蔵書目録

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『小田急電車の ハイキング案内』 (1939.3)

2021年12月10日 | 趣味 1 登山・ハイキング

 

多摩川畔    (家族向)
辨天洞窟・丘陵   (家族向)
弘法ノ松・桝形城址 (家族向)

 富士・箱根・大山・丹澤と南の山々を一眸に望む弘法ノ松の臺地から丘續きに雜木林の間を脱けて多摩川が眼下に展開する桝形山に松籟をきく野趣に溢れたコースです

コース

 新宿 ー 小田原行で二十九分 → 西生田 ー 驛前の道を右へ線路沿ひに踏切を亘って二〇分 → 高石 ー 導標を見て左折踏切を亘って山徑を二〇分 → 弘法の松 ー 導標をたよりに東へ丘續きを四〇分 → 切通し ー 道を横切って上り再び丘續き四〇分 → 桝形山城址 ー 山を下って向ヶ丘遊園地への道と合して二〇分 → 稻田登戸 ー 電車三二分 → 新宿
歸途向ケ丘遊園地又は初山の池に遊ぶもよし、又多摩川まで脚をのばすのも一興でせう

弘法ノ松  周圍六米、弘法大師のついてゐた松の杖に根が生えて繁茂したと傳へられる巨松です
桝形山城址 源家の外戚として小身ながら威を振つた稻毛三郎重成の館趾、山腹の廣福寺に稻毛三郎の木像墓等があります
        徒歩 九粁・二時間半
        地圖 溝ノ口(二萬五千分ノ一)
        導標完備

多摩聖蹟      (家族向)
物見峠・札掛渓谷  (一般向)
中津渓谷      (一般向)

大山

 東京から南の方にピラミッドのやうな美しい稜線をもった山が見えるでせう、それが武神のきこえ高い阿夫利神社の鎭座する大山です、山嶺の展望は廣潤雄大を極め、富士・丹澤・箱根の山々を望み、脚下に相模平野、湘南の海に浮ぶ江ノ島・大島なぞ航空寫眞のやうに展開してゐます

阿夫利神社
 崇神天皇の時代創建せられ、大山祗命を祀る武將には戰勝の神として、庶人には開運の神として尊崇せられてゐます
 春祭  四月十五日より二十四日まで
 夏祭  七月二十七日より八月十七日まで
 紅葉祭 十月二十日より十一月二十日まで 
大山寺
 聖武天皇の御宇僧良辨の開基に係り不動明王を祀ってあります
日向藥師
 元正天皇の勅願寺、本尊如来は行基の作、他に國寶二十三點あり、日本三藥師の一
鶴卷溫泉
 近來賣出の溫泉、カルシューム含有量は世界一です
七澤溫泉 
 大澤川の渓流に沿ふた閑雅な湯治場、透明な炭酸泉
廣澤寺溫泉
 寶永年間より知られたる藥湯塲、透明なアルカリ泉

コース

             地圖 藤澤・秦野(五萬分一)

A 表參道ルート  (家族向)   

                 
 新宿 ー 急行で五七分、普通で一時間一一分 → 伊勢原 ー バスで二〇分 → 大山町 ー 參道を爪先のぼり四〇分 → 追分 ー 四十五度の急傾斜をケーブルカーで八分 → 下社 ー 社の裏手から上り一時間一〇分 → 大山頂上 ー 奥社の裏の御来光參拝所から丹澤の偉容を眺め、中道めぐりして下山三〇分 → 下社 ーケーブルカーで八分 → 追分 ー 下り三〇分 → 大山町 ー 伊勢原 → 新宿    徒歩 九粁・三時間

B 日向越え    (家族向)
C 七澤溫泉ルート (一般向)
D 廣澤寺溫泉ルート(一般向)
E 鶴卷溫泉ルート (一般向)

