美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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すべての人に必要なアート

2019年10月06日 12時18分11秒 | 日記
アートに正解はありません。芸術家たちは、いつの時代も未知の領域への挑戦を続けてきました。必要とされるアートが、社会変動と共に変貌し続けています。
石器時代に人類が生まれてから狩猟社会がはじまり、獲物を追いながら住処も変わり、そのサバイバルを生き抜くために道具や知恵を創造してきました。狩りを成功させるための祈りや儀式、学びも行われ、そのために絵が描かれたり彫像をつくったりする芸術家が現れたのです。
新石器時代に農耕社会が生まれ「定住」がはじまります。人類は農耕に最適な場所を開拓し、農業と牧畜をするようになってから「土地」へ執着するようになります。それが部族同士の争いの発端といえるでしょう。部族を豊かにするために領地の拡大を図ります。部族が一致結して目的を達成するために長が選ばれ、いずれ地域ごとの王が生まれて、巨大な帝国や文明が現れました。大衆を統制するために宗教や法律が必要となり、中世時代に宗教芸術が生まれたのです。
 19世紀ヨーロッパで産業革命により工業社会が生まれ、田舎から都会に人がなだれ込みました。人の日常や仕事は機械や時間、規則に管理されていき、生活環境が過酷になった民衆は「人権」を求め始めたのです。この時代のヨーロッパでは伝統を継承する新古典主義ではなく、民衆の自我や個性の自由な表現、人間らしい生き方をテーマとしたロマン主義の芸術家たちが、庶民から指示されました。
 大不況の時代、写真技術の発展もあり肖像画や風景画の依頼が減り、画家たちは失業していきます。クライアントを失った若き画家たちは自分の描きたい絵を追求し始めます。印象派の画家たちによって、絵を描くモチベーションの幅が一気に広がっていき、西洋美術が画期的な進化を遂げています。このように「狩猟」「農耕」「工業」と社会が変換していき、アートとサイエンスの発展と共に「情報」が人の生活を左右する現代の「情報社会」に向かったのです。
現代もまたAIの発展で人の仕事が奪われると懸念されていますが、アートを学んで創造性を身につければ芸術家のようにサイエンスの発展に刺激されることで新しい価値観を発見し、人の可能性が拡がっていくと考えられます。これから先の未来もアートとサイエンスが人の成長を推進していくことでしょう。








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