金曜日…新球場に行くのにタクシーに乗車した。
野球好きの個人タクシーの運転手さんであった。
乗車後…すぐに悪友に電話し、「いまタクシーで迎えに行って
もらっているから・・・下に降りていて…」と携帯で連絡を
入れた…
悪夢はそこから始まったのは、タクシーを降りてからである。
新球場前で渋滞があり、少し前でタクシーを降りた。
運転手さんに料金を支払い、待ちに待った新球場へGO…と
悪友と歩を進めていると…何気なく触ったポケットに
携帯がない…
一瞬いやな予感がした…
バッグやポケット全てを探してみたが・・・
どこにも携帯がない…
その瞬間…野球どころの気分でなくなった…
悪友は自分の携帯から私の携帯に何回も掛けてくれ
留守電にメッセージを残してくれた。
そこで…思い出した…
万が悪いことにバイブにしていることを…
一般のタクシー会社であれば、その会社に電話すればすぐに
解決するのだろうが・・・個人タクシーである…
しばらく思案して…一つのことを思い出した。
取引先のタクシー会社に電話してみよう…
早速…楠木にある…さくらタクシーに電話を入れ事情を話した。
個人タクシーの加盟されている組合が3つあるので
どうなるかわわからない…との返事だった。
とにかく待たなければならない…
もう本当に試合どころの気分ではなくなった。
次に…会社に連絡し現在の状況を話した。
他にも連絡したい所があったが、紛失した携帯に
全て登録しているため
方法がない…本当にあせってしまい…普通の精神状態ではなかった。
待ちに待ったはずの球場に入ったが、心は晴れなかった。
「運転手さん気付いてくれないかな~~」とか
「誰か見つけてくれないかな~~」など
その様なことばかり考えていた。
さくらタクシーから連絡が入り
「取り敢えず…警察に連絡を入れ届をするように…」
と言われ…中央署に電話した。
全てやることはしたのだから・・・後は連絡を待つだけ…
と決めても…自分の情けなさに腹がたつやら…
すると…悪友さんの携帯に連絡が入る。
運転手さんが気づいてくれたらしく、駅前交番に届けるとの一報…
この時は…本当に気分が晴れた…
悪友さんが「金曜日の夕方で渋滞しているだろうから
少し時間を遅らせていく方がいいよ…」と、アドバイス
してくれた。
それに従い…3回の攻防を見届け、いったん新球場を出て
駅前交番に向かった。
交番に着くと…見かけた人が何やら手続きをされている。
私はその隣で、お巡りさんに
「携帯を落としたんですが・・・」と言うと
隣にいる方が…私を見られた。
そして…携帯の番号を伝えると…私の携帯を届けに
きてくれていた運転手さんが隣の方であった。
落し物の捜索願いが提出されていた関係で
その個人タクシーの運転手さんには本当に
ご迷惑を掛けてしまった。
(書類などで…)
無事に携帯を受け取り、運転手さんには
私なりに丁重にご挨拶した。
運転手さんは好意でしたことだからと
連絡先は伏せられた…
球場に帰り 悪友にその話をすると
「オマエは気がきかんの~運転手さんにもう一度
球場まで乗せてもらい、釣りはいいですと
謝礼をせんかい…」と怒られた…
考えてみると…悪友の言った通りである。
つくづく…気が利かない自分に腹がたった。
金曜日の夕方…稼ぎ時のなか…私のミスで
お忙しいところ、好意で交番に届けてくださった
個人タクシーの運転手さん…
本当に気がきかなくて申し訳ありませんでした。
そして…本当にご親切にお届いただき
ありがとうございました。
この好意は一生忘れません…
本当にありがとうございました。