文具館コバヤシ ブログ

文房具やの独り言。こだわりの文具、万年筆のご紹介や、イベントのご案内。

万年筆の修理屋さん

2006-11-17 | 万年筆

立冬が過ぎて、だんだんさむくなってきました。
そこで、ちょっと心暖まるお話をひとつ…
あるデパートの筆記具売り場に、小児麻痺を
患った中学生ぐらいの年のお子さんと
親御さんの3人連れの方が来店しました。
当日はそこで万年筆の状態を診断して調整する
イベント中だったのですが、その方たちは
ペンドクターに対して、あるお願いをしました。
それは、この子が上手に字が書けるペンを
探してほしいというものでした。
ペンドクターは、その子に字を書いてもらいました
が手の震えがあり、どうにか判別できるぐらいの
字でした。いろいろな筆記具を試しましたが
うまくいきません。ペンドクターは考えました。
いままでも、ここに来る前も、できるだけ軽いもの
をということで探してきたけれど、
重いものだったらどうだろうと。
そこで、重たくて有名なウォーターマンのある
万年筆を試してもらったところ結果は◎。
かなり高価なものでしたが、その家族はとても
喜んで購入していかれたそうです。
ペンドクターの逆転の発想もすばらしいのですが、
それ以上にその子の、きれいな字を書きたい
という欲求の大きさが、その万年筆に行き着いた
のではと思います。
そして今回当店でペンクリニックをしていただく
ペンドクターがその川口さんです。