ようちゃん@ちばらき

ちばらきは千葉県と茨城県の県境地域。利根川と地平線の向こうに見える筑波山が郷愁を誘う今日この頃。

本当は・・・

2006年12月11日 | てれんこてれんこ
だいぶ前の話になりますが、ラジオから聴こえ
てきたある留学生の話です。

今年、信州大学を卒業した学生の中にインドネ
シア出身のある留学生が居たそうです。
彼はインドネシアの奥地にある村の出身で、
兄弟がたくさんいる家庭で生まれたため
とても貧しかったそうです。

兄弟の中でもとても頭の良かった彼は勉強を
することが好きで、父親の勧めもあって日本に留学
をすることになったそうです。

兄弟がみんな働いているのに自分だけ勉強をする
なんてと躊躇われた気持ちもあったそうですが、
家族全員で応援してくれたため日本に来る事を
決心したそうです。

しかし、家は貧しく留学資金が足りないため、
父親が大切に飼っていた牛を売ってお金を作って
くれたそうです。
牛は日本の商社に売られてゆきました。
父親は1つ条件として、「日本に行ったら、飼っていた
牛がどこにいるのか調べて欲しい」とお願いをしました。

留学生は父親との約束を果たすため、
日本にいる間に牛がどこへ売られて行ったのか必死
になって調べたそうです。
そして牛がどうなったか分かりました。
牛はペットの餌に変わっていたそうです。

家族みんなで大切に飼っていた牛が、
自分の日本への留学資金のために売られていった牛が、
日本でペットの餌になってしまったなんてとても
父親には話せないと言っていました。
国に帰ってもこのことは絶対に口にしないことに
したそうです。

もちろん、労働に晒された牛は筋肉が硬くなって
しまうので人の口に入ることはないしょう。

幸せや豊かさの”ものさし”って人によって違うけれど、
この話を思い出すと日本にいると気づかなかった世界との
大きなギャップを感じます。
それと同時にあたり前にあるもの、あたり前にしている
ことに感謝しなければいけないのだと感じます。