プリウスと風景

私にとっての「銀河鉄道」プリウスで旅へ、そして自由な思考表明をと考えています

歩き遍路、フランス人、大江の生家 v2

2024年05月20日 |  エッセイ
 先日、テレ朝の夕方のニュースを聞いていたら(運転中なので)、フランス人が49日かけて四国遍路1200キロを

逆向きに歩いた特集があった。

逆向きは道しるべがほとんど役に立たず見える風景も全く異なるもので難易度は格段に上がる。一度や二度歩いて

も簡単ではないできない。

 フランス人の歩き遍路は多い。私の時も二人の青年が自転車遍路をしていて少し話した。

今多いのはフランス人女性が書いた四国遍路の本の影響があると思う。受けた御接待の好待遇があまりによかった

と書かれているので(若い美人白人女性ということもあるが)。



マリー・エディット・ラバル  イーストプレス社 2016年


コロナ禍で遍路者も遍路宿の営業も壊滅的に減少していたはずであるが新型コロナが収束し、良い季節になってい

るので復活の兆しがみえているようだ。

今後我慢していた3年分の希望者が一気に行動に出るかも。

既に遍路宿も溢れ泊まれない人も出ているようだ。

歩くことって一種の中毒性があって、何年か経つとまた行きたくなる。

実際歩き遍路している人に聞くと初めてというより何度目かという人の方が多いくらいだった。

しかし1200キロ歩くって体力、金銭、日程の確保ができる恵まれた人。よほどのことが無い限り何度もできる

ものではない。

私は幸い膝、足を痛めることなく比較的順調に歩くことができたがそれでも、なんであそこの地域をもっと入念

に歩かなかったのかと悔やまれることが多い。

その一つが大江健三郎(そういえば仏文科だ)の生家付近である。特段、大江の作品が気に入っているわけではな

いが至近場所まで歩きながら生家の燃料店を見過ごしてしまっている。




左の建物は大瀬自治センター


後年このあたりをいろいろ書く人がいる。

先日の日経新聞夕刊にも建築家 原 広司氏がエッセイを書いていた。

「大江の故郷である愛媛県大瀬村(現内子町)は森に囲まれた谷で、多くの作品の舞台になった。

彼はその空間を言葉という膨大な記号の世界に仕上げた。」

私は川添いの裏通りを歩いて広い道に出ただけだった。旧軽井沢を扱う文芸作品にも出てくるが、独特の響き

がある「谷」は感じず、原氏が設計した内子町立大瀬中も見ていない。

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