蔵書目録

明治・大正・昭和:音楽、演劇、舞踊、軍事、医学、教習、中共、文化大革命、目録:蓄音器、風琴、煙火、音譜、絵葉書

『日本共産党運動ニ関スル展望』 (1931?)

2024年07月14日 | 二・二六事件 1 内務省他

  

   本表ハ雜誌新聞紙其他ノ出版物ニ發表無之樣注意ヲ望ム
   日本共産黨運動ニ關スル展望
  
    日本共産黨運動ニ關スル展望
 一、日本共産黨ノ過去及現在
  (1)同黨ノ成長
  (2)同黨支持ノ合法團体ノ發生
  (3)同黨ヲ支持セサル一般無産政黨ノ發達
  (4)日本共産黨事件檢擧ニヨル同黨ノ潰滅
 二、同黨潰滅後ノ日本共産黨運動 
  (1)同黨支持ノ非合法團体ノ發生
  (2)同黨シンパサイザーノ發生ーー學生ノ左翼運動
  (3)マルキシズム、レーニニズムノ大衆化
  (4)同黨ヲ支持セサル一般無産政黨ノ發展  
 三、日本共産黨ノ本質及其ノ政策
 四、日本共産黨中ノ方向轉換
  (1)同黨政策ノ誤謬
  (2)皇室ヲ中心トスル新日本建設ノ運動
 五、日本共産黨ノ將來及之ニ對スル對策
 
    日本共産黨事件檢擧年表
(1)大正十年秋【曉民共産黨】檢擧
    大正十一年夏【第一次日本共産黨】組織
(2)大正十二年夏同黨檢擧 
    大正十三年春同黨解散
    大正十四年春上海テーゼ(一月テーゼ)、ヘラーテーゼ(五月テーゼ)決定
(3)大正十四年夏【第二次日本共産黨】組織
    大正十五年十二月同黨創立大會
    昭和二年春同黨主腦部入露
    同年夏コミンテルンノ同黨ニ對スル批判
    同年十二月右主腦部歸朝 
    昭和三年一月同黨組織再建
(4)同年三月十五日同黨【第一次】檢擧
    同年六月二十九日治安維持法改正  
    同年十一月同黨再組織着手
(5)昭和四年四月十六日同黨【第二次】檢擧 
    同年六月再々組織着手
(6)昭和五年一月同黨【第三次】檢擧
(7) 同年三月同黨ニ對スル資金供與者ノ檢擧
 8 同年七月同黨【第四次】檢擧
  
    日本共産黨事件被告人員表  (昭和六年五月卅一日調)
 一、曉民共産黨事件‥‥‥‥‥‥‥一五人
 一、第一次日本共産黨事件‥‥‥‥六四
 一、第二次日本共産黨事件‥一、四二二
     内譯
      三・一五以降    五三〇
      四・一六以降    三三四
      昭和五年      四六一
      昭和六年       九七
  
        (三・一五第一回檢擧被告人身上調査統計表ニ依ル)
    日本共産黨組成分子ノ素質ー普通犯罪ト異ナル點
 イ、純良ナル靑年多シ 
     四七一人ノ内  二十一歳以上三十歳以下 三八三人 八一%
 ロ、學力槪ネ優等ナリ
     三三九人ノ中(初等及中等敎育ヲ受ケタル者) {優 一一三 四五% 良 八二 三三% 
 ハ、品行比較的方正ナリ 
     三二六人ノ内(獨身者) 花柳病者 八 二%
 ニ、殆ト健康ナリ
     四七一人ノ内  健康者 三六四 七七% 
 ホ、家庭槪ネ圓満ナリ
     四七九人ノ内  實父母アル者 二一八 四七% 父ヲ缼ク者 一〇八 二三%
 ト、中産階級(中農、中商工業者、官吏其ノ他ノ公務自由業者)ノ子弟多シ
     四七一人ノ内  富裕 五 一% 普通 一二五 二七% 貧困 三四一 七二%

