美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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文化

2016年10月24日 20時10分24秒 | 日記
日本人は、不快を快に転じることのできる文化を持っている。 西洋の画家たちを驚かせた浮世絵師 広重の雨の表現。 当時、線で雨を視覚化する発想はなかった。今、当たり前のものとしてみている、感じていることは先人が気づかせてくれた。

雨も風情に変える日本人。西洋の画家を驚かせた浮世絵師 広重の雨の表現。当時、線で雨を視覚化する発想はなかった。日本では当たり前の不快を快に変えてしまう情緒文化は先人が気づかせてくれた。気がついていない画期的、革命的なことがまだある。

世界で初めて、降る雨を線で描いて可視化した広重。
世の中に動画というものがない時代に動画的な視点で描いていた絵描きがいた。
宗達、広重、北斎、若冲…
日本の絵師たちは、瞬間を捉えるのではなく時間の流れを捉える映像を描いていた。

西洋は「絵で埋める」
細部まで描きこまれていたり肖像画であっても背景が描かれたりしている。
「西洋人は余白があることを恐れる」
日本は「描かない」
描くべきものだけを描きあとは余白にする。
「日本人は満たされていることに恐れを抱く」

文化に触れることは簡単。
競争で勝ち抜くことが文化ではない。
特別な優遇もなく、お金を使わなくても
らしいこと、好きなこと、楽しいこと、大切と思えることで
日々、暮らしていけることが、どれだけ幸せなことかを
気づくために文化がある。

西洋における自然観は、人間と対置した自然であり、主観、客観が区別されたまなざしがある。
東洋においては自然と自己の境界は曖昧なので、人間だけではなく、山や海、空や雲、名もなき雑草、雑木、めだかやトンボでも本気で向き合って描いている。

芸術の本質は、人に開放感をあたえること。思い込みによる閉塞感が人を不安や不幸にしていく。だから清流のように新鮮な情報を伝え続ける絵や音楽、違う言語の文化交流が人には必要。

"勝”が絶対の欧米や大陸文化に対して、
日本の様な島国は”負”もまた良しといった思いが根底にある。
相手を支配することではなく自分を磨き、真っ当に生きていくことが人生の目的。

岡倉天心は渡米先にて、
羽織袴姿で闊歩する日本人留学生らに「お前たちは中国人か日本人か?」と
からかってきたアメリカ人に対して
「お前たちはモンキーなのかヤンキーなのか?」とやり返した。
岡倉天心は、西洋文化を受け入れながらも西洋に引けを取らない姿勢で日本の近代美術を支えた。

老いも死も嫌いも辛いも必要なものとして受け止める。
これからさらに日本文化とその源流の”潔さ”の魅力が
世界で見直され注目されていく。

身近な存在をスターにしていく。
日本文化が伝承する発想。
評判の町娘の名前を出した肖像画を世に出すなどして、
役人ににらまれながらも絵を庶民の文化にしてくれた歌麿。

暑い、が そんな夏がいい。
熱帯夜で汗をかいた方が、翌朝にスッキリしている。
不快に感じてしまうことが、実は自分を守ってくれている。
そんな不快を風情にして、快に転じる価値転換文化を
日本人は、長い時間と手間をかけてつくってきた。

日本の茶室も西洋の教会も
目的実現のためのシステム開発として捉えると共通点がある。
教会や寺で天を見上げさせるためのステンドグラスや天井画のように
現実感や説得力をもたせるため、
遠近法などの(錯視)技法が研究されたとも考えられる。

形而上絵画と枯山水の石庭
世界中のアートコレクターが欲しがる形而上絵画の画家モランディが描いた静物画と
枯山水の石庭には、モノの捉え方やみせ方に共通点がある。
描いている対象だけがみえるのではなく、みる側の捉え方で
様々なもののイメージと繋がって、想像が展開し無限に広がっていく。

使い分け。西洋の論理的思考文化は人を成長させるがストレスも生じる。日本の情緒思考文化は人の心を癒し、気持ちが安定してくる。西洋文化はワクワク高揚し元気が出るが脳も興奮するので、脳を休息させたいときには日本の伝統的な情緒文化に触れる。

