試験」(妙な角度から選ばれたハードな単語と、ソフトな発話ぽっい饒舌のコントラストに、毒と心地よさが。分母→母の流れもイカス)や、坪内祐三氏のインタビューなど必読。上野昂志氏、池田雄一氏、生田武志氏などの新連載始開始。要チェックです。0円です。

もうひとつの0円、BARABARA書房も元気がイイ! 定価「0円プラス冗費税」というミラクルプライスを実現した書籍の刊行が続いている。BARABARA書房の書籍は書店では手に入らない。それは、何のまえぶれもなくポストに届くというオルタナティブな刊行システム。

2006年8月、書き下ろし「南無エコロジー」を収めた向井豊昭氏の短編集『街道をゆく』刊行に続いて12月、向井豊昭氏×麻田圭子氏『みづはなけれどふねはしる』が刊行された。両氏による「コラボ小説」だ。刊行システムから何からオルタナティブだ☆

向井さん、カッコイイ☆

文芸誌「牛王」発売中!

2006-12-02 22:42:23 | 雑記
熊野大学の雑誌「牛王」第四号発刊!
~中上健次生誕60年記念号~

豪華寄稿陣
瀬戸内寂聴、宮尾登美子、勝目梓、北方謙三、立松和平、紀和鏡、渡部直己、高澤秀次、いとうせいこう、青山真治、中上紀、辻本雄一、唐澤るみ子

中上健次最期の小説「青い朝顔」
中上健次未発表発言等。


【申し込み方法】
住所・氏名・電話番号あるいはメールアドレス・冊数を明記して、下記の宛先に申し込みください。その際、本の代金として、現金1千円か切手千円分を同封して下さい。(送料無料)

【宛先】
〒649-5313 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町狗子ノ川157-20 熊野JKプロジェクト 宛

『ナチョ・リブレ』

2006-12-02 22:11:36 | パッシヴアタック
新宿高島屋で「ナチョ・リブレ」を観る。「バス男」の監督だったので、独特のボンヤリ感とか、そのラインで期待していたが。コメディとしては勿論とても質が高いと思うのだけれど、監督とジャック・ブラック、それぞれの持ち味がそぐわぬ気が。

映画館へ出かける前、レンタルしてた「アンブレイカブル」を観たのだけれど、これはかなり笑った。笑うだけでなく、悲しかったり、恐ろしかったり、撮り方が頭オカシかったり(最初に俯瞰でコミック本を映すとこ!)。おおかたのシーンで、サミュエルは初めは鏡像で登場させられるのですが、この形式は話の喩になってたりと面白い。つうか、マイノリティー(しかも二重に)を「悪」として描く困難に成功してる気がするのがスゲエわ。観ながら、クドカン脚本の演劇「鈍重」を連想。過剰な健康や頑丈さというのも笑いに。

「ナチョ・リブレ」観た後、HMVでイギリスBBCのコメディ『リーグ・オブ・ジェントルマン』のDVDを。帰宅後、少し観る。オモロい。『the office』のほうが好みですが。『リトル・ブリテン』とかあの辺、かたっぱしからDVD化してほしい。誰にお願いしたらいいか知らないけど、お願いします。続けて、レンタルしてた「STEVE-O」を観るも「ジャッカス」みたいに笑えず。あまりのドライっぷりが逆に恐怖。次いでウディ・アレン『さよなら、さよならハリウッド』。チャーミング、これ最高。頭の固い映画監督なら怒るかあきれるか、そのどちらでもなければ、怒りながらあきれるはず。

Banksy系? 金八系?

2006-11-25 23:02:49 | パッシヴアタック
過日、海老名駅付近でBanksy(英国のグラフィティーアーティスト)を真似た(のだとおもわれる)ステンシルによるグラフィティーを見かけました。ネズミはBanksyがよく扱うモチーフだし、ほかにも檻をやぶるトラなどあって、あこがれ120%

写真は中野で撮影したもの。金八先生あこがれの「ヒト・ト・シテ」という主題歌系のグラフィティー。個人的に、こういうのは好きです。 

今日は渋谷でミシェル・ゴンドリーが監督したドキュメント「ブロック・パーティー」を観ました。アメリカのコメディアンが主催するヒップホップ路上パーティー(シークレットで0円)を追った作品。オマツリも手作りしなきゃ、楽しくないんだというお手本!

古本屋と僕

2006-11-24 12:17:37 | パッシヴアタック
近所の古本屋に。もう寒くて芸術の秋も終わりですが「マックス・エルンスト展」と「ポール・デルボー展」の図録を購入。帰りがけ、店主に呼び止められ、田舎から送られてきたという立派な柿を4つほど頂戴する。色が鮮やかで、ハリがあり立派。まだ若い柿で2、3日後が食べ頃と。感謝。

この近所の古本屋さんではお茶を頂きながら、いろいろ話を聞いたりで、勉強させていただいている。私も茶菓子を差し入れたり。古本屋さんは、私の「教師」の一人です。思えば、後藤明生『蜂アカデミー』『壁の中』、平岡正明『韃靼人ふうのきんたまのにぎりかた』など、なかなか見つからなかった本を買ったのもこの古本屋さんでした。

こことは別に、もうひとつ東京郊外の古本屋さんも、僕の「教師」であり、また「サロン」でもある。ここでは客同士の交流もあり、飲み会、忘年会がある。様々な年代や職種の人が集まる。自分とは違う、さまざまな興味があつまる空間が楽しい。出あったころ、フットサル好きだった高校生はもう働いていたりする。今年もぼちぼち忘年会シーズンですね。

「柿」をネット翻訳したら英語では「Persimmon」で、イタリア語では「Cachi」、フランス語で「Kaki」らしい。「Kaki」って? そのまんまじゃん。ホントかよ?

