名古屋健康禁煙クラブ

禁煙席でグルメする。名古屋健康禁煙クラブからのお知らせ

村松 常司 教授

2019年05月19日 | 名古屋健康禁煙クラブ
東海学園大学 衛生学
村松 常司 教授の情報
http://www.enjoyment.jp/prf/tokaigakuen/muramatsu_tsuneji/index.html

https://murama-t.jimdo.com/村松常司プロフィール/
先生はタバコを吸うのですか?
いえ、僕は吸いません。しかし、タバコがあったから僕の研究は成り立ちました。そして今にいたります。そういう意味で、タバコに感謝しています。特に、青少年とタバコの問題に取り組んできました。本人の喫煙防止ももちろん重要課題ですが、タバコを吸わない子どもであっても、誰かが隣でタバコを吸っていれば、タバコの煙にさらされます。「子どもの受動喫煙」ですね。この研究が、すべてのはじまりになりました。
この「受動喫煙」という言葉ですが、これは、比較的新しいキーワードなのですよ。僕が研究を始めた1975年頃は、日本では一般的に知られていませんでした。特に「子どもの受動喫煙」における問題点について、理解されていませんでした。研究方法についても、試行錯誤の連続でした。思えばこのころから、僕の研究スタイルは、ゲリラ戦法でした。
ゲリラ戦法、つまり手当たり次第、バラバラに。ということですか?
なんとなく、「研究とは、順番に系統立てて行うものである」と思っていました!
人それぞれですね。研究の仕方も、自分で考えます。アイデアが大事です。僕は、「良い」と思ったアイデアをどんどん取り入れて、やり方もぱっぱと変えていくのが性に合っているのです。
具体的には、どんな感じなのでしょうか。
例えば、タバコの煙、あなたはどう感じますか?
えーと、目や喉が痛くなります。
なるほど。共感する人は多いと思います。しかし他人には、それが本当なのか、どの程度なのか、分かりません。僕は当時、そういう主観的影響を調べていたのですが、客観的な指標も欲しいと考えました。そして調べているうちに、アイデアあふれる実験方法(下図)に出会ったのです。それはスイスの研究者の客観的指標を用いた論文で、「そのアイデアはすごい」と思ったので、会いに行き、共同研究を合意され、留学しました。
「面白いな」と思ったことをやってみて、その中で発見をし、研究を紡いできました。受動喫煙の次は、喫煙防止教育の研究をしましたが、思ったようには成果が上がらなかったのです。どうしたら良いかと考え続けた結果、「セルフエスティーム(健全な自尊心)」という観点が必要だとわかり、これが現在のテーマです。自尊心というと、堅苦しいですが、「褒められると嬉しい気持ち」が日常の行動を決定する大きな要素であり、興味深い。生活の中の身近なテーマです。
研究は、どんな場所で利用されるのですか?

主に、保健室の先生(養護教諭)が行う生徒指導に利用されています。小・中学校の先生の協力のもと、生徒へのアンケートや調査を実施し、研究結果を情報提供し、生徒指導に活かしてもらいます。最近では、セルフエスティーム(健全な自尊心)やストレスの感じ方と、生活習慣との関連を調べ、どのような指導が有効か?などの質問のやり取りをしています。「生徒のやる気を引き出すにはどうしたらいいか」は、重要な課題です。この課題は、大人にも当てはまるところがありますね。
授業をとおして、どんなことを伝えたいですか?
衛生学、健康教育は、事実を知って、知識をつけても、残念ながら行動が伴わないことが多いものです。健康関連のテストで満点をとった学生でも、不健康な生活をしているかもしれません。タバコの害を認識していても、やめない人もいるでしょう。けれど、将来、自分が気づいたときには、知識を活かして、望ましい健康増進をしてほしいと思います。

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