Wind Letter

移りゆく季節の花の姿を
私の思いを
言葉でつづりお届けします。
そっとあなたの心に添えてください。

詩と随筆《Wind Letter≫ 「やさしい雨」

2016-07-31 22:01:52 | ~詩でつづる私の七二候~
~シリーズ~
(詩でつづる私の72候 夏至 半夏生ず)

  やさしい雨
 
   高安ミツ子             
              


 ドッテーポッポー ドッテーポッポー

物干し竿で

キジバトがさえずっているではないか

心をとりこにする鳴き声は

空をグーンと高くして

日々の歩みを止めていく


さえずりは懐かしさを連れて

私の人生をまさぐっていく

花を剪定(せんてい)するように

記憶の枝葉を切っていくと

私が立ち寄った幾つもの人生の駅が蘇ってくる


鳴き声をそっとまねてみると

キジバトは私を遊ばせて

涼やかに

年月のアルバムをめくっていく


若やいだ色合いの駅で出会った

あなたとの歩みも

最後に下車する駅名が見えているが

二人ともだまったまま

今日の峠に腰かけている


見上げると空には筋雲が青い静けさを広がっている

キジバトは裏山の方へ飛び去ったけれど

さえずりの余韻は

ノウゼンカズラの花びらをもゆらし

過ぎてきた時間にやさしい雨を降らそうとしている


二人のための風が吹いている

今日咲いたばかりのゆりの花が

風化していく時間にうつらうつらとうなずいている



 


★★★★★★★ Mitsuko's Room ★★★★★★★

今年は日除けにきゅうりとゴウヤをプランタに植えた。
7月現在までなんときゅうりが40本の収穫となった。
一度に40本とったわけではなく
1日に1本とか2本で、多くて4本の世界であるが合計
するとその多さに驚いている。
夫は生物の教師だった習性からか、表を作り収穫数を
記入し、収穫を確認している。
私は採りたてのきゅうりの表面についている
イガイガを指で触ってその新鮮さを楽しんでいる。
今は季節を問わずきゅうりはあるが、やはり夏の
匂いがするきゅうりは格別である。生味噌をつけ
て食べたり、ぬか漬けにしたりと楽しんでいる。
どうも、きゅうりは平安時代からあったようで、
その歴史の深さは日本人の食の中に深く浸透して
いるようである。
いつだったか、平将門の家紋がきゅうりを輪切り
にした状態に似ているから、きゅうりを食べない
地域があるときいたことがある。このように伝説
にまできゅうりが登場するのだから新しい野菜は
きゅうりの歴史の奥深さにはかなわないだろうと
思えた。しかし、本当はきゅうりを褒めることで
自分の栽培した収穫のうれしさを再確認している
ようである。
白いむくげが咲き蝉が鳴きだし真夏が
近付いているようです。
              (2016.7.27)
コメント
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