蔵書目録

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「クレオパトラ」 帝国劇場 (1914.10)

2011年03月21日 | 演劇 貞奴、松井須磨子他
   

 上の2枚の絵葉書の写真の下には、いずれも「帝国劇場 (大正三年 〔一九一四年〕 十月興行) 芸術座劇 悲劇(クレオパトラ) 松井須磨子の扮装女王クレオパトラ」とある。
 
 この「クレオパトラ」の絵葉書の他の六枚は、次の場面である。

        
  
 ・女王宮殿内 〔上の写真:左から1枚目〕
 ・女王宮殿の一室 〔2枚目〕
 ・女王宮殿大広間 〔3枚目〕
 ・ 同上      〔4枚目〕
 ・ 同上      〔5枚目〕
 ・女王宮殿廟内  〔6枚目〕

 なお、『婦人公論』でも、「須磨子嬢のクレオパトラ」として、口絵2頁〔写真2枚と説明〕で紹介されている。

 須磨子嬢のクレオパトラ  

  クレオパトラは日本でも最近興味を喚起してゐるが確かに歴史上の女として特色ある一人である。この特色ある女を描いた芸術としては云ふまでもなく沙翁の「アントニーとクレオパトラ」が一番有名である。(中略)彼女は一方に非常に残忍な性質を持つてゐて且つ知略に富んだ非常な美人で、丁度今日の所謂ジプシーガールといふ一種の婦人気質を大きくしたやうな女であつた。元来欧州のジプシーガールといふのは、愛の感情が極端で或時は火の如く熱し、或る時は氷の如く冷たくなるといふ性質のが多い。ワイルドの描いたサロメ、又はずつと近代的になつたものではカルメン若しくはヘツダ・カブラーなどが皆な同じ型の女である。(以下略)  - 島村抱月 -

  クレオパトラ どうぞもつと、彼方 あちら にてゐて下さい。側 そば へ寄らないで下さい。
  アントニー  どうしたと云ふのだ?何処 どこ が悪いのか?
  クレオパトラ あなたの其のお眼の色の嬉しさうですこと!ローマから何 ど んな良いお知らせが来たので御座います?奥方から何と云つて来ました?ローマへお帰りなさらなくてはならないでせう?それで其 そ んなに嬉しさうな眼付きをしてゐらつしやるのでせう。
  アントニー  私の心は神々が御承知だ。
  クレオパトラ 世界の女王でこんなにまで男に欺された者が他にありませうか?私、もう口惜 くや しいゝ。

 楽屋に於ける須磨子嬢

 


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