
GRAN TORINO
俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。
少年は知らなかった、人生の始め方を。
上映時間 117分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2009/04/25
ジャンル ドラマ
【解説】
「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」の巨匠
クリント・イーストウッド監督が自ら主演して世の中に怒れる
ガンコ老人を演じた感動の人間ドラマ。
急速に様変わりしていく世間を嘆き、孤独に生きる人種差別主義者の
偏屈老人が、ひょんなことから隣人のアジア系移民家族と思いがけず
交流を深めていくさまをユーモアを織り交ぜつつ綴る。
【ストーリー】
長年一筋で勤め上げたフォードの工場を引退し、妻にも先立たれた
孤独な老人ウォルト・コワルスキー。自宅を常にきれいに手入れしながら、
M-1ライフルと72年製フォード車グラン・トリノを心の友に静かで退屈な
余生を送っていた。
しかし彼の暮らす住宅街に、もはや昔馴染みは一人もおらず、
朝鮮戦争帰還兵のコワルスキーが嫌ってやまないアジア人をはじめ
移民の外国人ばかりが我が物顔でねり歩く光景に苦虫をかみつぶす
毎日だった。
そんなある日、彼が大切にする庭で、隣に住むモン族の気弱な少年タオが
不良少年グループに絡まれていた。彼らを追い払おうとライフルを手にした
コワルスキーだったが、結果的にタオを助けることに。
タオの母親と姉がこれに感謝し、以来何かとお節介を焼き始める。
最初は迷惑がるものの、次第に父親のいないタオのことを気に掛けるようになる
コワルスキーだったが…。
【感想】
<>スキ
この作品、今月、1番観たかった映画です!
実は、何度か試写会に誘われましたが、九段会館は絶対に行かない!と
決めてまして(笑)、また、いい作品ほど、この会館では観たくない!と
思って、公開まで、じっと我慢の子でした(笑)
まず、始めに謝ります(笑)クリントイーストウッドのこと
いつもいつも苦手と言ってごめんなさい(^^ゞ
若い頃のイメージから、なぜか苦手な俳優さんで、最近は
監督としてすごい人だなあと見直し?していたのですが、
今作で、監督としても、俳優としても素晴らしいと認めざるを
得ませんでした。
ハートマークを見て頂ければわかると思いますが、
今年初の満点ハートです!
これだけ期待しながら、予想以上の内容、ラストを見せてくれたと
言うことで満点ですなぜ、この作品がアカデミー賞にノミネート
されなかったの?と思うほど私は好きですねえ
以下ネタバレです
<タオとの出会いがウォルトの <新米の神父さんもいい人でした>
運命を変えて行く・・・>
ストーリーは、簡単に言えば、最愛の妻を亡くした、息子家族たちとの
関係が上手くいっていない、偏狭で頑固なジジイでアジア系の移民を
嫌っていたウォルトと、隣に越してきたモン族(ベトナム移民)との
交流が描かれていて、展開はベタです(笑)イーストウッドしか有名な
俳優さんは出ていませんし、場所も彼の家とその近く中心に描かれ、
そう言う意味では、こじんまりとした作品で派手さはありません。
<自分の家の芝生に入ってきたからとチンピラを追い払ったことが、
結果タオを助けることになり、タオの家族から感謝されることになり・・・>
ですが、そのこじんまりとした作品の中に、クスッと笑えるユーモア
のある作品の中に、人種、民族、移民、家族、宗教、銃、暴力など
昨今アメリカが抱える問題をさりげなく含ませる奥深い作りは、さすがでした。
ミステックリバーやミリオンダラーベイビーなど重い作品が多いので、
予告編から、今回もそんな感じかなと思っていたのですが、
途中まではコメディ???と思うほどクスッとかニヤと笑ってました
<スーに招かれて隣家に行くウォルト <不良たちにからまれているところ
はじめは戸惑いますが・・・> をウォルトに助けられたスー>
ウォルトと隣家のおばあちゃんとの対立?関係(笑)
お互いに、いやな奴だと思いながら、テラスに腰かけているシーンが
なんか可笑しいし(お互いに嫌いなら、同じ時間にテラスに出なきゃいいのに~~笑)
憎まれ口をたたくウォルトと同じく口の悪い(笑)床屋のおやじのと会話、仲良くなったスーやタオとの会話、招かれたタオの家でのシーン等々可笑しかったです。
そうそう、やっと懺悔をする気になったウォルトの懺悔の3つの内容に、そして
「それだけ?」と聞いた神父のシーンも笑えました(笑)
<テラスでひとりと1匹で缶ビールを <タオに大人の挨拶を教えるべく
飲むのが日課?笑> 友人の床屋さんにタオを連れて行きます>
この映画は脚本も素晴らしいと思いますが、それ以上に素晴らしいと
思えるのがイーストウッドの演技です!
