大学2年の夏、北アルプスの"裏銀座コース” を通る「立山(雄山)→五色ヶ原→薬師岳→黒部五郎岳→鷲羽岳→三俣蓮華岳→槍ヶ岳」を、1週間程かけて縦走しました。
立山・裏銀座コースが、私にとっての初めての北アルプスでした。
「日本の屋根」とか「日本アルプス」と呼ばれているのは、北アルプス(飛騨山脈)と中央アルプス(木曽山脈)と南アルプス(赤石山脈)の3つの山脈です。
その中でも北アルプスは、白馬岳や剣岳、槍ヶ岳、穂高連峰など、山登りをしない人も名前だけは知っているという山が多くあります。
学生時代は、長い休みがとれる7月から8月にかけて、1週間から10日程度の夏合宿を実施していました。
北海道や日本アルプスに行く場合が多く、私たちのメインの活動となっていました。
立山・裏銀座コースが、私にとっての初めての北アルプスでした。
夜行の寝台列車に揺られ富山まで行き、電車やロープウェイ、バスなどに乗り換えて着いたのが室堂です。
当時の私は先輩について行った感が強く、山の名前さえよく分からずただひたすら登山道を歩いたというのが正直なところです。
この写真もその時撮ったものですが、ブログ用の写真を選んでいる中で、初めて "剱岳” が写り込んでいることに気が付きました。
初めて行った北アルプスは、眼下に広がる雲海、夏でも残る雪、その雪で作ったカキ氷、ハイマツの中からヒョッコリと顔を出すライチョウ、可憐な花を咲かせた高山植物など、見るもの全てが新鮮でした。
立山から薬師岳へ向かう途中の尾根道を、重いキスリングを背負い喘ぎながら歩いている時に、左手下方に黒部湖の青い湖面が見えたことを懐かしく思い出します。
また、小さく見えていた槍ケ岳が、日に日に近づいてくるのを見て、
「一歩一歩は小さいが、積み重ねることでいつか目的地に辿り着く」
そんな、当たり前のことですが実は生きていく上でとても重要な真理とも言えるものを体感しました。
何日も風呂に入らず、汗が乾いて白く塩が吹いたユニフォームを着続けた夏合宿でした。
「こんな世界があるんだ… 」
多感な青春時代、仲間と共にこのような体験をしてしまった私は、その後も山から離れられなくなってしまうのです。