園芸ケアの模索~based on Horticultural Therapy~2nd season

ひとと緑のコラボレーション 園芸療法。ひととコミュニケートするツールとしての園芸のかたちを模索中です。

お盆すぎ

2009-08-26 23:33:32 | 2009年の風景
珍しく、風景の写真を入れます。

甲突川(こうつきがわ)の中流より少し北になるのでしょうか。
伊敷公民館あたり、梅ケ淵観音まですぐのところです。
お墓参りの帰りに遊歩道まで降りてみました。

左下の紫の花、「ヤナギバルイラソウ」と教えてもらったことがあります。
朝顔よりも弱いテクスチャーの花なので、雨にあたるともうしなだれてしまいますが、さり気なく目を惹く道端の草花です。

小さい頃、お墓の帰りに橋の上から小さな魚を見つけたり、川の浅瀬で遊んだりしたものです。
その頃よりも整備はされましたが、子どもたちが遊べる雰囲気ではないようでした。

でも橋の蔭で耳を澄ませると、さらさらと流れが音として入ってきます。
普段味わえなくなったそんな環境はせめて残ってほしいと、先日ブログ上ですこし触れられた景観の問題を思い出しながらこの風景を眺めたことでした。


これだけでも感動

2009-07-23 18:45:12 | 2009年の風景
7月22日水曜日。
“園芸のじかん”? いえいえ、やはり日食優先でしょう!
というわけで、ホームでも観察会となりました。

あいにく、世界の期待を集めていた(はずの)鹿児島は朝から雨。
曇り空にも淡い期待を抱いて、その時間に臨みました。

すると、折り重なった雲が流れる上空に、雲のきれぎれを縫って、日食の始まった‘三日月の太陽’が白く浮かび上がって見えます。

「うゎっ、見える見える!」と興奮するスタッフにつられて、腰が上がった数名の入居者さんたちもスロープから見上げます。
「見えた!」
70代後半から90前の方にもその姿は見えたようです。
うす曇りが、かえって日食用の眼鏡を遠さずに楽に見ることができました。

皆既の瞬間は、厚い雲と小雨でさすがにみられませんでした。

再び太陽が顔を見せ始める間、以前は飛行機雲を見つけるのが得意だったYさんとそのご家族と、しばらく粘っていました。
小雨が上がると、また時々光を放つ‘三日月’が見えましたが、Yさんは見上げることも認識できず…でした。
「ここに来たから見えたゎー」と喜んでいたご家族が、ささやかな救いだったかも…

中でTVを見ていた99歳のSさんの言葉が印象に残りました。
太陽が月に隠れるんだよ、と説明した私に、
「さびしかなぁ。」と答えられ、
そうだねぇ、と、その自然で素直な感性に、むしろ感動を覚えました。


携帯で撮った写真に修正を加えたものです。
皆既後の月の影が残り、白く見え始めた太陽は写っていません。

「八島太郎」を知っていますか?

2009-05-29 22:03:05 | 2009年の風景
 先日久しぶりに美術館へ行きました。
 写真は、鹿児島中央駅背後の高台に位置する、長島美術館から桜島を眺めたものです。
 ここでは、毎年ボローニャの絵本原画展も開かれます。

 この日は、終了間近だった「八島太郎生誕百年展」へ。
 
 ひと言で印象を伝えるとしたら、「深い深い人間愛」を感じた展示でした。
 自らの信念に真っ直ぐな、そして家族を大切にする芸術家だったのでは―

 自分の生まれた1970年の作品が目にとまりました。
 エンピツのデッサンに水彩で描かれた、小品の‘ハイビスカス’。それと対照的な大きな作品で未完成の‘鳩’。

 この‘鳩’は画家が残した私たちへのメッセージではないか、と熱のこもった解説をされていた、展覧会実行委員長の愛場美和さん。実は高校の先輩にあたるのだな、と新聞記事で知り、それも足を運んだ理由です。
 偶然にもギャラリートークの時間に着き、トーク後にそのことをお話しできるタイミングがあったのは、ラッキーでした。

 珍しかったのは、今回、八島太郎氏が70代で脳溢血に倒れたあと、麻痺が残った体のことや療養生活を詠んだ「自由律俳句」が百点並んでいたことでしょう。
 もどかしい想い、叫びだしたい悔しさが、穏やかな風景の描写に交じって句として表現されていました。
 ぎゅっと心をつかまれる様な感覚が、帰り道も残りました。

 もうひとつ私が感じたのは、マイノリティへの温かいまなざし。
 彼が書きのこした絵本や、好きで集めていたという民芸の人形のコレクションにそれを感じました。


 故郷の誇れる大先輩から、いくつもの人生の宿題をもらったような、印象深い作品展でした。
 

 

自分のためだけの日

2009-04-10 22:28:51 | 2009年の風景
昨日は、どか灰の鹿児島市内。
外に出れば、雨が降るまでは舞い上がる桜島の火山灰に悩まされます。

その中を、どうしても木市に行きたくて車で出かけました。
しかし…アクシデントに見舞われました。予期せぬ車の故障…

知り合いのガソリン・スタンドで見てもらったところ、修理に。
気分は一気に下降↓

でもめげずに、しかも久しぶりのウォーキングで、往復40分かけて甲突川を目指します。
桜の終わった川べりではツツジが見頃ーですが灰かぶり姫になってしまって残念。

額の汗を扇ぎながら、造園・園芸業者が軒を連ねるテントに入ると、身も心もクールダウンすることができました。
季節の花の苗、野菜苗、果樹、庭木etc・・・木市では珍しい品種が手に入ることが特徴のようです。

その中で今回のお目当ては、ミニ盆栽です。
少しひねって、花の代わりの贈り物に、と思ってのこと。
けれども、お店の方にいろいろ聞いているうち、自分も欲しくなってきてしまいました。

写真の左側「にしきぎ」がそれです。白に近い緑の小花がちょうど咲き始めたところで、幹が独特で樹形も良いと薦められ…挑戦することにしました。
右側は「こばなずいな」。こちらはもう少し柔らかい印象の茎葉と、藤に似た小さな花房が見えます。
どちらも高さは20センチくらいです。
そうしたら、「白鳥花」という苗をおまけしてくださいました!

もう一つの収穫は、沖縄で「はんだま」と呼ばれる野菜の苗です。
葉の表が濃い緑、裏が赤紫をしています。
カルシウム、鉄、ビタミンなどの栄養素が豊富、というのがポイント。

いろんな意味で、自分のための園芸も必要だよね、と少ないお小遣いをはたいたという訳です。
が、ちゃんと目配りしていけば、楽しみは何倍にもなります。

愛車も、出費がかさんだけれど、半日で修理してもらえました。
アクシデントがあったからこその、気ままな休日だったような気もします。



学び舎にて、ありがとうの気持ち。

2009-03-24 14:52:58 | 2009年の風景
 卒業が名残惜しいように、大学院の裏でおにぎりを頬張ります。
 まさに今満開のソメイヨシノと、枝先にわずかばかりの芽を出した銀杏が、青空に映えていました。

 ここを拠点に得た出会いは、どれも私にとっての財産です。
…イギリス、ゴダルミングのチェシャーホームで過ごした、ボランティアとしての経験に匹敵するものになるかな、と思います。

 今年は気持ちいいくらい、鹿児島市内のどこを走っても、淡い桜色に出会えます。 
 昨年まではそんなに出会えてなかったし、特に今日はゆったりとした気持ちで咲きほこる樹々を見ている自分に気がつきました。

 リセットの季節かもしれませんね。