恩田陸さんのエッセイ本『土曜日は灰色の馬』の「面白い本はすべてエンタメ」の中に
「『藪の中』の真相」についての一考察がありました。
『藪の中』は芥川龍之介さんの短編小説で、黒沢明さんが『羅生門』として映画化した
ことで有名です。
登場人物は、初婚の妻、夫、盗賊の三人それから証言者四人です。
藪の中で、ある殺人事件がおこりますが、
盗賊および巫女の力で語る妻、夫ともに自分がやったと殺人を告白するのです。
本当のことを言っているのは誰なのでしょうか？
しかし、真相は藪の中、物語は真相が明かされないまま終わります。
私は、藪の中なんだから真相は分からなくて当然と思ってたんですけど、甘かったです。
恩田さんのようなミステリー作家さんが読むと、ちゃんと推理出来るんですね。
なるほどー、と感心してしまいました。