先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
https://www.youtube.com/watch?v=0us2dlzJ5jw

浅原健三と本『溶鉱炉の火は消えたり』から〈苦闘十年の同志に贈る〉を紹介します。 

2021年08月10日 08時21分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
浅原健三と本『溶鉱炉の火は消えたり』から〈苦闘十年の同志に贈る〉を紹介します。  ー1920年八幡製鉄所の2万5千人の大労働争議ー  浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』は1930年に刊行されました。若き日の浅原は16歳で木屋瀬炭坑夫となり、その後上京し、新聞社の職工・配達・発送・機械工をしながら、労働運動に接近していきます。日本大学法科の専門部で加藤勘十と親しくなり日大の弁論部にも入り、後の代議 . . . 本文を読む

『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(一~三)

2021年08月10日 08時20分10秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(一~三)―八幡製鉄所の大罷工記録— 一 死の工都 大溶鉱炉の火が落ちた。東洋随一を誇る八幡製鉄所、黒煙、天を蓋い、地を閉ざしていた大黒煙が、ハタと杜絶えた。それで、工都八幡市の息は、バッタリ止まった。 死の工場、死の街。墓場。 公表七十余万坪、天を衝いて林立する三百有八十本の大小煙突から吐き出される、永久不断にと誰もが思いこんでいた、黒、灰、白、 . . . 本文を読む

『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(四~六)

2021年08月10日 08時19分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(四~六)―八幡製鉄所の大罷工記録— 四 労友会生る  十月十六日、中町の弥生座で「日本労友会」の発開式。会員六百名は、製鉄所、旭ガラス、安川電気、安田製釘等、八幡市の大工場を網羅する鉄工場労働者である。会則によって選挙の結果、会長浅原健三、副会長西田健太郎、理事四人は田崎、吉村、伊藤、相原。中央委員三十名。会費は月額十五銭。 この夜、八幡警察 . . . 本文を読む

『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(七~八)

2021年08月10日 08時18分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(七~八)―八幡製鉄所の大罷工記録— 七 準備は成れり  八幡に帰ると、すぐ、四五の幹部を集めて、東京の様子を報告して置いて、私は姿をかくした。 一月二十日、私は人夫供給所の手から、森重皆一と二人で人夫になって工場にもぐり込んだ。構内の全地形を、地図の上ではなくて、現実に見知って置いて、罷工の作戦計画を立てる必要があったからである。この事は、四五人 . . . 本文を読む

『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(九~十)

2021年08月10日 08時17分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(九~十)―八幡製鉄所の大罷工記録— 九 鬨(かちどき)は揚がる  斯くて、いろいろの小悲喜劇はあったが、罷工はプログラムどうりに進行した。 各工場から順次に雪崩出た職工群は、行列を遮ぎらうとする監督連や守衛を××にして、気勢をあげたほかには、別段の故障も、紛擾もなく、幾十度となき調練を経た軍隊でもあるかのように、隊伍堂々と . . . 本文を読む

『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(十一~十二)

2021年08月10日 08時16分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(十一~十二)―八幡製鉄所の大罷工記録—十一 検挙 家の前に二台の人力車。「変だな」と思って入ると、第一の伝令久保田某。沈黙の眼が勝利を語っている。聞く者も、告ぐる者も、感激と昂奮に打ちふるう。「いや、全く困つた。罷工が始まると各門をピタリと閉めやがったので、工場外に出る路がないんです」 通路を断れた彼はずっと海岸の方に遠廻り。低い木柵を乗り越へて通路 . . . 本文を読む

『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(十三~十四)

2021年08月10日 08時15分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(十三~十四)―八幡製鉄所の大罷工記録— 十三 一歩退却  七日、第三日目、職工はやはり入門しない。罷工(スト)は続く。 朝から検束を解き始め、昼頃までに百余名を帰す。 昼食を食っていると、野村署長がやって来て、製鉄所から回答のあったことを知らせた。 八時間労働制は調査の上で回答する。割増金は本給に繰入れる予定で第四十二議会に予算案提出中である。割 . . . 本文を読む

最終回『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(十五~十七) 

2021年08月10日 08時14分00秒 | 1920年浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』
最終回『溶鉱炉の火は消えたり』浅原健三著(十五~十七)―八幡製鉄所の大罷工記録—十五 遂に再爆発  爆発の時が来た。 爆発すべき、総ての、必然の条件に押し詰められた労働者が、止み難き欲求と自棄的××心とを、××の形に於て、叩きつく可き、最後の時が来た。しかも、県当局は二十二日、五日以来継続して来た、水も漏らさぬ厳重な警戒を解き、各地から . . . 本文を読む