厳しい状況でも日常や将来に文化的なビジョンをもつ生活は、
心が満たされる。
音楽を聞いたり奏でたり、絵を観たり描いたり、詩を読み解いたり楽しんだりする時間やお金を無駄と思う方がいるが、
人は文化的ことから本当に満足するもの、望んでいることを手に入れている。

世の中に動画というものがない時代に動画的な視点で描いていた絵描きがいた。
宗達、光琳、広重、北斎、…そして若中。
日本の絵師は瞬間を捉えるのではなく時間の流れを捉える”映像”を描いていた。

普通の人に焦点を当てた。
評判の町娘の名前を出した肖像画を世に出すなどして
役人ににらまれながらも
絵で庶民を元気にするために貢献し続けた歌麿。
歌麿の身近な存在、日常の当たり前を見直す発想が
日本文化として現代に引き継がれている。

自然界の4つの力【重力、電磁力、弱い力、強い力】。
日本の寺社の庭園などの円や曲線は人間の心の中の宇宙を表現している「一円相」「円相図」と呼ばれている 。
西洋で生まれたアールヌーボーなどは、この「一円相」の思想に影響されている。

歌舞伎もオペラも伝統文化を五感を使って伝承していくシステムの一つ。中世西洋の教会も布教のためのシステムとして捉えると天を見上げさせるための天井画やステンドグラスのように五感を使って教えを認識させるための伝達技術を駆使した建造物。

いさぎいい絵
日本の絵は、漫画・日本アニメのルーツ
シンプルなイラストは明快で分かりやすい。
簡単に描くということではなく無駄な線を省いている。
的確に情報を伝えられる線をみつけ最小限の必要な線だけで
印象や特徴を明快に描いてる。

トルコの方たちが日本人を好きでいてくれるのは、
理想としている教えを自分の国より実践しているのが、遠く離れた国の日本人だからだそうだ。
西洋と東洋と分けられるが、通常トルコを境に西と東で分けるのが一般的と思われる。

西洋は脳を刺激し成長させていく論理思考文化を追及した。
ルネサンス以降は特に写実が栄え、現実をいかに正確に写し伝えるかが研究された。
日本では脳を休める情緒思考文化が栄えた。江戸期に見られるような日常の風情に感動して癒される浮世絵。

二足歩行をする耳の先の黒いウサギとかえる。1000年前の絵巻物につながる日本アニメキャラは独自に発展した文化。
【鳥獣人物戯画】無名の僧侶たちが800年間、庶民の生活を描いた。

不快な雨も風情にし、快に変える日本人。脳を休める情緒思考文化を代表する浮世絵師 広重の雨の表現。当時、線で雨を視覚化する発想はなかった西洋を驚かせた。今、当たり前のものとしてみている、気がついていない画期的、革命的なことがまだある。

日常的な文化。
イギリスでは、招待客をスマートに中へ招待するためにドアが内側に開く。
日本では、心理的な区別をするから外側もしくは横にスライドする。親しい人は靴を脱いで家に上がるのは、玄関先はまだ外と同じ扱いにしているため。

自分で考える。
お茶を飲み比べて楽しんでいただけの文化を「身分を超えて、おいしいお茶を飲んでもらいたい。」そのためにどうしたらいいのかを考えた千利休は、茶道を創り、必然的に茶室まで造営した。誰かの強い思いからイノベーションが起こる。

日本では、自然の一部として一体感を感じることで情緒に感動し癒され、心で理解する情緒思考文化が栄えた。

西洋は『人が自然までも支配する』、現実を科学的な目で捉えて研究し解明してきた論理的思考文化の歴史。
日本は『自然の一部として共生する』、人として生き物として最善のかたち、考え方を模索してきた情緒的思考文化の歴史。

日本文化のルーツは縄文時代
自然からの恵みである森や川を共有し共存していた縄文人を日本人のルーツとして捉えた岡本太郎は、大阪万博で太陽の塔をデザインした。渡来人が森を切り崩し田畑にして稲作が始まった弥生時代から大きな争いが始まった。

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