Fool & the Gag

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くりぃむナントカ/ビンカン選手権

2007-10-30 00:16:20 | パッシヴアタック
くりぃむナントカ、ビンカン選手権がまた面白い試みをみせてくれた。以前やった最初の叙述トリックほどの驚きはない(2回目だからしょうがない)ものの「じつは100台のカメラで撮影していた」という面白い結末。ビースティーボーイズのライブフィルムで、オーディエンスにハンディカメラを手渡して、何台ものカメラで一つのライブを撮影したものを編集したのがあったが、それを連想。いやぁトンガってる!

向井豊昭個人誌『Mortos』(2号)

2007-10-29 20:21:23 | パッシヴアタック
向井豊昭氏の個人誌『Mortos』(2号)をお送りいただきました。創刊号をご紹介しようと、こちらがグズグズしているうちに2号目が我が家に届けられました。奥付けの日付を見てみると、創刊号から一月。『Mortos』は月刊誌なのだろうか? この向井氏の筆の勢い。作品も勢いを増し、跳ねています。創刊号同様、小説とエッセイがそれぞれひとつずつに「あとがき」が添えられています。

 小説「パッパッパッパッパッパッ」。類型や亜流の装いを捨て去った果てに獲得したしたのは向井氏独自の「装い」を背負って立つ「パッパッパッパッパッパッ」という祈りにも似た新しい「言葉」。

 エッセイ「日本国憲法第二十一条」。大げさなタイトルとは落差がありユーモア満載。「下品」や「乱れ」を排除しようとするムードとたたかう向井作品のよき理解者である「妻」が選んだ、向井氏のプロフィール写真。それは、正面を向いておらず風で髪の乱れた写真。「パパの小説には、ピッタリの髪でしょう」。この髪の乱れこそ、向井氏独自の「装い」であり、「表現の自由」なのだという力強い表明。

 そして「あとがき」もユーモアに満ちていて、向井氏の豊かなサービス精神に読者は最後まで包まれます。あぁ、なんとグレイトな小説家。また同じこと書きますけど私だけがこそこそ読んでいるのは本当に本当にもったいないです。できうるかぎり、ひろく読まれる機会に恵まれることを祈らずにはおれません。

向井豊昭個人誌『Mortos』(創刊号)

2007-10-29 20:15:59 | パッシヴアタック
向井豊昭氏の個人誌『Mortos』(創刊号)をお送りいただきました。なんと、すべて向井氏の手書きによるコピー誌。内容は小説「熊平軍太郎の舟」と、エッセイ「やあ、向井さん」の二つに「あとがき」が添えられています。「あとがき」よれば『Mortos』は全部で三十部らしく。その一冊を私へお送りいただいたようです。読者に選ばれたことを光栄に思わずにはいられませんでしたが、たまたま向井氏に選ばれた私などが、こそこそ読んでいるだけでは、大変に大変にモッタイナイと思うのです。このモッタイナさをどうすればいいのか? ああ、モッタイナイ。手書きによる文字たちに、表情といいますか、筆圧や筆記の速度を感じ、向井氏の、おそらくはシャープペンシルを持っているのであろう手が白い紙の上で踊るその勢いすら見えてくるようです。

「熊平軍太郎の舟」。「熊」の書き換えられるもとの姿を取り戻す。いとなみをのせた船を川へながし海へかえす。いつもの、愛敬と無骨さのブレンドされた向井節がさえわたっています。キュートとたくましさ。神話にあかるい文芸批評家の方に読んでいただいて、その方面からも感想をうかがってみたい、そんな作品であります。

「やあ、向井さん」は、「平岡篤頼先生」への思いが綴られています。ヌーヴォー・ロマン(と、ひとくくりに語ることはできないものであるけれど)は、まるきりそのままではないにせよ、フォームを変えながら、向井豊昭氏の小説のなかに脈打ち続けているのかもしれません。

お台場、トリオフォー、修悦体

2007-10-22 04:24:20 | パッシヴアタック
トリオフォーのプレゼンツで、修悦体(佐藤修悦氏によるガムテープ文字)のイベントが、なんと、お台場で開かれると聞き、重たい腰をあげてゆく。さいたま市と同じゆとり表記のりんかい線で。で、で、で、ゼップ上の会場まで行ってトリオフォーの面々が喋っているのが目の前にあったのに、入り口にいたオネイさんに「当日はもうありまへん、さっさと帰れこの豚野郎」的なセリフを吐かれ、チェっと言って帰った。オネイさんはアッカンベーしながらカーテンを閉めた。大人なんだから前売り買っておけばよかったな。最悪です。でもイベントは大人気だったようだ。良かった、良かった。それ以外、お台場にすこしも用はなかったので、しっぽを巻いて帰った。

帰りに新宿の本屋で、横田創氏の新作が載ってる「すばる」と、あと「ギンザ」と「グリッター」を買って帰宅。トムヤムクン的なアジアンな麺を食いながら、トリオフォー某氏に薦められた「殺人の追憶」のDVDを観る。グレイト。いっしょにレンタルした「東京ダイナマイト」の新しいDVDも。これもグレイト。

しかし、本当に最近このようについてない(私がバカなだけという話もあるが)。ハードディスクレコーダーがローディングをやめないところをみると、たぶん壊れている。あと、もろもろ機械類の調子が悪い。

そんな中で、ちょっとだけ幸せだったのは、みうらじゅん×いとうせいこう「スライドショー」が観れたこと(笑ったうえに、むかし泊まった「ホワイトハウス」という京都のホテルが出てきた)。近所の古本屋で、後藤明生と残雪の本を数冊購入したこと。フリーペーパーWBリニューアルして、川上未映子氏の対談や、なんといっても福永信氏の連載が始まったこと。あと、極めつけは向井豊昭氏が30部だけ発行している手書き個人誌『モールトス』の読者に選ばれたこと(これすごいのでまた後日、ご紹介したいと思います)。