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「京都南座吉例顔見世興行 女殺油地獄」を観る

2023年04月03日 | 歌舞伎

テレビで放映されていた令和4年12月の京都南座吉例顔見世興行、近松門左衛門作「女殺油地獄」(おんなごろしあぶらのじごく)を観た。実はこの顔見世興行、私も観に行ったが観たのは別の演目だった。

この作品は人形浄瑠璃で初演され、歌舞伎でも上演されたが評判が良くなかった、明治42年に再演され大絶賛された、江戸時代享保年間、大阪中を震え上がらせた殺人事件がベースになっているが詳細はわかっていないそうだ。

主人公の与兵衛は片岡仁左衛門の当たり役で平成21年、仁左衛門が65才の時、一世一代の舞台を務めるとあとは多くの役者が挑戦している役で、今回は愛之助が演ずる。

簡単なストーリーは、大阪天満の油屋のバカ息子河内屋与兵衛が放蕩をしつくし、親をも足蹴にする有り様となる、遊び金の借金の取り立てに追われ、同業の油屋豊嶋屋の女房お吉に金を無心して断られると、ついに金ほしさにお吉を殺してしまう、というもの。

複雑な家庭環境、放蕩息子とその息子に対する親の情愛、息子の狂気などを描く人情もの。最後のお吉の殺害場面での修羅場が一番の見所。油まみれになりながら逃げまわるお吉に襲いかかる与平衛、舞台の上にも油に見立てた液体がビシャビシャと飛び散る様は迫力がある。

愛之助は与平衛を良く演じていたと思う。仁左衛門の与平衛も観たことがあるが、私の考えは普段の学者然としたイメージの仁左衛門にはこのような放蕩息子の役は似合わないというものだが、愛之助はインテリのイメージはなく、どこが愛嬌のあるところもあるので、このような役はぴったりはまると思った。

配役は

母)おさわ   中村
義父)河内屋徳兵衛 嵐橘三郎(番頭上がり)
河内屋与兵衛  愛之助
兄太兵衛    中村
妹おかち    千之助
山本森右衛門(おさわの兄)  松之助
芸者小菊    壱太郎


豊嶋屋七左衛門 片岡進之介
お吉      孝太郎

小栗八弥    鷹之資
口入小兵衛   市村橘太郎



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