岸和田だんじり祭

2006-09-19 03:34:26 | パッシヴアタック
「岸和田だんじり祭」を見てきました。三日前の土曜、起きぬけに「岸和田だんじり祭」のニュースを見ました。ちょうどその日、東京の中野では地域の祭がささやかに行われていると同時に、「家賃をタダにしろ」という空前絶後の要求がキュートな、トンデモ一揆が行われていて、それらを中野の駅前などで目撃しました。その瞬間、前から行くか行くまいか迷っていたが、絶対に「岸和田だんじり祭」が見たくなって、駅に駆け込んで新幹線の切符を入手。岸和田に飛んでしまいました。

岸和田だんじり祭の規模と熱量はすさまじく、朝から晩まで地車を「やりまわし」すること二日間。規律と混乱が同居する空間で、普通に歩行したら10分程度の道のりも、地車や見物客の往来に道を占拠されて、30分位くらいかかりまました。同時多発的にあちこちで見どころが移動しながら偏在し、中心などはなく、決して全貌をとらえることはできません。この活気と熱量はただ事ではなく、地域の横のつながりの強固さを垣間見た気がします。

東京の都市圏というのは、隣人の顔も知らないというのが当たり前で、それは「土着的」な横のつながりとしての「文化」を断ち切った末に獲得した「文明」のひとつの姿なのだと思います。

この「文明」は自発性というか自治性の欠如が特徴で、事実、東京の都市圏での「土着的」な、わずかばかりに残る地域の祭のささやかさが、それを証明していると思います。

東京では、横のつながりは断絶、地域の祭も痩せ細るいっぽうで、お祭的な快楽は商業的な娯楽施設などに担われ、個別に与えられています。そんな中でも、阿波踊り祭が高円寺で成功しているのは、高円寺という「場所」に新しい「土着」=「文化」が芽生えている証拠なのではないでしょうか? 東京の大規模な祭の多くは、打ち上げ花火を中心に据えることよって求心力を維持しており、祭は路上から上空に吊り上げられています。(八王子の祭で山車が甲州街道を占拠する例もありますが)

高円寺の阿波踊りのように東京において「まつり」は新たに自前でつくるしかなく、それは、新しい「横のつながり」をつくることであり、新しい「土着」をつくることであり、新しい自前の「文化」をつくることになるのでしょうか。まあ「まつり」にも、「祭」と「政」がありますが、あんがい東京では「祭」=「政」なのかもしれません。まあ、よくわかりませんが。東京で真昼の路上をもっとかき回す「まつり」があってもよいのかなあと。

「調査」や「ドキュメント」

2006-09-09 01:34:09 | パッシヴアタック
近頃「調査」や「ドキュメント」という枠組に興味があって
『世田谷一家殺人事件』(草思社)を読みました。特に感想はないんですが。次は『東電OL』を読んでみたいと思います。そんな興味でいろいろ観たりしています。

先週土曜は下北スズナリで、ペンギンプルペイルパイルズの「道子の調査」を観劇。知的な構築性が魅力です。過去と現在、二つの時間軸の語りが舞台上で同時に提示されるなど舞台芸術にしかできない表現で観客を魅了しまくります。しかし「行方不明者の調査員が行方不明となった事件の調査」=「ノイズをはらんだ二重の調査」という構造そのものが喚起する「笑い」が面白かった。

その帰りに高島屋のHMVでDVDを2本、『スカイフィッシュの捕まえ方~サイエンスジャーニー編~』と『友近 いつもごひいきにしていただいております』を。

『友近 いつもごひいき~』はなんといっても、憑依といってもいいような、確かな表現力に裏打ちされた徹底的な「描写」が魅力です。また人物名の言語的な遊び、タクシー運転手「赤城みどり」→「赤黄緑=信号機」や、ソーセージ販売員「吉山外子」→「吉外=キ○ガイ」など細部も凝っています。疑似ドキュメンタリー「ソーセージ販売員」や「社員食堂のOL」などこの一週間、毎日見ています。面白い。自転車を探す主婦のネタや病院の待合室のネタが収録されていなかったのが残念です。

『スカイフィッシュ』は国内編同様に、笑いを抑えた「笑い」です。今作は前回には見られなかった表現、疑似ドキュメンタリーがいつのまにかベタな映画のパロディーへと横滑りするなど、かなり自由で斬新です! 次はどんな新しい枠組の作品を見せてくれるのかとても楽しみです。

