§1 まず図1左見てください。ギターのフレットのような等比的な並び方、見慣れていますね
で、右のようにフレット作ったら周りからどういわれるでしょうか?(注:0.7のところおよびドレファ上ラは除いています。)
「あなた音楽の基礎知らないね!」と言われかねません。でも純正律の並びはこうなのです(ドレファラは後で追加します)
(調と内弦外弦で違ってきますので、まずはD調外弦&G調内弦です)
実はこういう0.1ごとの並びは開放弦ソに対してハモるのです
その理屈は図2~4を見ていただければわかるでしょう。いくつも発生する倍音はキリのいい振動に収束できるでしょう
もしキリの悪い平均律の並びだったら、振動は1つだけしか十分に鳴ることは許されず、倍音は図3のように指にビビリがくるか、図4のように駒のところで不正な振動をすることになるでしょう
§2 純正律の解説本を見たら、周波数比は単純な分数になることが示されています
ここでは小方厚の「音律と音階の科学」(講談社)p63からソを基音とした周波数比を取り出しました(普通はドを基音としたものしかありません)(表1)
D調外弦&G調内弦で考えるとしたらソが一番下になりますので下をカットし、第3フレットまでの周波数比を付けたしました(表2)
でも我々は弦楽器奏者ですから周波数がうんぬんよりも指押さえ位置がどうなっている方が興味の的になります。指押さえ位置すなわち振動弦の長さは周波数の逆数に比例しますから表3中段のようになり、小数に直すと下段のようになります(表3)
0.900 0.800 0.600 0.500 0.400 はちゃんと純正律での比率になります
§3 図1で抜けている音について追加します
ドとレと上のラについては
それぞれ0.750、0.667、0.450で協和しやすい音が出ます つまり3/4、2/3、それから0.5と0.4の中間です。わかりやすい数字ですね(図5中)
唯一ややこしい数字になるのがファ、0.5625 一つぐらいは仕方ないですね(図5右)
このことを知っておればフレット代わりにマニキュアをスポットするのも簡単であるように見えます
ただし、D調内弦、G調外弦は同じようにはいかないのです。次回をお楽しみに
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