さて、私は、上のコースの中のどれであったかというと、一見安易そうに見える③のコースを選択した、というか、それしか他に方法がなかったのである。
愛知県の県職員の子として生まれた私の家は一般の「在家」であり、菩提寺は「曹洞宗」の寺であった。「ふつー」に高校に行き、「ふつー」に大学の工学部に入学した私は、「宗教って、あの祈ったりするやつ?」という程の教養しかない「ふつー」の人間(「ふつー」以下だったか . . . 本文を読む
先に述べた2つのステップをクリアする方法は、次のとおりである。
○「得度」を受式する方法
菩提寺の住職から許可を受ける→「得度考査」に合格→「得度習礼」を受講→「得度」受式
○「教師」を取得する方法
「得度」受式→僧侶としての経験を積む→「教師資格試験」に合格→「教師教修」受講
この中で、「得度考査」と「教師資格試験」は筆記と実技が課される試験で、それに合格すると、それぞれ「得度習礼」 . . . 本文を読む
私が僧侶として「度牒」(どちょう:僧侶としての免許)を受けている宗派は、「浄土真宗本願寺派」という。いわゆる通称「お西」、「西本願寺」の宗派である。現代においては、奈良仏教、鎌倉仏教の各宗派の多くは、僧侶になるためのコースが近代化・制度化されており、一定のカリキュラムの中でその養成が行われている。中でも、浄土真宗では、比較的オープンな形で、僧侶になる道と僧侶としてのステップが設定されている。
一 . . . 本文を読む
これから記す「浄土真宗僧侶養成講座」は、一足目の草鞋の職場の親睦会誌に掲載したものに加筆したものである。
僧侶としてのスタート地点を明らかにして、自己を見つめ直してみたい。
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1.はじめに
14年前に教員になって以来、時折こんな会話が行われる。
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