プリウスと風景

私にとっての「銀河鉄道」プリウスで旅へ、そして自由な思考表明をと考えています

多和田葉子・南部陽一郎氏と父親 その2

2024年06月22日 |  エッセイ
 文学、物理学と範疇は全く異なっているが、両方とも各分野での高い嶺に位置する有名人で当方がことさら言うことはない。

興味があるのはどういう家庭環境、親の考えのもとで育ったかということ、その一部としての父親の考えているものに興味を抱いた。

 多和田氏については前回、書店を経営していた父親に触れたが、改めて父親の書く文章を読んで驚く。
若いし、内容も時代をよく見ているし、とても90歳の文章には思えない。佐藤愛子さんのよう。
 
 嶋津隆文オフィシャルブログ・「多和田葉子氏の尊父にお会いしてのちょっといい話」
というのが目に入った。 短いが、父親の娘に対する考えが垣間見え、将来一定の意義あるものになろう。

 2008年は日本人ノーベル賞受賞者が二日で3人も出てみんなびっくりしたものだ。その一人南部陽一郎氏は「対称性の~破れ」で物理学賞をお取りになった。どういう内容か逆立ちしてもわからないが他の受賞者の弁だとノーベル賞複数分の価値があるとか。
 当時南部氏はかなりの高齢であったが(1921年生)、内容が先進過ぎるか高度すぎるかで世の理解を得るのに50年かかったという人もいる。
 氏の紹介エピソードで「子供の科学」を父に買ってもらって嬉しかったとの
一節があり、その所だけがほほえましくかつ父親ってどんな人か興味も湧いた。
 父親は東京で教師をしていたが関東大震災で焼け出され故郷福井に幼児陽一郎氏を連れて戻ったらしい(仏壇屋のせがれ)。
そんな昔に「子供の科学」が出ていたのか、父親は文系人間(早大英文科)なのによくそんな雑誌を知って買い与えたものだと、その点でも感心してしまう。
 東大の後輩で父親に興味を抱いて調べたがよくわからなかったというブログを見たこともある。マー、古すぎるだろうし。

 しかし、偶然はあるものでちょっと前、ある福井出身の超高齢の人と話をしていたら「知っている人の子供がノーベル賞を獲っている」というではないか。痴呆症的記憶の混濁かと思ったが「誰?」と聞いたら
「南部さん」とのこと。
 妄言ではなかったようだ。その人は福井県の藤島高校出身。そこで英語教師をしていたのが父親。南部陽一郎氏も同校出身。
先生とは親しくし、お宅にもお邪魔し、アメリカの大学に行っている息子のことも話に出たそうだ。
 ご家族とともに撮った写真を見せてもらったが男の子は母親に似るのか南部陽一郎氏は母親そっくり。
妹さんも写っていた。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 多和田さん、南部さんと父親 | トップ | 週刊誌でない方の「文芸春秋 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

 エッセイ」カテゴリの最新記事