決定版っていうだけあって、わかりやすくでとてもいい本だったと思います。
ドイツが国家戦略として押し進める「インダストリー4.0」、そのスケールの
大きさや狙いがよくわかりました。また、インダストリー4.0の時代には
自分たちの周辺の世の中はどんな風になるのか、そのあたりもイメージできる
ようになります。
端的に言ってしまえば、インダストリー4.0というのは「工場、ものづくりの
現場のデジタル化、スマート化」と言えます。生産ラインの自動化といえば、
多くの日本企業は「ああ、それはもうやってるよ」と言うかもしれないけど、
そういう形のものじゃなくて、「AIによるスマート工場」って感じでしょうか。
工場内の機械が全部インターネットにつながると、遠隔操作ができるようになって、
そういう操作を機械が自ら自動的にできるようになって、そうなると工場で働く
人たちも在宅勤務ができるようになって、少なくとも今よりは無駄な在庫がなく
なって、使うエネルギーも低減させることができそうだ。
個別のオーダーメイド対応とか、アフターサービスは劇的に変わりそうだ。
そういうことをわかりやすく解説してくれる本です。
経営者、ビジネスマンにはぜひ一読をお奨めします。
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インダストリー4.0が提唱されたのは2013年4月。その1年後、2014年
4月には、アメリカの製造業やIT企業によって インダストリアル・インターネット・
コンソーシアムが発足している。
ITを駆使して機械のデータを絶え間なく入手して、ビッグデータを活用した製造業
がこれからの主流。そのための工場での実証実験を繰り返し、共有されていく。
これってアメリカ得意のディファクトスタンダード作りだってことに気づく。
ITを制するというのは、アメリカの国家戦略だったことを思い出す。
ドイツのメルケル首相が来日したのが2015年3月。インダストリアル・インター
ネット・コンソーシアムのリーダー的存在のGEのイメルト会長が来日したのは
2015年7月。どちらからもラブコールを受けていい気分になっている場合じゃ
なくて、どちらと組むにしてもそこで存在感がだせるかどうか。時代は確実に
動いていて、日本自慢の製造業も変わらなければいけないときが確実にきていると
感じました。
最後に、「オープンなプラットフォーム」という甘い言葉に気をつけないと。
一参加者では、価格競争にさらされて、大きな利益を得るのは、そのプラットフォーム
をもつ側であることを忘れてはいけない。ってことを気づかされました。
ニッチな業界だったとしても、自分たちの分相応でもいいから、プラットフォームを
もつ側にまわらないといけない、そのためのチャレンジをするべきだと。
これからも、実践していきます。
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IoT関連の本は山ほどあります。
どれか一番おススメはありますか?
IoTの本は、ぼくもそれほど読んでいるわけではなくて。
「IoTまるわかり」(日経文庫)はわかりやすかったような気がします。
エンジニアの人たちにはものたりないかもしれませんが。
IoTの本ではありませんが、今回の「インダストリー4.0」は
よかったですよ。28ページから30ページまでの短い間ですが、
「IoT時代が来ればヒトの指示は必ずしも必要ではなくなる」
「スマート工場で起こること」
という短い単元があってすっごくわかりやすいです。
すいません、あまりお役にたてなくて。。