園芸ケアの模索~based on Horticultural Therapy~2nd season

ひとと緑のコラボレーション 園芸療法。ひととコミュニケートするツールとしての園芸のかたちを模索中です。

働くことの理想と現実

2008-08-08 10:36:33 | 想いはめぐる
ここだけの話ですが、就職ガイダンスというものを覗いて来ました。福祉・保健医療分野のものです。簡単な自己アピールを書いて、面談会場に入ってはみたものの、果たして自分の求めている職場を見つけだすにはどうしたものか…足が前へ進まずにいました。
介護福祉士は福祉施設や病院の介護職員として需要はありますが、ヘルパー資格者と同等の待遇の所もあり、経験を積んでいる身には物足りなさがあります。低賃金に関しても制度や施設の経営など考慮すれば、現状の中で少しでもやりがいを持って仕事に臨むしか、今はありません。
「やりがい」はひとによって様々でしょうが、私にとっては関わってきたグループホームの利用者さんの生活を支えること、利用者さんのご家族の役に立っているのだという自負が6年余りの支えになって来ました。その間温めてきた、園芸療法を用いることで、認知症の方々の生活を少しでも前向きなものにしたいとの思いを、実行に移すことが今の希望です。それは福祉の仕事についた目的でもあるし、今後のモチベーションにも関わります。しかし現実はキビシイようです。
園芸療法よりも認知されている音楽療法の導入においても、福祉施設ではボランティア扱いが多く、療法士として食べていくだけの報酬はないようです。また、報酬があれば今度は、療法の時間、利用者を預けて職員は休憩してしまうような場合もあり、疑問を感じることがあるそうです。そういった各種療法の目的が理解されないまま、健常者に手軽にもてはやされ、流行りものとして終わってしまうのは残念ではないでしょうか? 何か公的なバックアップや関心を寄せて取り組みを後押しする力のある理解者が、ここ鹿児島にも存在して欲しい!全国的に見れば自治体でそれらに取り組んでいる所はいくつもあります。(兵庫県立淡路景観園芸学校はその代表的なものです。岐阜県では園芸福祉サポーターの養成事業の実績があります。)
内容が膨らみすぎるといけませんね。要するに、福祉の現場で園芸療法のように心・身・脳の機能に障害のある方に有効な非薬物的手法が、日常的に用いられるようになるまでには、長い道のりを歩むことになりそうだと実感する、夏の1日でした。

ホームでの活動に一役買ったこのハイビスカスは、濃い桃色の花で、朝ゆっくりと開き、私に1日のエネルギーを与えてくれています。
この途切れがちなブログを読んでくださっている皆さまも、まだまだ続きそうな暑さを乗り切られますように願っています。

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1 コメント

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人は何故厳しい仕事でも働くのか (bonn1979)
2008-08-08 22:54:55
むかし、アメリカの経営学者ピーター・ドラッカー
の本のなかで、

「人は(経済的に報われないとか、周囲から理解されないとか)困難ななかで、どうしてその仕事をしようとするのだろうか?」
という問いを発している箇所があった。

経営学なので開拓時代の企業経営のような話かとおもったら、例として、ソーシャルワーカーがあげてあったのでびっくりして読みかえしました。

それは、社会に必ず必要な仕事だという信念から、(社会がどう評価しようと)長い道のりを耐えることができる・・といった説明だった。

私は転職、転勤が多く、これぞという仕事を継続してできないまま歳をとってしまった。「生活のため」といういいわけをして。
だから、人にどうこうとはいえないのですが、
長い方向性は正しい、という自分の信念は貴重ですね。

大事な仕事ほど、一人で進めることはごく僅かで、長い駅伝リレーのごく一部の区間を走っただけ
ということも十分ありえますね。
それでも、過去の人間がしてきたことを考えると、その1区間、1歩の前進でもそれなりの意味がある・・と考えることができます。
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