終始苦虫を噛み潰したような表情で、怒りがこみ上げると
「ガルル~~」と唸り?、目が血走るところは土佐犬思い出し
ちゃいました(笑)
テラスで、ひとり、缶ビールを飲み干すところでは、孤独感を
自分の芝生に入ってきたからとライフルを構えてチンピラたちを
追い払う姿には迫力を、さらに、タオに手を出すなと不良少年に
警告するところには、凄みを、友人に憎まれ口を叩くところには
温かさを、老犬デイジーをかわいがるところではやさしさを
さらに、燐家に招待されて、食べ物を食べている時にはかわいさを
といろいろな顔を見せてくれました
<80歳に近いとは思えないスーツ姿 <銃の構えかたもさすがサマに
カッコイイです> なってます>
中でも、カッコよかったのは、やはり、このシーン
1970年生まれですから、今年の5月で79歳!
<同じ5月生まれでなんか嬉しい>
79歳で、こんなにカッコイイおじいちゃんはいない!
ってこの映画を観てつくづく思いました!
<従兄弟のチンピラたちにからまれるタオ>
割と笑顔で観れた前半でしたが、後半は、ガラリと変わり、
重苦しくなりますチンピラたちの仕返しは、ウォルトにではなく、
タオ家族にされました。予告編にあった銃撃のシーンは、
ウォルトがねらわれたのだとばかり思っていたので、
このシーンに、ちょっとビックリでした
ラスト、ウォルトはどう決着をつけるのか・・・チンピラたちのところに、彼は
ひとりで赴きます。ウォルトとチンピラたちの間に不穏な空気が流れ
ドキドキ、ハラハラ、息がつまります
そして、彼がとった行動は・・・驚きと衝撃の結末でした・・・
涙があふれて、あふれて
、今書いていても、思い出すと、
涙が出てきます
暴力には暴力を、銃には銃をと言う構図は、その連鎖を生みだします。
ウォルトは、それがわかっていたからこそ、あのような行動を
とったのだと思います。また、本当の家族、息子とはキチンとした
親子関係は作れなかったから、スーやタオとの関係に、
親子の、家族の擬似関係を見出し、彼らをなんとか守りかたかった
のかもしれません。また、病魔に侵されて死んで行くよりは、
自分で人生の幕をきちんと下ろしたかったのかもしれません。
ウォルトの遺言により、グラントリノを譲り受けたタオ、
彼の笑顔は、車を貰った嬉しさよりも、トロ(トロイから(^^ゞ)
と呼び1人前扱いしてくれなかった自分を、親友のタオへと書いてあって、
1人前と認めてくれたことに対する喜びだったのではないでしょうか・・・
イーストウッド監督って、青空のようなハッピーエンド(笑)って絶対に
作ってくれないなあと思いました(笑)
納得するラストなんだけど、いつも切なさとか悲しさとかを残す、感じさせる
ラストなんですよね
タイトルのグラントリノってなんだろう?って思っていたのですが、
それは、映画を観始めたらすぐにわかりました。
ウォルトが定年まで働き続けた自動車工場のフォードで、
自分がステアリング・コラムをとりつけた自慢の1972年の
ヴィンテージカーのことだったんですね(^_^;)
車が大好きな人なら、すぐわかることなんでしょうが・・・
これは、多くのかたに観ていただきたい作品です
4月15日(土)から公開
<パンフレット¥800クリックで公式サイトへ>
<ちょっと高めですが、イーストウッドの78年の足跡を
振り返った記事もあって、イーストウッドファンなら
購入をお薦めします>
人が、人生においてそれまで目を向けてこなかったことについて
考えさせられ、社会に貢献して行く。
わたしはそんなストーリーが好きなんだ。
ーークリントイーストウッド
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