～捕獲報告書～

情報屋Xだ。
それ以上の事は詮索しないでくれ。

本日午後未明、捕獲指令の出てた鰐とやら星に似たような男が堂島近くを歩いてるとの情報が入った。

オレの弟分からの情報なんでガセでは無いと踏んですぐさま現場へ直行。


すると星と思しき男を発見。
この濃い顔立ち、深い二重まぶた、エロい口ひげ、小さな携帯電話、常時所持してるフリスク。
極めつけは、たまたま前を通った巨乳OLを眼で犯すが如く見つめる鋭い眼差し。
星に間違いない！

声を掛けようかとしたがそこはその筋のプロ。

ある程度泳がせて星の動向に探りを入れ、依頼主さんに土産を持たすのが俺達の流儀なんだよ。


すると、星は某地下街に有るこんな店の前で呆然と立っているではないか…




危険を察知した俺は尾行捜査を打ち切り背後から声を掛けた捕獲に乗り出した。

「おい！鰐!!」

「ハっ!?!?」

即捕獲。




星は意外と落ち着いた様子だった。

そして再度確認
「鰐だな！」
「は、はい」
慌てふためいた素振りもなく、捕獲された事でむしろホッとした様子だった。


「ここで話すのも何だからどっか入るか、腹減ってねえか」
と問うと、逃げ疲れたのかゆっくりとうなづき近くの喫茶店へ入った。

店内でメニューも見ずにじっと一点を見つめる鰐。
店員さんの「ご注文は？」の問いに鰐は

「じゃあオムライス大盛りで！」

吉本新喜劇だったら全員ひっくり返るとこだったゼ。

まぁこれだけ食欲も有り、会社にもちゃんと行ってる様なので
逃亡の可能性も無いと踏んで星を一旦釈放した。
俺も暇じゃないんでね。


星にはこの報告書を読んだ上でテメェでケツを拭けと言っといたから
後はで煮るなり、焼くなり好きにしてくれ。


じゃ俺はここで失礼するよ。

おっと報酬はいつものスイス第三銀行チューリヒ駅前支店に入れといてくれ。



次どこかでお前さん達に会ったらこう言うゼ

「はて？どこかでお会いしましたか？人違いじゃないっすか…」



情報屋X