今どきは知りませんが、一筆啓上は必要な用件だけを最も手短に述べた手紙の例として、「一筆啓上火の用心・・・」を聞かされました。小学生のころの話ですから、手紙などの需要はありません。身が入って聴いてはいませんでしたが、覚えています。だだその頃には、戦地の兵隊さんへの慰問袋や慰問文などのための需要が沢山有りました。
ところで長谷川伸先生の「私眼抄 」に、短き手紙の例として三つばかりが挙げられいます。
長崎より帰帆の唐人船に病人出す、早船にて長崎に医を求む、その依頼状はただの四ツの文字のみなり。
急病請医
箱根権現の什宝中に左記の如きあり。
昨夜隣火忽消火安穏珍重候 時宗
時宗は北条時宗なり。そを曽我五郎時致にコジツケ、同寺因縁の什宝と先人がせしなりとか。
山岡鉄太郎の手紙に、清水次郎長にあてしものあり。
さくやありがたし、このしなあげる やまをか