プリウスと風景

私にとっての「銀河鉄道」プリウスで旅へ、そして自由な思考表明をと考えています

多和田さん、南部さんと父親

2024年06月21日 |  エッセイ

多和田葉子さん

日本で多くの文学賞をお獲りになっているがドイツその他の国でも作品が多く出版され、受賞もされている。

 最近では若くして学士院会員にも選ばれ、特に業績が高いとして恩賜賞を受けた3人の一人に入っている。また読売新聞での連載「研修生」も始まっている。

彼女の若い時からの外国移住、連載の「研修生」でも書かれているドイツ出版取次店での就職など、考えてみれば特殊であり普通の家庭での子女にとってハードルが高いはずであるがどうやってクリアしたのだろうと気にすれば気になる。

そんなある日、たまたまネットの片隅に彼女の父親の記事が出ていてそれを目にして合点がいった気がした。

多和田さんの父親、多和田 栄治さんは去年夏まで神田神保町で洋書店エルベ書店を経営していたのであり(90歳)、ドイツ書取次ではかなりの実績があったようだ。

 氏自身大学で葉子さんと同じくロシア文学を専攻しており、多和田さんのドイツでの書店就職にも口添えがあったようであるし、逆に父親の仕事に役立つことも当然あっただろう。



 ところで最近、日本では母親に対しては「毒親」などとその悪影響を強調するきらいがあるが、どうも世界の偉人さんを見ると古くから父親のいい影響が見て取れるケースが多い。

モーツアルト、ベートーベンなど音楽家以外にも西洋の哲学者に散見される。

日本では多和田さん、そして先年ノーベルブル賞をとった南部さんの父親にそれを感じる。

多和田 栄治さんは彼女の活動をどこまでも認めるおおらかさを持っているし、インテリ性もお持ちだ。そして葉子さんも父親のいい意味での影響を受容しているようだ。





余談 
 ノーベル賞受賞ってその人が所属国でどう受け止められているかが影響している気がする。政府からのお墨付き的な栄誉を受けているのは有力な+材料だろう。
アフリカの多くの人を失明から救った薬の創案者某氏についても受賞の直前、かなり日本のメディアで取り上げられていたし、異論をはさむ人などいなかった。
 村上さんについてはその価値を否定する人もいるし、国内同部門受賞者からの推薦もなかったようでちょっと難しいと思う。




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