先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
https://www.youtube.com/watch?v=0us2dlzJ5jw

「日本の全無産階級に訴う」中国国民党駐日総支部 1927年の労働運動(読書メモ)

2023年06月30日 07時00分00秒 | 1927年の労働運動

上、ポスター「出兵絶対反対」「対支絶対非干渉」労働農民党奈良県支部連合会(1927年)

「日本の全無産階級に訴う」中国国民党駐日総支部 1927年の労働運動(読書メモ)
参照「協調会史料」

1927年4月7日、中国国民党駐日総支部から評議会本部に届いたビラ(4月5日)です。

ビラ(趣旨)
日本の全無産階級に訴える
 中国の国民革命運動の発展は、その自国のみならず全世界の被圧迫民族及び被圧迫階級を帝国主義の圧迫と搾取とよりその解放を意味するものである。我が北伐軍が、まさにかかる歴史的使命を帯びて武漢を占領して以来、一挙に帝国主義対華侵略の震源地、揚子江以南彼らの走狗たる北洋軍閥最後の地たる上海・南京を攻略し、今や日本帝国主義のみならず世界帝国主義の走狗たる張作霖にその矛先を向けようとしている。しかし日本及び各帝国主義は、我が北伐軍のかかる飛躍的発展に驚ぎ、今や南京事件を中心とする口実を設けて中国に向かって軍艦と陸戦隊を出動させ、北伐軍に対して武力干渉を行わんとしている。我々はかかる列強の武力干渉の結果、中国革命の躍進に一障害をあたえるのみならず、ひいては列強間の利益の衝突により第二の帝国主義戦争の危機をはらむものと信ず。 

 しかも、かかる戦争は世界無産階級にいかなる過重なる負担と犠牲を強要するものであろうか、東洋における日本無産階級の歴史的使命を感ずるものである。 かかる意味において、我々今回、日本帝国主義の対華武力干渉に対して、諸君のところ有る努力の阻止を望んで止まない次第である。
  対華非干渉運動を興せ!

   帝国主義戦争の危機を防衛せよ!
中国国民党 駐 日 総 支 部 

                 4月5日

 このビラは、1927年2月から3月末にかけて来日していた中国南方政府代表戴 季陶(たい きとう。号は戴天仇)が、離日した直後の4月5日に発行されています。3月中国国民革命軍がまさに南京・上海へと迫る一方で、中国革命に介入しようとする帝国主義列強の圧力と中国財閥の要求を容れた蒋介石が、4月12日上海クーデターを起こし、共産党員や闘う労働者、学生数万人を虐殺します。5月、日本の田中内閣が第一次山東2千人出兵を行い軍艦を派遣し、陸戦隊を上陸させます。目的は中国革命の妨害です。以後起きる世界の歴史はこのビラの指摘した内容そのままです。短い文章ですが、緊迫した様子が伝わってきます。

 中国革命になんとか呼応しようとする心ある日本民衆は、田中内閣の中国革命への妨害、干渉に反対する「出兵絶対反対」「対支絶対非干渉」運動を労農党や評議会を先頭に果敢に繰り広げます。
以上



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。