        
    第二次日本共産黨事件被告人種別表     昭和六、五、三一日調
    日本共産黨事件關係インテル被告人出身校別表  昭和六年、五、三一調
  
    日本共産黨員カ先ツ共産主義ヲ奉シ次イテ共産黨ニ加入スルニ至リシ諸原因 
  
 甲、インテリゲンチヤニ就イテ
  イ、中産階級歿落ノ結果トシテノ生活不安ー入學難ー卒業後ノ就職難
  ロ、現代敎育ノ缼陥ーー數學偏重、語學偏重、自然科學偏重ーー精神科學、文化科學過少評價ーー社會ヨリノ遊離
  ハ、學生社會科學研究會ニ於ケル研究 
  ニ、マルクス主義、レーニン主義理論ノ魅力
  ホ、學校ノ放校其ノ他ノ處分 
  ヘ、警察官署ノ檢束拘留
  ト、日本共産黨ノ誘惑
  チ、コミンテルンノ宣傳煽動
 乙、勞働者農民ニ就イテ
  イ、勞働上ノ体驗トシテ知リ得タル資本主義社會ノ缼陥(貧富ノ懸隔)
  ロ、勞働者農民救濟ニ關スル社會的施設ノ不備
  ハ、左翼勞働組合研究會ノ影響
  ニ、マルクス主義、レーニン主義理論ノ魅力
  ホ、爭議其ノ他ノ際ニ於ケル解雇其ノ他ノ處分
  ヘ、警察官署ノ檢束拘留
  ト、日本共産黨ノ誘惑
  チ、コミンテルンノ宣傳煽動
  (註)以上甲乙中「イ」ヨリ「ニ」迄ハ共産主義ヲ抱懐スルニ至リシ原因
          「ホ」ヨリ「チ」迄ハ共産黨ニ加入スルニ至リシ原因
    
    日本共産黨
 日本共産黨ハ
 一、世界プロレタリアートノ獨裁ト之ニ依ル世界共産主義社會ノ實現ヲ目的トスルコミンテルン(國際共産黨又ハ第三インターナショナル)ノ日本支部ニシテ
 一、革命的手段ニ據リ 
   (ブルジョア革命)
 一、先ツ我君主制ヲ廢止シ地主ノ土地ヲ沒収シ勞働者農民ノ政府ヲ樹立シ(プロレタリア革命)
 一、次イテ無産階級(プロレタリアート)ノ獨裁ニ依リ一切ノ生産手段ヲ國有トスル社會主義社會ヲ建設シ
 一、因ッテ世界共産主義社會ノ實現ヲ期セントスル政黨(秘密結社)ナリ
 
    日本共産黨ノスローガン
 イ、國際的任務ノスローガン 
   1 戰爭ノ危機ニ對スル鬪爭
   2 支那革命不干渉
   3 サヴエートロシアノ防衛
   4 植民地ノ完全ナル獨立
 ロ、ブルジョア民主主義革命ニ關スル綱領的スローガン
   1 君主制ノ撤廢
   2 議會ノ解散
   3 宮廷、寺領、地主ノ土地ノ無償沒収
 ハ、ブルジョア民主主義革命ニ至ル過度的要求ノスローガン
   1 十八歳以上ノ男女ノ普通選擧
   2 言論、集會、出版、結社ノ自由
   3 反勞働者法撤廢
   4 失業保險
   5 八時間労働制
   6 高度ノ累進所得税
 ニ、基本的スローガン
   勞働者農民ノ政府ノ樹立ーブルジョア革命
   プロレタリアートノ獨裁ープロレタリア革命
  