 新宿 → 大山頂上 → 下社 ー 社の裏手から左へ山をまいてゆく三〇分 → 淺間山 ー 尾根道二〇分 → 千畳敷 ー なほ尾根道を下り上る四〇分 → 鷹取山(標高五五六米) ー 山を下り前面の小突起を右に卷いて下る四〇分 → 獅子窪 ー 廣い道に出て右折直ちに左に丘を越える三〇分 → 鶴卷溫泉 ー 急行で一時間一分普通で一時間一六分 → 新宿    徒歩 一六粁・五時間

大山・ヤビツ峠  (家族向)

 大山の頂上からヤビツ峠へは富士を前に見ながら下る明るいハイキングコースです

コース

 新宿 ー 小田急 → 伊勢原 ー バス → 大山町 ー 參道を爪先のぼり四〇分 → 追分 ー ケーブル → 下社 ー 社の裏手から上り一時間一〇分 → 頂上 ー 奥社の裏の中道を廻つてもとの道を五分程下り黒門をくゞって右の道を下り三〇分(上り五〇分) → ヤビツ峠 ー 舊道下り四〇分(上り一時間)林道下り一時間三〇分(上り二時間) → 蓑毛 ー バスで二五分 → 大秦野 ー 急行で一時間八分普通で一時間二四分 → 新宿    徒歩 一〇粁・三時間(舊道により)・三時間 一二粁・四時間(新道により) 

ヤビツ峠
 標高八〇〇米、秦野盆地から相模灘を俯瞰する美しい展望、丹澤山中自動車の行く唯一の峠です

丹沢山塊 

 千古斧鉞を知らぬ廣大な潤葉樹の幽林、巨瀑連續する峻嶮な溪谷、高山性の山嶺を縫ふて展開する草原等々、これが帝都から極めて近距離の標高一、六〇〇米内外の山塊の姿かと驚くのが丹澤です

丹澤表尾根縱走  (一般向)

 眼下にひらける相模平野の向ふに夢のやうな大島の姿が靜かな海面に浮いてゐます、遠く薄紫に烟る天城山、近く箱根連山を控えた富士山を眼の前に眺めながら明るい尾根道を峯から峯へ!

コース

 新宿 ー 急行で一時間八分普通で一時間二八分 → 大秦野驛 ー バスで二〇分 → 蓑毛 ー 村はづれの橋の手前を右へ五六分岐路を左へ澤沿ひ一〇分 ー 大堰堤 ー 橋を渡ってヂグザグ上り五〇分 → ヤビツ峠 ー 右へ林道傳ひに下り一五分 → 富士見橋 ー 橋を渡って左折五分 → 三ノ塔登山口 ー 導標にて右へ上る一時間 → 大平山頂上 ー 痩尾根を下り上る一五分 → 三ノ塔 ー 頂を北へ少し下り左の急峻を下り切って上る一五分 → 烏尾山(一、一三七米)ー 尾根を二〇分 → 行者岳(一、一八八米) ー 急峻を登降防火線沿ひにつめ四〇分 → 新大日(一、三四一米) ー (右へ下れば一時間で札掛)左へ潤葉樹林の尾根を二〇分 → 木ノ又大日 ー 一突起を越し最後の急峻五十米餘を二〇分 → 塔ヶ岳ー 左へ下り尾根道を一時間三〇分 → 一本松 ー 尾根を左にまいて下る三〇分 → 大倉 → 導標傳ひに村道を一時間 → 澁澤 ー 新宿    地図 秦野(五萬分一) 徒歩 二〇粁・七時間 導標完備 

塔ヶ岳(一、四九一米) 
 頂上は茅戸の原で、遮るなき素晴らしい展望臺です。
三ノ塔(一、二〇五米)
 一名菩提山とも稱ばれ、頂は茅戸の廣々した原で秦野盆地を俯瞰し東に大山、西に塔ヶ岳から富士山、箱根を望む 絕勝です

オバケ澤遡行    (健脚向)

大山・丹澤槪念圖

主脈縦走      (健脚向)

