風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

ここから始まり、ここに帰る

2005年07月05日 | 暮らし
小学生のわたしは漫画家になりたかった。
鉛筆と紙があれば生きていけると思うほどだった。
右のくすりゆびのペンだこ。
夜なべして漫画を描き続けていた。

中学生のわたしは小説を書きはじめた。
絵ではなく、言葉だけで表現するむずかしさにぶち当たった。
あたまのなかは空想世界。
夜なべして世界を作りあげようとした。

高校生のわたしは詩を書いた。
浮き雲のようにこころに浮かんだことを、なにも考えずに表していた。
なんの障害もなく一直線に出てきたことば。
やっぱり夜なべして机に向かっていた。

いつからか、書きたくても無意識に上手く書こうと考えてしまって、つまづいてしまった。
そんなとき、あるきっかけでまっしろな紙を前にして、自然に、こころに感じるものがすんなりと右手を伝わってことばに表れる、あの感覚がよみがえった。
ああ、帰ってきた。
わたしはここからはじまり、ここに帰る。
窓の向こうの、暗くなってゆく空の蒼い静寂を見上げながら、そう思った。

あのきもちを失いたくない。


大人になったわたしは、なにを書こう。

    ―パン職人めざし修業中の末娘記―
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 天上の花… | トップ | “我が家に勝る、家はなし” »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (dream)
2005-07-05 10:50:17
>書きたくても無意識に上手く書こうと考えてしまって

何でもそう・・・自意識が出てくると駄目ね~~~自由奔放になれない・・・・



最近は割に開き直っていると思ってますが、やはり、上手く描こう、上手に書こうと自我蛾出てきます。駄目駄目って叩いています。



キアゲハの若齢幼虫を見つけましたのでアップしました
返信する
ただただ書くのがいいみたい… (ユウ)
2005-07-05 20:26:08
気持ちがいたいほど良く分かる…。母3も娘時代は、詩を書いたり、短歌を詠んだりしてたから…。
返信する

コメントを投稿