    日本共産黨員中ノ方向轉換
 1 一般的マルクス主義理論ト日本ノ特殊性 
   イ、マルクス主義理論ノ特徴ー理論ト實践ノ辯證法的統一ー共産主義理論ー社會進化發展ノ科學的研究方法ー唯物史觀公式
      露西亞ノ特殊性ー之ニ基キタル革命的指導理論ーレーニニズムノ發生ーコミンテルンノ生長 
      日本ノ特殊性ー之ニ基キタル合理的指導理論ノ發生ーコミンテルント關係ナキ新日本ノ建設
   ロ、日本共産黨ノ日本特殊性ノ無視ーマルクス主義、レーニン主義ノ機械的當嵌メーロシヤ革命ノ機械的模倣ー公式主義ヘノ堕落ー非マルクス主義ー日本共産黨ノ解体ーコミンテルンヨリノ分離ー新日本建設ヘノ合理的運動ノ發生
 2 「インターナシヨナリズム」と「ナシヨナリズム」
   イ、インターナショナリズムノ公式
     サヴエートロシヤヲ衛レ
     對支絶對非干渉
     帝國主義戰爭反對
     植民地半植民地ノ獨立
   ロ、ナショナリズム  
     日本民衆ノ國際主義ー人類連帶ノ意識ー世界プロレタリア團結
     日本民衆ノ國民主義ー島國根性ー皇統連綿ー二大戰捷ー五大強國ノ一ー植民地ヲ有スル誇リー強烈ナル帝國主義イデオロギー
   ハ、日本民衆ノ「ナショナリズム」ハ「インターナショナリズム」ヲ壓スーーコミンテルント分離
 3 君主制撤廢スローガンノ誤謬 
   イ、社會革命ト政治革命
      社會革命ー階級關係ノ變動ハ國情ヲ無視ス
      政治革命ー政治支配形体ノ變動ハ其ノ國ノ特殊性ニ遵フ
   ロ、日本君主制ノ特徴
      コミンテルンノ見解ーー君主制ハ地主ノ武力的表現ーーノ誤謬  
      日本ノ君主ハ
             大地主ニ非ス 
             政治的支配ノ中心ニモ非ス
             民族的信仰ノ中心ナリ
   ハ、日本大衆ハ君主制廢止ノスローガンヲ支持セズ
 4 日本社會進化ノ平和的發展ノ可能性ー暴力革命ノ否定
   イ、日本皇室ノ存在
   ロ、日本ニ於ケル知識階級ノ特殊性ーー改良主義的中立性
   ハ、日本資本主義ノ特徴ーー國家資本多シ
   ニ、日本國民ノ平和性
  
    共産主義系團体一覽表  昭和六年五月三十一日調
 一、國際共産黨 コミンテルン 日本支部(日本共産黨)
 一、 第二無産者新聞社(無新)
 一、國際共産靑年同盟 コムソモール 日本支部(日本共産靑年同盟)
 一、 無産靑年新聞社(無靑)
 一、國際赤色勞働組合 プロフィンテル 日本支部(日本勞働組合全國協議會=全協)
 一、 勞働新聞社(勞新)
 一、國際赤色救援會 モップル 日本支部(救援會)    ‥‥‥「救援新聞」 
 一、帝國主義反對民族獨立支持國際同盟日本支部(反帝同盟)‥‥‥「反帝新聞」
 一、全日本無産者藝術團体協議會(ナップ)        ‥‥‥雑誌「ナップ」
    所属團体
    一、日本プロレタリア作家同盟
    一、日本プロレタリア劇塲同盟
    一、日本プロレタリア美術家同盟
    一、日本プロレタリア映畵同盟
    一、日本プロレタリア音樂家同盟
 一、戰旗社        ‥‥‥雑誌「戰旗」
 一、産業勞働調査所    ‥‥‥雑誌「産業勞働時報」「インターナショナル」
 一、プロレタリア科學研究所‥‥‥雑誌「プロレタリア科學」  
 一、新興敎育研究所    ‥‥‥雑誌「新興敎育」
 一、農民鬪爭社      ‥‥‥雑誌「農民鬪爭」



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。