 果しなく延びた山稜の所々に物凄い崩壊が光って森閑とした尾根から尾根へ甲高い小鳥の聲が清澄な山氣をふるはしてゐます

コース

第一日 新宿 ー 午後十時半新宿發午前零時一分澁澤着 → 澁澤(驛構内「丹澤の家」泊り又は夜道を)
第二日 澁澤 ー 未明出發 導標傳ひに一時間 → 大倉 ー 部落はづれの登山口から左の山徑を上る一時間 → 一本松 ー 草山の上り二時間 → 塔ヶ岳 ー 北へ下り樹間の尾根を三五分ひらけて → 龍ヶ馬場 ー 緩い尾根道上り二〇分 → 丹澤山 ー 左のツルベオトシを下り上って三〇分 → 不動ヶ峯 ー 樹間の尾根を三五分 → 鬼ヶ岩 ー 唯一の岩場を下り、蛭に取ついて二五分 → 蛭ヶ岳 ー 熊笹の間を一氣に下り四〇分 → 原小屋澤分岐點 → 草山を上り三〇分 → 姫次岳 ー 八丁坂を下り四〇分 → 黍殻 ー 坦々たる尾根道三〇分 → 燒山 ー 一〇分許り戻り左に下って尾根道を一時間半下り → 平戸 ー 串川に沿って村道を三〇分 → 島屋 ー バスで一時間十五分 → 相模厚木 ー 急行で五〇分普通で一時間二分 → 新宿 
 地圖 上野原・秦野・八王子・藤澤(五萬分一)
 徒歩 三六粁・一一時間
 導標あり
[丹澤の家] 宿泊無料、申込は本社旅客係へ
 鳥屋春木旅館 一泊一圓十錢、半泊(朝食付)八十錢
 水場が僅少ですから水筒を御用意下さい

蛭ヶ岳(一、六七二米)
 本山塊の最高峯、山頂に毘盧舎那佛藥師如來を祀り毘盧ヶ嶽、藥師嶽とも稱ばれてゐます 頂は樹木鬱蒼としてゐますが南側熊木澤を眼下に見る邊りの展望は美事です

丹澤三ツ峯縱走   (健脚向)

西丹沢

中川温泉      (一般向)


鶴卷溫泉・弘法山  (家族向)

 溫泉の裏の丘から弘法山へ殆んど登りといふ登りなしに展望のよい尾根道が續いてゐます
 眞白な富士山がびっくりする程大きく、大山・丹澤の連峰はすぐ眼の前に聳えてゐます

コース

新宿 ー 普通一時間一六分急行一時間三分 → 鶴巻溫泉 ー 光鶴園の右側を脱けて丘へ上ってゆく二〇分 → 吾妻山 ー 松林の尾根道を四〇分 → 善波峠上 ー 秦野の町を右下に見ながら二〇分 → 弘法山 ー 尾根續きに櫻の馬場を抜けて一五分 → 權現山 ー 西側の鞍部から左へ急坂を下る二〇分 → 中野 ー 橋を渡って縣道を右へ三〇分 → 大秦野驛 ー 普通一時間二十五分急行一時間十一分 → 新宿 
 地圖 秦野・藤澤 徒歩 八粁・二時間半 導標完備

 
弘法山
 弘法大師が千座の護摩修行をされたといふ舊蹟で大師の像が山上に安置されてゐます 眺望は豪壯、櫻萩の名所です
弘法山から寺山の波多野城址、東田原の源實朝の首塚或ひは震生湖を訪ね、秦野町の專賣局煙草工場なぞを見學するのも、意義あることでせう
        
二宮尊徳・曾我兄弟遺跡巡り (一般向)

箱根火山群

足柄峠・金時山・乙女峠   (一般向)
狩川溪谷・仙石峠越え    (一般向)
明神・明星ヶ岳越え     (一般向)
箱根主峰 神山・駒ヶ岳縱走 (一般向)
南箱根
 箱根 ー 湯河原峠越え  (一般向)

箱根徒歩旅行案内図

バス時間表

昭和14年3月 



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