自由というものは施政者、権力者にとっては、非常に扱いにくいもののように思えます。アメリカにとって建国の精神を疑わせる時代が幾つもあっました(当然なことですが、わが国にもありました)。ある意味では風土的条件からは、この国では考えられぬ災難がアメリカで起こりました。開拓によって発生した砂嵐のため耕作不能となり、農民が困惑し、流民となって職を求めて流離う話、即ち映画「怒りの葡萄」がそれです。
映画の原作は、スタインベックの小説です。この映画は数々受賞した名画ですが、先日図書館から始めて拝借しました。ところが、「怒りの葡萄」には、当時非難が多く、図書館から除去するところが続出しました。こうした事態に対して、図書館の読者の知的自由を守る決意として、「図書館の権利宣言」が生まれ、一九四八年アメリカ図書館協会が採択されました。知的自由、現在この自由の概念が狭められつつあるような氣がします。図書館が営利に堕した地域例も多くあります。いつ何時砂嵐が吹き荒れるか知れません