DVD『スカイフィッシュの捕まえ方』

2006-08-20 15:26:43 | パッシヴアタック
DVD『スカイフィッシュの捕まえ方』を見た。これがきわめて面白い。「スカイフィッシュ」なる言葉をご存じない方のためにまず、それについて補足しておきます。

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【スカイフィッシュとは?】
1995年、ビデオ編集マンのホセ・エスカミーラがビデオ映像のコマ送りの中で発見した未確認生物(UMA)。アメリカをはじめ世界中での発見が報告されている。棒状、ヒレのようなものがついていおり、一見水中の生物のような形状。80km~300kmで飛行することから、肉眼で見ることは非常に困難だとされている。ビデオの映像上でしか姿が見られない未確認生物(UMA)。
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スカイフィッシュの正体やその存在については諸説あるらしいが、このDVDにおいて、それは問題でない。未確認生物スカイフィッシュの捕獲法のHow toビデオ形式をとったこの作品。ここで笑ってください!みたいな判りやすい笑いを極力排した演出の忍耐強さというか丁寧さがめちゃカッコイイ。もちろん爆笑の連続なわけですけれども。

関西の深夜番組『発熱!猿人ショー』で、「コギポッタン」という未確認生物をあつかった大変面白いスケッチがあるのですが、この「コギポッタン」はフィクションの未確認生物であり、形としては『水曜スペシャル』のパロディーといった雰囲気。センスあるナンセンスの連続で笑わせてくれます。笑いどころ満載の爆笑スケッチです。

『スカイフィッシュの捕まえ方』を見て「コギポッタン」を思い出し、この二つの笑いの質がぜんぜんちがうなあと思ったわけで。それは優劣の問題でなくて、ただただ、ぜんぜん違うと思った。かたや笑いを抑え、かたや笑いを押し出す形。どっちも面白いんですが色々あるなあと。

『スカイフィッシュの捕まえ方』は誰一人として有名な人がでていない(私が不勉強でしらないだけかも)。無名性だけが可能にする笑いというか。これをもし、名のとおったコメディアンやタレントが演じたら、これほど面白くならなかったんじゃないかな、と。というかこれに出ている役者さんらの演技がリアルで上手いんです。スカイフィッシュという「目に見えないもの」を中心に、マジメに繰り広げられる、工夫、アイデア、道具、言説のおもしろさ、バカバカしさです。

「ヤバイ」がヤバイ

2006-08-12 02:48:01 | パッシヴアタック
おそらく、雑誌の(総文字数÷値段)で割り出される(1円あたりの文字数)は「QJ」が一番高いんじゃ? そんなことをいつも考えさせる「QJ」ですが、来ました!ギャグ漫画家・長尾謙一郎氏の小説(?)の新連載「ヤバイ」がはじまった!

 これは期待大です。初回からヤバーいテンションで飛ばしてます。挿絵も長尾氏が描いてますがこれもヤバイ! 絵つきの小説だから、ある意味ラノべ?(私はラノべの定義が判っていません)

むかし長尾謙一郎氏がヤンマガの別冊「赤BUTA」だったか「エグザクタ」だったかに連載していた「入学金はアメ玉 私立○×学園」がメッポウ面白くて、トンデモない天才が出てきたと思ったから、ページ切り取って全部保存してある。

後に『ビバ!青春』と名を変えて、細部や大人の事情などをクリアして単行本化されていますが、連載時のテンションはハンパじゃないですよ。「私立○×学園」はパッション丸だしの超名作です。その後、「おしゃれ手帖」などをはじめとする、長尾謙一郎氏のギャグ漫画家としてのキャリアはもはや語るまでもないでしょう。そんな長尾謙一郎氏の小説(?)なので、とんでもない名作になるかもしれない!! 要チェキ!

話題変わって、友人の山下陽光さん(古着屋店主「素人の乱2号店」@高円寺あづま通り~黒いメタルTシャツまつり実施中~)から聞いた話ですが、彼の出演したオモシロ映像がユーチューブで2万ヒット達成とのこと。2万ってすごい数字だ。さすがだぜ、山下陽光!

ナサニエル・ホーンブロウワー監督

2006-08-04 00:45:54 | パッシヴアタック
同居人が、スイス生まれのナサニエル・ホーンブロウワー(MCA)監督の映画『撮られっぱなし天国』を観て帰ってきた。話を聞いてたら面白そうでしかたない。パンフレットも買ってきてて、これが面白すぎるスキル満載。スパイク・ジョーンズと監督の対談は必読です。トンデモ指揮者、井上道義氏のコンサートのパンフレットの文章と同じくらいのオモシロいテキスト。映画の話聞いてると、天久聖一氏の漫画に通じる部分もありそうな予感BINBINなので、この週末に絶対に見に行く!!

早い話、ライブ・フィルムなんだが、観客50人にカメラ(おおかたHi-8)をわたして撮影させた映像をナサニエル・ホーンブロウワー監督(あえてこの名前で呼びます)が、ゆるーく編集した映画? まあ映画じゃなくてもいいよ。面白そうだから。