Wind Letter

移りゆく季節の花の姿を
私の思いを
言葉でつづりお届けします。
そっとあなたの心に添えてください。

~私の72候~  赤い椿

2018-01-19 22:14:24 | ~詩でつづる私の七二候~
          






椿が咲き

メジロが蜜をついばんでいます

行き交う子供たちの声が

小正月を知らせています


夜になると

竹に餅をさした子供たちは

どんど焼きに今年の健康祈ります


子供たちの歓声と炎は

暗闇から飛び出しています

赤い炎は

心の花を照らすように

餅をこがしてゆきます


松飾りは煙となって

年神様と天にのぼっていきました


昔よりも小さくなったどんど焼き

けれど炎は今年も途切れることなく

あのころのまま

祈る気持ちを約束していくのです


澄んだ風音が聞こえてきます

ふと遠い母の姿が思い出されます

伝えきれなかった私の思いは

どんど焼きの匂いに混じって蘇ります


忘れ物を集めたように

暗闇の中に

赤い椿が見えたのは

逝った母とおない年になった私に

今年を生きよという母の声なのでしょうか
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