蔵書目録

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『箱根・丹沢 向ヶ丘遊園』 1 小田急 (1953頃?)

2021年08月07日 | 趣味 1 登山・ハイキング

 

箱根・丹沢 向ヶ丘遊園
  小田急 レクリエーション ハンドブック
  
箱根路

  道了尊より明神・明星越え (一般向)

 このコースは箱根ハイキングコースの第一課とも云える外輪山越えのルートである。この山径は箱根路の最も古い上代古道の一部で、関西から関東に入るには御殿場から乙女峠を経て仙石原を通り明神ヶ岳に登り、このコースの逆を通ったものである。
 道了尊の裏山に出れば茅戸の緩やかな登りが限りなく続き、晩秋の頃青く澄み切った空に、銀色に輝く穂すゝきが波うつ明るい印象的な山である。明神ヶ岳の頂上(一、一六九米)から脚下に流れる早川の渓谷を隔てて強羅・早雲山や大湧谷の噴煙及神山・駒ヶ岳の主峰が指呼の中にある。西北には外輪山の最高峰金時山、そして愛鷹連峰を率いた富士が一際高く、北には山肌もあらわな丹沢が連互して横貌を見せている。

 
   コース
 新宿 ー 急行一時間二一分 ー 新松田駅 ー バス二〇分 ー 関本 ー 杉並木の参道を上り五〇分 ー 最乗寺ー 山門の左手小径を上り一五分岐路左へ三〇分 ー 見晴茶屋 ー 草原に出て緩い上り水場を通り一時間半 ー 明神ヶ岳 ー 左へ下り一五分 ー 分岐点 ー 左の尾根を上り下り四〇分、右の急坂を下れば宮城野へ四〇分 ー 明星ヶ岳 ー 尾根伝いに下り二〇分 ー 鞍部の分岐点 ー 右折して叢林の径を四〇分 ー 宮城野小学校前 ー 橋を渡って一五分 ー 強羅駅 一 登山電車三五分 ー 箱根湯本駅 ー 急行一時間四五分 ー  新宿
  地図 小田原(五万分ノ一) 
  徒歩 一五粁 約五時間  

  湯坂越え (家族向)

 このコースは江戸時代以前の箱根字路で、鎌倉時代に阿仏尼が初めて越えたこの道の心細さを『十六夜日記』の中に書いている。
  「足柄山は道遠しとて箱根路にかゝるなりけり。 “ ゆかしさよそなたの雲をそばたてて よそになしぬるあしがらの山 ” いとさかしき山をくだる。人のあしもとどまりがたし。湯坂とぞいふなる。辛じて越えはてたれど、又麓に早川といふ河あり。」 
 長い旅路の果ての老女の足の実感であったかも知れないが、実際は鷹巣山(八三七米)から浅間山(八〇二米)それから湯坂山(五四七米)と、小山の峰続きにぐんゝと高度を下げて来る眺望のよい快適なルートである。この附近の紅葉は箱根随一と云われている。鷹巣山と、浅間山頂上には北条時代の古城址がある。

 
   コース
 新宿 ー 急行一時間四五分 ー 箱根湯本 ー バス五〇分 ー 芦の湯 ー バス通りを小涌谷の方へ戻り五分道標により右折して緩やかな山径を上り一五分 ー 鷹巣山ー 急坂を下り再び尾根沿いの山径を上り二〇分 ー 浅間山 ー 薄原の緩やかな山径を下り四〇分林道を抜け石畳の山径を一五分 ー 湯坂山 ー 再び石畳の山径を二五分 ー 旭橋際 ー 橋を渡り五分 ー 箱根湯本 ー 急行一時間四五分 ー  新宿
  地図 小田原(五万分ノ一) 
  徒歩 八粁 約二時間

丹沢山塊

 大山山麓とその他

  大山 

 相模の名山、大山は丹沢山塊の東南端で、殆んど独立峰に近い美しいピラミッド型の山姿である。この山は昔から出漁の漁夫や航行の船の指標になっていた。また信仰登山の対象としては開運の神山といわれ、別名雨降山という如く雨乞の霊験あらたかといわれている。標高一、二四五米の山頂には大山祗神を祀る阿夫利神社の奥社があり、中腹にはその下社と重要文化財に指定されている不動尊を祀る雨降山大山寺がある。山頂の展望は雄大で関東平野を一望に収めることができる。 

A 表参道ルート (家族向) 地図 藤沢・秦野(五万分ノ一) 

 新宿 ー 急行五八分 ー 伊勢原駅 ー バス二五分 ー 大山町 ー 参道四〇分 ー 追分ー 向って左手の女坂を四〇分 ー 下社 ー 社の左手より上り一時間半 ー 頂上奥社 ー 社の裏の御来光参拝所から丹沢を眺め中道めぐりして下山三〇分 ー 下社 ー 二〇分 ー 追分 ー 下り三〇分 ー 大山町 ー 伊勢原駅 ー 新宿
  徒歩 約一二粁 四時間
  秋季割引往復(バス共)二五〇円(十一月末まで)

B 日向越えルート (一般向)

