愚公、山を移す

Wilsonです。
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これから「正義」の話しをしよう マイケル・サンデル著

2022-03-20 18:10:24 | 日記
これから「正義」の話しをしよう マイケル・サンデル著
第 4 章 雇われ助っ人 - 市場と倫理

第 4 章では、戦場で戦う行為と子供を産む行為という全く別の二つの行為について、
金銭を払い他人にやらせることの倫理を考察している。

戦場で戦う行為に関し、徴兵と傭兵どちらが正しいかの問い掛けがある。日本では、
太平洋戦争敗戦後、軍隊は解散(廃止)以降、徴兵制は存在しない。過去、日本軍に傭
兵の存在があったどうかは知らされていない。当時の台湾兵、朝鮮兵は傭兵ではない。
(台湾人 1945 年徴兵制度施行、朝鮮人 1944 年 9 月徴兵制適用 *ウィキペディア)日
本は敗戦後、戦争を放棄した。日本の国防は、日米同盟(安全保障条約)によりアメリ
カ軍が国内各所(駐屯地)に駐留軍を配置し、自衛隊との共同で防衛体制を敷く。自衛
隊への入隊は日本国籍を有する 18 歳以上 33 歳未満の者が志願し入隊する。(自衛隊員
は国家公務員)。
徴兵と傭兵どちらが正しいか(妥当)の問い掛けは、その時の情勢・環境がその是非
を決めれば良い。アメリカでは、ベトナム戦争を転機に志願兵で構成される軍隊が、徴
兵制からなる軍隊に取って変わった。志願兵に対し、給与(処遇)を厚くし必要な兵士
を募る制度(市場方式)に移行したのである。傭兵制に関しては、中国返還以前の香港
政庁では、グルカ兵(ネパール人)を傭兵として採用した。(グルカ兵は国連平和維持
軍や各種警備兵としても任務を請け負うことで知られる。)傭兵に関しては、国防上(戦
略上)必要不可欠であれば反対する理由はない。
現在、ウクライナは、ロシアの大国(強国)の論理で、武力攻撃(侵略)を受けてい
る。日本の北海道西側・北側・東側は、海峡を挟みロシアと向き合い、九州・沖縄の西
側は海峡を挟み中国と向き合っている。朝鮮半島には、強力な軍隊を持つ韓国、核装備
を持つ北朝鮮が控えている。大国(強国)の論理による侵略は、太古(有史)より繰り
返されており、大国(強国)が隣接している場合、侵略を受けない保証はない。日本も
軍隊を編成する可能性はある。徴兵と傭兵の是非は、情勢・環境の変化に応じて対応す
れば良い。しかし、基本は反戦。しかし最も困難な事。

子供を産む行為についてであるが、医学技術の進歩により以前は考えられなった代
理出産が現実となっている。①~③のケースが直面している。
① 精子を提供し代理出産(卵子と子宮提供)が可能になる。
② 人工受精(精子/卵子)が可能になる。
③ 卵子・精子(或いは受精卵)の凍結保存が可能となりその人工授精も可能になる。
*②③の場合も、代理出産(子宮提供)が可能である。
代理出産の法令化(禁止含)をしても、地域(国家)により見解は異なり統一は難し
い。商業ベースで行われる代理母の倫理的問題(金銭的取引)の議論は、子宮が開発
されても続くのであろう。しかし、法令により規定すべきと考える。