Wind Letter

移りゆく季節の花の姿を
私の思いを
言葉でつづりお届けします。
そっとあなたの心に添えてください。

秋が揺れはじめて

2024-09-28 16:45:56 | 詩作品

                                                       高安ミツ子


     

 

     夏の終わりの夕顔は

     探す秋風に首をゆすって

     ひたむきに咲きだしました

     宵闇に開花した純白の夕顔は

     天に昇っていくようにも見え

     天から降りてきたようにも思えます

 

     ほのかな香りは

     二人で歩いた半世紀を絡め

     過ぎてきたいくつもの曲がり角や

     くぐりぬけた思い出を連れてきて

     二人に振りかけていくのです

 

     青葉のように若やいでいたあのころ

     はたまた暗い道すがら二人で木漏れ日の向こうへと

     ひたすら歩んだあの時間は

     この美しさに出会うための歩みだったのだろうか

 

     ゆらゆらと一夜で散ってしまう夕顔のように

     いつかは消えていく命だけれど

     今宵の夕顔は生命の終わりをせき止めて

     私の心を酔わせています

 

     揺れ始めた秋の風は

     人生の道すがらを涼やかに示しています

     すだく虫の音に

     やがて来る二人の終わりを背後に感じながらも

     遠い一筋の道のりを互いに黙って飲み込んでゆきました

 

     ふと夕顔と今日の名月を

     宵闇のサーカスブランコに乗せて

     大きく 大きくゆらしてみたくなりました

     過去からの風を集めて 今日の思いを込めて揺すります

     ゆらーん  ゆららーん  ゆらららーん

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私の四季 「夕闇に咲く夕顔」

2024-09-27 10:33:49 | 花物語

 

          高安ミツ子


涼しい風が吹き始めましたので夕顔がたくさん咲くようになりました。

この季節を待っている私にとって我が家の庭はは夕顔祭りとなります。

毎日40個くらい咲きます。それらの花を眺めてはえも言えない感動を

夫に押し売りしています。心が浮きだちます。一日花ですので翌朝には

しおれてしまいますが、純白でほのかな香りがありその美しさは見事です。

毎年種を採って5月に種を蒔きこの季節の開花を心待ちにしています。

どうぞご覧ください。

 

 

 

 

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「私の四季」花と詩

2024-09-09 15:39:52 | 花物語

                                

猛暑と台風に見舞われた今年の夏も9月に入りました。

我が家の夕顔が少しずつ咲きだしました。

これからゆっくりと秋への時間を咲き続けます。

詩と夕顔の花をご覧ください。

 

                                高安ミツ子           


 

      はかなげな気配で

      夕闇から翌朝まで

      短い命を咲く夕顔

 

      純白の花は夏の夜を

      つぶやきのように一輪 二輪と

      極みのたたずまいで咲いている

      かぐわしい香りは風に運ばれ

     今宵の物語は満月に照らされていく

 

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