 日向薬師は天正天皇の勅願寺であり日本三薬師の一つで、重要文化財に指定されているもの二四点ある。
 新宿 ー 伊勢原駅 ー 大山頂上 ー 社の裏右手日時計の場所より尾根の小径を五〇分 ー 見晴台 ー 九十九曲りをヂグザグに下り日向川に沿って左折一時間二〇分 ー 日向薬師 ー 寺を下り左折四〇 ー 新田 ー バス二五分 ー 伊勢原駅 ー 新宿
  徒歩 約一六粁 五時間半

C 日向越えルート (家族向)

 大山頂上 ー 下社 ー 石段を下りて左折二重ノ滝を見て緩い上り四〇分 ー 見晴台 ー 日向薬師 ー 新田 ー バス ー 伊勢原駅 ー 新宿
  徒歩 約二〇粁 六時間

  大山・ヤビツ峠 (一般向)

相模灘、富士山、丹沢の山々を眺めながら頂上から足どりも軽く一気にヤビツ峠に下る。

   

   コース
 新宿 ー 急行五八分 ー 伊勢原駅 ー バス二五分 ー 大山町 ー 参道四〇分 ー 追分ー 女坂を上り四〇分 ー 下社 ー 社の裏手から上り一時間半 ー 頂上(一、二四五米) ー 奥社の裏の中道を廻りもと来た黒門に沿い道標を右折四〇分 ー ヤビツ峠 ー 柏木林道を下り四〇分 ー 蓑毛 ー バス三〇分 ー 大秦野駅 ー 急行一時間八分 ー 新宿
  地図  藤沢・秦野(五万分ノ一) 徒歩 一二粁 四時間
  運賃 新宿 ー 伊勢原 一二〇円 大秦野 ー 新宿 一三〇円
  (バス) 伊勢原 ー 大山町 二五円 蓑毛 ー 大秦野 二〇円

  鶴巻温泉・弘法山 (一般向き)

 大山々麓の靜かな温泉郷と、弘法大師が千座の護摩修業したという弘法山を結んだコースである。低山ではあるが展望がすぐれ、萩・すゝきの頃はこよなく愉しいルートである。

    
   コース
 新宿 ー 急行一時間二分 ー 鶴巻駅 ー 光鶴園の右側を抜け丘に上り二〇分 ー 吾妻山 ー 松林の尾根道を上り四〇分 ー 善波峠ー 秦野町を右下にのぞみながら二〇分 ー 弘法山 ー 尾根続き二〇分 ー 権現山(千畳敷) ー 西側の鞍部から急坂を下り八分 ー 中野 ー 橋を渡って県道を四〇分 ー 大秦野駅 ー 急行一時間八分 ー 新宿
 ※逆コースをとり帰路鶴卷温泉に浸るのも趣がある。
  地図 秦野・藤沢(五万分ノ一)
  徒歩 八粁 二時間半
  運賃 新宿ー鶴巻 一二〇円 大秦野ー新宿 一三〇円
  秋季割引往復二二〇円(十一月末まで)   

  澁澤・曾我丘陵 (家族向)

   渋沢丘陵は秦野盆地を隔てて丹沢表尾根に相対している。一起一伏の丘陵は次第に曾我兄弟の里に導いてくれる。この附近一帯は蜜柑の産地。

 
   コース
 新宿 ー 急行一時間一二分 ー 渋沢駅 ー 駅前を左に抜け右折して畑中の径を二〇分 ー 下庭 ー を過ぎ小原への分岐を左に見て再び畑中の径を一〇分 ー 栃窪ー を抜けて緩やかな丘陵を上る三〇分 ー 一本松 ー 尾根径を西へ三五分 ー 高尾 ー を左に見て再び山径を二五分 ー 赤田 ー を抜け畑中の十字路を左折して尾根沿いの径を五〇分 ー 浅間山 ー 尾根沿いの山径を西北に不動山を右に見て五五分 一 六本松 ー 広い径を右に下る三〇分 ー 下曾我村 ー 村道を真直ぐ七分 ー 宗我神社 ー 参道を下り左折して五分 ー 城前寺 ー 県道を一〇分 ー 下曾我駅 ー 列車一五分 ー 新松田駅 ー 急行一時間二一分
  地図 秦野・国府津(五万分ノ一)
  徒歩 一五粁 約五時間

 B 澁澤丘陵・震生湖

   コース
 渋沢より前項と同じ ー 下庭 ーを抜け畑中の道を左折して尾根径を三〇分 ー 図幅二二一米の台地 ー 尾根径を北西へ二〇分 ー 震生湖 ー 北に山径を下り芹沢を右に見て三五分 ー 白笹稲荷 ー 畑中の径を東へ線路を渡り右折して二五分 ー 大秦野駅 ー 急行一時間八分 ー 新宿
  徒歩 約五粁 二時間
  運賃 新宿ー大秦野 一三〇円
     新宿ー渋沢  一四〇円
     新松田ー新宿 一五〇円
     下曾我ー松田  一〇円

〔蔵書目録注〕
 上の大山にあるカラー写真は、最近撮影のもの。
 (左)山頂裏手から富士山、手前は二ノ塔、三ノ塔(十二月初旬)。
 (右)同じく夏(七月中旬)
 上の弘法山にあるカラー写真は、最近撮影のもの。
 (左)善波峠
 (中)権現山展望台からの富士山(一月下旬)
 (右)同展望台から東京スカイツリーと東京タワーを望む。



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